所高の歴史 1969〜1997

97年度文化祭特別資料(1/2)

所沢高校生徒会本部発行

   所高の歴史 1969〜1997            文化祭特別資料
                          所沢高校生徒会本部発行

 所高といえば、「自由な学校」。所高を知っている人ならば、誰でもそう思うの
ではないでしょうか。なぜ所高は自由な校風を持つのか。それは、歴代の所高生達
が自分達の持っている権利を主張し、数々の努力によって数々の自由を勝ち取って
きたからなのです。
 では、所高が権利を主張し始めた頃から現在までの所高の歴史をみていきましょ
う。

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│学園紛争[1969年]│
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 大学の学園紛争に影響されて燃えた当時の所高生が、学校に‘6項目の要求’を
出しました。

 六項目要求(中には受け入れられなかったものもある)
 (1) 生徒心得に決めてある学内での集会・募金などの許可制を全廃せよ。
 (2) 学校側の経理を公開せよ。
 (3) 職員会議に一般生徒を参加させよ。
 (4) 制服・頭髪などの決まりを廃止せよ。
 (5) ペーパーテストを廃止せよ。
 (6) 文部省が決めた“高校生の政治活動を制限する基準”を返上せよ。

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│要求実現運動[1987〜89年]│
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 実際に実現できたのは、‘冷水機の設置’なのですが、なんと、所高生自らが壊
してしまいました。今でも壊れた冷水機は体育館のわきに残っています。

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│30分退出問題[1989年]│
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 「テスト中、30分経過したら退出してよい」という項目が試験心得から消えて
しまいました。退出した生徒が騒いで、まだテストを受けている生徒に迷惑がかかっ
てしまったからです。このことから、‘失ってしまった権利について考える’とい
う動きが出てきました。

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│所高祭・体育祭改革[1989年]│
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 マンネリ化してきてしまった行事をよりよいものにするため、新しい制度を取り
入れました。(例:パレード)

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│日の丸・君が代に関する決議文[1989年]│
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 詳しくは別紙を参照して下さい。

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│クリーニングキャンペーン[1989〜90年]│
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 有志をつのって、教室の壁ぬり、床みがきなど、構内をピカピカにしました。

┌──────────────┐
│生徒会権利章典[1990年]│
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 この「生徒会権利章典」には、私達の持っている権利が書いてあります。この
権利は、日本国憲法にも載っているような本当に当たり前のことです。当たり前
だからこそ忘れてしまいがちな権利をここでもう一度再確認するということと、
後々これらの権利を受けついでゆくために、文章化されたものです。
 ※これは’96年から生徒手帳に載りました。

  ┌─────────────生徒会権利章典─────────────┐
  │〈前文〉                             │
  │ 人間は、人間らしく自由に生きる権利を生まれながらに持っている。 │
  │ 自由な高校生活を送ることは、所高生の普遍的な願いである。そのため│
  │に必要な様々な権利がある。過去、所高生は数多くの努力を重ね、自由を│
  │手にしてきた。又、その過程でいくつかの権利が保障され、その中には生│
  │徒と職員との信頼関係により得たものがある。それら、手にしてきた自由│
  │を持ち続けるために私たちは自治を確立する必要がある。自治が崩れると│
  │いうことはそれらの権利を失うということである。自治が崩れる危険があ│
  │る場合、できる限りの努力をし、それを防がなければならない。    │
  │ ここで「生徒会権利章典」を制定し、自由という権利の価値・意味の認│
  │識をする。                            │
  │                                 │
  │1.学校は生徒と教職員によって構成されており、その構成員一人一人の│
  │  個性は認められ一人一人の主張は尊重される。          │
  │2.生活向上のための自治的かつ民主的な活動の自由は保障される。  │
  │3.服装、頭髪を含む表現の自由は保障される。           │
  │4.思想の自由は保障される。                   │
  │                                 │
  │ これらの自由は、他人の権利を侵さない範囲において有効であり、又常│
  │に責任を伴うものであることを忘れてはならない。ただし、思想の自由は│
  │他人の権利を侵害し得ないものであるから、いかなる場合においても保障│
  │されるものである。                        │
  └─────────────────────────────────┘

┌──────────────┐
│付帯事項[1990〜95年]│
└──────────────┘
 1990年、権利章典を提案した時に、職員から出されたものです。この文は、
生徒の権利を時として抑えつけることができるという文です。しかし、これは、
1995年に、生徒の努力により権利章典から外されました。

