竹永先生への
不当処分撤回運動について
所沢高校PTA
1998年9月12日(土)
はじめに
1998年、所沢高校では、入学式・卒業式に代わり「卒業記念祭」「入学を祝う
会」という生徒主催の新しい入学・卒業行事を成功させました。「自主・自立・自由」
の校風を持った所沢高校は、体育祭や文化祭など生徒会活動の活発な高校です。「卒
業記念祭」や「入学を祝う会」は、そうした生徒自治をさらに発展させたものとして
考え出され、原案作りからほぼ8ヶ月かけて作り上げられました。
その間、様々な困難がありましたが、教職員とPTAが一致して援助し、見守って
きました。その過程の中で、この問題は起こりました。
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│Q1.竹永先生は何をしたの?│
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今年の3月18日に行われた入学説明会の時に、1学年代表としてこれまでの経過
を説明し、入学に関して「生徒・教職員は「入学を祝う会」のみ行いたいと考えてい
るが、校長先生と意見が食い違っているので、4月9日に向けて、校長先生に生徒や
教職員の考えを理解してもらい、当日は混乱のない様に最大限の努力をするので安心
してほしい。」と説明しました。説明の内容は、学年会で話し合って決めたものであ
り、竹永先生が個人的に発言したものではありません。
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│Q2.教育委員会は何が問題で、「戒告処分」を出したの?│
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〜処分事由説明書より〜
「入学式」の後に「入学を祝う会」を実施するという校長の説明に反し、校長の了
解を得ることなく、学年関係の説明の際、4月9日は「入学を祝う会」のみを行い、
教職員も校長の行う「入学式」に反対するという主旨の発言をした。このことは、教
育公務員としての「信用失墜行為」である。
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│Q3.「戒告処分」って、どんな処分?│
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地方公務員法第29条には、懲戒処分として、免職・停職・減給・戒告の4つを定
めていますが、その中で1番軽い処分ではあります。しかし、3ヶ月の昇級延伸と履
歴書に処分書の記載事項が朱書されます。
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│Q4.どこが「不当処分」なの?│
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(1) 事実が間違っている ─── 竹永先生は、「4月9日は「祝う会」のみを行い
たい」との生徒、教職員の考えを示したのであり、また校長の行う「入学式」反
対するとは発言していません。
(2) 処分までの手続きが違反している ─── 不利益処分を受ける時には、当然本
人の事情聴取が行われるべきものにも関わらず、発言の確認も弁明の機会すらも
与えていません。校長先生の報告のみで、わずか8日後の26日に処分を出しました。
(3) 「信用失墜行為」には、あたらない ─── 一連の「卒業式」「入学記念祭」
のマスコミ報道に対して不安を抱いている新入生保護者や生徒に対して、何の説
明もしなかった校長に代わって、竹永先生は、これまでの経過と「入学式」「入
学を祝う会」に対しての生徒、教職員、校長の考えを説明したのです。本来なら
ば、校長先生が説明すべき内容ではなかったのでしょうか。
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│Q5.なぜPTAは「処分撤回運動」を支援しているの?│
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PTAは、常に生徒の自主的な取り組みを尊重してほしいという立場で活動してき
ました。今回の処分に対しては、その経過からみても、竹永先生個人の処分ではなく
生徒の自主的な活動を支えてきてくださった先生方への圧力であると考えます。その
後、校長先生や教育委員会は、入学式の出席が入学の条件であるかのような手紙を、
新入生の保護者宛に出しています。先生方の発言を封じ、新入生には大きな不安を与
え、生徒の自主的な活動をおさえようとしたやり方に、私たちは憤りを感じています。
竹永先生の不当な処分を撤回することは、所沢高校の「自主・自立・自由」の校風を
守ることにつながるのです。
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│Q6.どうすれば、処分撤回ができるの?│
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竹永先生は、5月22日埼玉県人事委員会に対して、審査請求を行いました。現在、
弁護団を組織して、処分の不当性を明らかにすべく準備を進めています。今後、公開
口頭審理を経て、人事委員会が処分の不当性を認めれば処分は撤回されます。
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│Q7.人事委員会って何?│
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公務員の行政処分に対して、不服申立てをする所。人事委員会の裁定に不服のある
時は、民事訴訟を起すことができます。
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│Q8.公開口頭審理って何?│
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教育委員会と竹永先生が、それぞれ弁護団を立てて、お互いの主張を述べ合う場の
ことです。ただし、裁判ではないので、裁判所ではなく会議室のような所で開かれ、
だれでも傍聴することができます。
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│Q9.これから私達にできることは?│
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もっともっと所沢高校のことを知ろう。自主・自立・自由とは何か。所沢高校で、
守り育てようとしているのは何か。考える場所はたくさんある高校です。その中で、
この問題の意味が、きっと見えてきます。これから始まる公開口頭審理にも足を運ん
でほしいと思います。教育委員会の考えも、校長先生の考えも聞けます。いろいろな
考えを聞きながら、最後は自分で判断する・・・それが所沢高校です。
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│Q10.「所沢高校教諭への不当処分撤回を支援する会」って何?│
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所沢高校(現在は竹永先生)にかけられた不当な処分の撤回を支援することを目的
として作られた会。なぜ所沢高校教諭となっているかというと、あってはならないこ
とですが今後他の先生方が何らかの処分を受けるかもしれないという可能性が全くな
いわけではないからです。PTAを母体として作られていますが、PTAとは別組織
です。事務局には卒業生の保護者を中心に、在校生の保護者や先生方も入っています。
今年度はPTA総会で、「竹永先生への不当処分撤回を支援する決議」が採択され、
「支援する会」と協力して不当処分撤回運動を進めていくことが確認されています。
現在「支援する会」の会員は1300人を越え、全国的に支援の場が広がっています。
ぜひ、「支援する会」に参加し、お力をかしてください。
(Web管理者記)--------------------------------------------------------
この資料は、1998年9月12日・13日の所高祭で配布されていたものです。
この資料には、間違いの個所がありますので、訂正して下さい。
【訂正個所/訂正前】
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│Q4.どこが「不当処分」なの?│
└───────────────┘
《省略》
(3) 「信用失墜行為」には、あたらない ─── 一連の「卒業式」「入学記念祭」
のマスコミ報道に対して不安を抱いている新入生保護者や生徒に対して、何の説
【訂正個所/訂正後】
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│Q4.どこが「不当処分」なの?│
└───────────────┘
《省略》
(3) 「信用失墜行為」には、あたらない ─── 一連の「卒業式」「卒業記念祭」
のマスコミ報道に対して不安を抱いている新入生保護者や生徒に対して、何の説
【訂正理由】
まず、「入学記念祭」という行事は行われておりません。「入学式」に代わるもの
としては「入学を祝う会」が4月9日に行われていますが、3月18日の入学説明
会の時点でマスコミ報道されていたのは「卒業式」と卒業式に代わるものとして実
施された「卒業記念祭」です。
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