人権だより
子どもの権利条約について 3
配布日 1998年10月31日
発行 人権教育係
人権だより
子どもの権利条約について 3
1998・10月 所沢高校 人権係
国際的に人権問題が言われだしたのは、基本的には第二次世界対戦後。人権を尊重
しなかった結果として生み出してしまったファシズムや戦争の惨禍を深く反省しての
ことでした。そして「子どもの権利」ということばや考えが出てきたのは、今からわ
ずか10年ほど前のことにすぎません。いまの大人たちのほとんどは、このようなこ
とばを知らずに育ちました。ユニセフ親善大使の黒柳徹子さんは、家を追われ親を失
い必死に隣の国に逃げのびて、行く所もなくなすすべもなく、土の上にうずくまって
いるルワンダの子どもたちを見て、「この子たちは大人のためにこんなにひどい目に
あっているのに、だれひとり大人に向かって文句を言ったり怒ったりする子がいない」
と思うと、胸がいっぱいだったということです。もし、この子どもたちが、自分には
「子どもの権利」があり、自分の国も「子どもの権利条約」に加入して、それを守る
ことを約束していると知っていたらどうだったでしょうか。
「子どもの権利」とひとくちに言いますが、実際は驚くほどたくさんの種類と数が
あります。特に、この条約の原則中の原則は、差別禁止(第2条)、子どもの最善の
利益(第3条)、および子どもの意見の尊重(第12条)です。さらに、この5月に
行われた国連審査では日本政府に対して、「この2条、3条、12条を政策論議およ
び政策決定の指導原理としなさい」という勧告が出されました。
今回は第3条について見てみましょう。正文(英語)を読み、どのように訳したら
よいか考えてみましょう。前回の前文と同様に、左側に当時中学生の小口尚子さん・
福岡鮎美さんの翻訳文、右側に日本政府の翻訳文を紹介しておきます。
(Web管理者:以下省略)
(Web管理者記)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
[正文・英語]/[日本政府訳]/[民間訳]については、セーブ・ザ・チルドレ
ン・ジャパン(SCJ)の website にあります。
尚、小口尚子さん・福岡鮎美さんの翻訳文「子どもによる子どものための『子ども
の権利条約』」は、小学館から出版されています。
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子どもによる子どものための「子どもの権利条約」
まっすぐに生きるために、大人に対して、ぼくは言う。アムネスティ日本支部主催の
子どもの権利条約翻訳・創作コンテスト最優秀賞受賞作を美しいカラー動物写真とと
もに収録。協力・アムネスティ/谷川俊太郎。
小学館。1,428円。子どもの権利条約
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