常任理事会だより
― 1997年度 第22号 ―
発行日 1998年5月28日(木)
発行 所沢高校PTA常任理事会
1998年度 PTA総会
1998年5月30日(土)
14:30〜 於:視聴覚室
中間考査が終わり、生徒達は6月4日(木)の体育祭に向けて、元気に取り組んで
います。PTAは5月30日(土)に新年度の総会を開催し、新体制で活動を始めま
す。
今回のPTA総会では、通常の議題の審議の他に、“卒業”“入学”の件について、
校長先生と話し合う時間を持ちます。また、竹永先生への不当な戒告処分の撤回に向
けて取り組む緊急決議を提案します。(決議の文案は、幾会のお知らせと共に配布し
てあります。)
多くの皆様のご出席をお願い致します。出席票、又は委任状を提出していない方は、
5月30日(土)までにご提出下さい。
5月30日(土)は、13:30より後援会総会が開催されます。PTA会員は、
後援会会員でもあります。是非、ご出席下さい。
☆新旧理事会開催される
5月2日(土)14:00より新旧理事会が開催され、PTA総会に提案される活
動報告、決算報告、予算が承認されました。
常任理事会から“竹水先生への不当処分撤回に取り組む”方針を提案したところ、
“どうして、入学許可候補者説明会での竹永先生の発言が処分の対象となるのかわか
らない”“校長先生のお話しを直接聞きたい”等、校長先生へ質問が集中しました。
しかし、校長先生は、“申し上げることはございません”“お答えできません”とし
か発言されませんでした。
竹永先生を支援していくことが拍手で確認され、提案については、常任理事会に一
任されました。
☆竹永先生、県人事委員会に審査請求
竹水先生は、5月22日(金)、戒告処分を不服として、県人事委員会に審査請求
されました。
竹永先生は、3月18日(水)の入学許可侯補者説明会において、4月9日は、教
員・生徒は入学を祝う会のみを行いたいと考えているが、校長が入学式を行うと言っ
ているので、当日混乱のないよう最大限の努力をするので安心してほしいと言う主旨
の説明をされました。それに対し、「入学式に反対する」という主旨の発言をしたと
して、「教育公務員の信用を著しく傷つけた」と県教育委員会が戒告処分を出しまし
た。
一学年担任団を代表して、生徒・教員の総意を伝えた行為についての処分は、不当
であり、生徒達の自主的活動への圧力と考えられます。
口頭審理は、公開で行い、できるだけ早く行うようにとの、要求が出されました。
私達も傍聴できます。みんなで支援しましょう。
☆請願に県から回答
3月31日(火)県教育委員会に提出した請願について、5月13日(水)、口頭
で回答が出されました。
請願内容は、
一、埼玉県立所沢高校の内田校長の配置転換をここに改めて請願します。
一、埼玉県立所沢高校の竹永公一教諭への戒告処分の撤回を請願します。
それに対し回答は、
一、校長は、法令規則等におり校務運営に当たっており、配置転換の必要性につ
いては考えない。
一、竹永教諭の言動は、校長の方針に反する行為であり、誠に遺憾である。この
ことは、地方公務員法第33条に違反するものであり、教育公務員としての信
用を、著しく傷つけるものであり、誠に許し難いものである。よって、戒告
処分の撤回は考えていない。
回答について話し合いたいと県教育局に申し入れしましたが、処分問題については、
答えられないという返事があり、“教育”について話し合うことを申し入れしました。
5月21日(木)PTA会長と常任理事2名が県教育局と話し合いました。その際、
次の六項目(教育についてのPTAとしての考え方)についての県教育局教育長、及
び県教育委員会委員長の見解を問う請願書を提出しました。
一、教育において、生徒の意見は尊重される。
二、教育において、教師は生徒の意見を尊重する義務がある。
三、教育は、教師と生徒との「信頼関係」を基盤とする。
四、生徒と教師の信頼関係に基づき、かつ、話し合いを基に手続きを踏んでまと
められた教育の成果は尊重される。
五、教育の現場において、話し合いをし、きちんと手続きを経て決定されたもの
が変更を迫られる場合、生徒と教師双方の納得いく配慮、また、双方の信頼
関係を損ねない配慮を必要とする。
六、生徒と教師の信頼関係が崩れる恐れのあるとき、その状態への保護者の意見
表明は当然の権利であると共に、義務でもある。
また、新入生とその保護者は県教育委員会が出した入学式に関する文書を、“脅迫
と感じた”と感想を述べていることについて考えを問いたところ、県教育局は、“校
長が入学式で入学を許可すると言っているのだから、入学式に出ないということはあ
り得ない。強要したわけではない”と、述べるにとどまり、実際強要と受け止められ
た事に対しての県教育局の責任に関しての発言はありませんでした。
〈裏面〉