  ┌────────生徒会権利章典に関する指導について────────┐
  │1.従来基本的に認めてきた権利の範囲である。よって、教職員各かくの│
  │  指導についても従来通りとする。ただし、生徒心得や服装規定は生徒│
  │  会権利章典と内容的に大きな矛盾がないと解釈する。よって、当面は│
  │  生徒心得及び服装規定は生徒会権利章典を優越するものとする。  │
  │2.権利の濫用が著しいと職員会議が判断した場合、生徒会権利章典の承│
  │  認を覆すこともあり得る。                   │
  │3.承認にあたっては、上記1.2を付帯条項として加える。     │
  └─────────────────────────────────┘

┌────────────┐
│自転車問題[1991年]│
└────────────┘
 通学に使う自転車。ルールは守らなければならないはずなのに、ロータリーの周
りに駐輪する人がたくさんいました(ロータリーに駐輪してはいけないのです)。
その他にも自転車に関する問題がいくつかありました。例えば、「自転車と歩行者
のすれちがう場所が狭くて危険なので通用門を開放してほしい(通用門は駐輪場の
すぐそば)」などです。
 この問題は、結局、教職員の呼びかけで解決に近付きました。生徒達で解決でき
なかったという残念な結果となりました。

┌──────────────────┐
│生徒規則等検討委員会[1994年〜]│
└──────────────────┘
 「自分達で規則を変えていこう!」
 自由自由といわれている所高にも、規則はあります。生徒手帳に載っている生徒
心得などを、生徒と教職員の双方で検討して現状に合わない規則を変えたりし、生
徒の自由に対する意識を高めようとする機関がこれです。

┌───────────────────┐
│単位制強制導入問題[1994〜95年]│
└───────────────────┘
 「単位制小委員会」発足!!
 「FREE」(生徒会報)の発行やアンケート、署名などの活動を行いました。
署名を県教育局に拒否され、質問状に目を通さないなどの、私達の権利が侵害され
る問題もありました・・・が、PTA・生徒・教職員の努力により、白紙撤回とな
りました。

┌──────────────────────────┐
│体育祭・所高祭BackUp委員会発足[1995年〜]│
└──────────────────────────┘
 1学期が始まると、すぐ6月に体育祭があります。終わったのかと思うと2学期
に入ってすぐに所高祭です。準備期間がとても短いので、前年度のうちからできる
ことはやってしまおうというのがこの委員会です。これにより、内容が濃いものに
なると考えました。前年度の反省点の改善策や規定などを考えます。

┌───────────────────────┐
│日の丸・君が代強制反対問題[1995〜96年]│
└───────────────────────┘
 卒業式・入学式などで日の丸掲揚、君が代斉唱を行うことについて、所高では、
「日の丸・君が代に関する決議文」で、公的な場での強制反対を生徒の総意として
います。しかしそれを無視して行う(=強制)という問題が起こり、討論会や勉強
会、署名などを行い、強行をくいとめたのでした。

┌──────────────┐
│入学・卒業問題[1997年]│
└──────────────┘
 今年の入学式では、校長先生から詳しい説明もなく、「日の丸・君が代」が強行
されてしまうという大混乱になりました。その後、HR委員会主催の「校長先生か
らの説明会」など、解決するための様々な活動が行われましたが、まだ未解決のま
まです。
 そして、私達は再びこのような混乱が起こらぬよう、また、より所高らしくする
ため、生徒主催の入学・卒業の会を、今までの入学式・卒業式に代わって行おうと
いう案を計画中です。

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 ――所高のシンボルともいえる自由というものは、

自分勝手に好きなことができるのではなく、

様々な権利を持っているということなのだと、私達は思っています。

皆さんは自由というものについて、どう考えていますか?

今まで考えたこともなかった方も、これを機会に考えてみて下さい。

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 また、この所高には、先ほどの生徒規則等検討委員会を含め、教職員と生徒が
一緒に話し合える場がいくつかあります。このような場で、お互いに思ったことを
話し合い、納得のいく答えをだすことが、よい学校作りその他どんなことにも、
必要なのではないでしょうか。

                                ★END★

 (Web管理者記)--------------------------------------------------------  この文化祭のことを所高祭といいます。そして、近隣の中学3年生などが下見に  きます。  「日の丸・君が代に関する決議文[1989年]詳しくは別紙を参照して下さい」  の別紙とは「97年度所高祭ビラ(2/2)」のことです。  「単位制強制導入問題[1994〜95年]」では、生徒達は署名活動を行いま  したが、その署名を県教育局に拒否されました。このとき、県教育局の「生徒は  『修業中の身』である」という発言と、今回の「卒業記念祭」・「入学を祝う会」  での生徒との対話における「生徒は指導される者」という校長発言とが重なりま  す。  尚、元のビラは手書きのものでイラストも豊富です。
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