「日の丸」「君が代」をちょっと考えてみよう！

　「え”!?考えることなんてあるの?!」と思った方もいると思いますが、実はとて
も大事な問題なのです。実際に、所沢高校ではいろいろな場面で話し合う機会が持
たれています。
☆ここで、「日の丸」「君が代」に対する所高生のいろいろな意見を見てみましょう。
　（２月に行われた「卒業式における日の丸・君が代に関するアンケート」より）


　　　　　　　　一体、どれが正しい意見なのでしょうか??

〇　国旗・国歌としてふさわしいものだ。
〇　式などには「日の丸・君が代」があった方が気が引き締まって良い。
〇　日の丸のデザインはどこよりもシンプルでいい。
〇　戦争の時に使っていたのだから、今さら「日の丸・君が代」を賛美することな
　　どできない。
〇　そんなことはどうでもいい。（多数）
　　　　　　　　　　　　　　　ｅｔｃ・・・

　過去、「日の丸・君が代」は、天皇を賛美するもの、軍国主義の象徴とされてい
ました。その忌しい経験は国民の中に今だに深く根付いているため、「日の丸・君
が代は国旗・国歌として認めない」という人もいれば「そういうことがあったから
こそ国旗・国歌として引き継ぐべきだ」という人もいるのです。

　　　　　　　　　　　　　　　う〜ん、色々だね。

ということで、どの意見が正しいなどということはないのです。

みんな、それぞれの意見があって当たり前なのです。憲法１９条の「思想および
良心の自由」でも１人１人の意見がしっかりと保障されています。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（当然の事ながら）

しかーし!!　１９９０年から新しく施行された学習指導要領で「日の丸掲揚、君
が代斉唱」を義務化することに決められてしまいました。これでは歌いたくない
人まで歌わなければならないという憲法無視です。
そこで、私達所高の先輩が立ち上がり、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ガーンッ
「日の丸・君が代に関する決議文」
というものができました。
これには、「日の丸を揚げるのも揚げないのも、君が代を歌うのも歌わないのも
個人の自由だけど、学校という公の団体が強制してしまうことに反対」というこ
とが書かれています。
そして、私達は毎年、生徒総会で「日の丸・君が代に関する決議文」の承認をと
り、その決議に基づいた活動をしていくことになります。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（今まで否決されたことはない）


　　　　　　　しかし、昨年・・・・

☆９７年１月、３学期始業式で校長から
　「卒業式で日の丸掲揚、君が代斉唱行う」というお話がありました。
　これは明らかに生徒総意を無視しています。・・・ということで生徒の戦いが
スタートしました。
　その上、数ヶ月前の２学期には、卒業準備委員会（３年生各クラス２名で構成）
が、校長に「今年の卒業式で日の丸掲揚、君が代斉唱を行わないでほしい」と
いうのが３年生の総意であるということを即に伝えていました。

　そうです、事前に校長に３年生の総意を表明し、そして「日の丸・君が代に関
する決議文」もあるのに強行しようとしたのです。

☆３学期の活動過程・・・
　(1) 生徒会本部会報「ＦＲＥＥ」で全校生徒に総意を再確認してもらい、現段階
　　　での生徒会活動の方向を示した。
　(2) ＬＨＲでこの問題に関する事を各クラスで勉強。
　(3) 卒業式を行うにあたって、そのやり方（強制）に反対の署名をとり、校長に
　　　渡す。
　(4) ２月、３月に討論会（校長、教頭、教員、生徒）を行う。
　(5) ３月、卒業式前日に体育館で校長からの説明とそれに対する質疑応答を行う。

→そして卒業式当日、行わず無事終えました。

☆もちろん、生徒だけでなく、教員・親もそれぞれに話し合いの場をもったり、
　資料を作成したりと、この強制についての反対運動をしました。


権利についての問題はとても身近なものなのです。
そして１人ひとりが考えてゆかなければ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ならない問題なのです。

　(Ｗｅｂ管理者記)--------------------------------------------------------
　９７年度文化祭特別資料（1/2）「日の丸・君が代に関する決議文［１９８９年］
　詳しくは別紙を参照して下さい。」の別紙です。
　（２月に行われた「卒業式における日の丸・君が代に関するアンケート」より）
　という部分の２月は、９７年２月のことで、文章全体として９６年度のことが書
　かれています。
　従って、マスコミ報道では９７年度のことしか取り扱われていないようですが、
　生徒たちは９６年度から「日の丸・君が代」の学習をしてきています。

　尚、元のビラは手書きのものでイラストも豊富です。