☆“卒業・入学をめぐる一連の経過に関する説明会”報告
4月18日(土)開催の説明会には、PTA会員・卒業生・卒業生の保護者約300名
が出席。しかし、校長先生は欠席されました。
PTA会長のあいさつの後、竹永先生が学校を代表して挨拶。副会長より事実経過
の説明を行った後、岩下先生が生徒達の様子を紹介されました。
会場で出た意見・質問をご紹介します。(紙面の都合上、すべてを掲載することが
できません。)
P:校長・県からの手紙は脅迫だと思った。怒りを覚える。
P:行事は重みがあっていいと思うが、無理やり強制するのは価値観の押しつけ。
生徒の自由な活動を教育の中に位置付けて行くことが必要。
P:学習指導要領・教育基本法・憲法・その上位に子どもの権利条約は位置する。
校長達は逆行している。
P:我が子は、祝う会の有志として頑張った。欠席扱いとなっていると知り、納得
できない。
卒業生:日の丸・君が代でもめている。どうしてこだわっているのか。小さなことに
こだわって大きな損失になっている。県や文部省と対立しても勝ち目はない。
卒業生:日の丸・君が代にこだわっているわけではない。校長が式を強制することで、
所高のシステムを壊そうとしたので妥協はできなかった。正しい事は正しい事と
してぶつけ合って行くことが大切。
P:入学式を行い、その後、説明・話し合いをすればいい。呼名は立つ間もなかった。
きちんとしてほしかった。
T:出席された方が、そう感じたのは申し訳ない。欠席した子の不利益が考えられた
のでだれだかわからない状況を作らなければ、との思いだった。
P:竹水先生の処分について、できる事があったら教えて欲しい。
常任理事:「処分撤回を応捜する会」の設立を準備中。4月26日(日)発足式を開
催する。
P:話し合いに折り合いがつかない時、校長に権限がある。
P:大変な思いをしながら選択していくことは大切な教育の場。親達も学んでいかな
ければ。教員の処分は、子どもの人権、教員の教育への思いを否定する行為。
P:昨年の入学式、その後の対応はひどかった。子ども達は前向きに育っている。
一年後の成長を楽しみにして欲しい。
卒業生:強制があって疑問を持たずに生きていくより、所高では、多くの事を学んだ。
一人一人が自分なりに納得できる人生を送れるようになれたらよいと思う。
P:この場に校長と県教委にいて欲しかった。ここに出ず、謝らないのは許せない。
P:所高生を全面的にバックアップしていく。PTAは、どういう方向にいくのか。
50歩譲るなり真剣に考えるづき。
P:入学式前に届いた文書を見て、とても教育者とは思えなかった。マスコミにゆが
められた報道をされるより、自由に取材をさせた方が良いのでは…
P:自民党の県議団が強行な事をやってきている。きちんと状況を把握しての事とは
思えない。都の校長の指導力強化も全国に波及すると思う。今回の事件が、その
流れの抑止力にならない状況がこわい。この学校のエネルギーが全国的なものに
ならないといけない。
会長:常任理事会で今後の方向性を確認したい。子どもの権利条約の“子どもの最善
の利益”を常に考えていきたい。
一年間、本当にお世話になりました。
様々なことがあり、それも、整理できないままに引き継ぐこととなり申し訳ありま
せん。
曲がりなりにも、ここまで歩むことができましたのも、多くの会員の皆様のお力添
えあってのものと心より感謝致しております。
皆様の声が、「生徒たちの元気で、明るい日々を大切にして欲しい」こと、そのた
めには、「これまで築いてきた自主自立自由自治の歴史を大事にする」こと、これを
「強権でもって、潰そうとするのだけは何としてでも止めさせよう」との声に集約さ
れると考え、生徒の意向を尊重するように、そして、十分な話し合いと教育的な対応
をして下さるよう校長、県政委に愚直に求め続けた一年ではございました。
今、新会長のもとあたらしくスタートするわけですが、嵐の後にはすがすがしい青
空も顔をのぞかせることでしょう。
楽しく、かつ、誠実に創造しようとする生徒たちを信じて、今後とも、皆様、共に
歩んで下さることを期待いたします。
常任理事、理事を代表しまして御礼申し上げます。ご協力、ありがとうございまし
た。
1998年5月28日
沼尾孝平
〈記事掲載〉
●『朝日新聞』1998年5月26日 夕刊、コラム「変換キー」
●『朝日新聞』1998年4月10日 朝刊、コラム「窓」論説委員室から
(Web管理者記)--------------------------------------------------------
『校長が入学式で入学を許可すると言っているのだから、入学式に出ないとい
うことはあり得ない。』というのは強要ではないだろうか?
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