所高生の自由と教育を考える委員会
― 所高生の自由と教育を考える委員会資料 ―
発行日 1997年2月15日(土)
発行 所高生の自由と教育を考える委員会資料
1997年2月12日(水) / 15:30〜 / 於:会議室
(Web管理者記)--------------------------------------------------------
この資料は96年度のものです。従って、校長・教頭・事務室長とも、97年度
入学式以降の校長・教頭・事務室長とは別の人です。------------------------
所高生の自由と教育を考える委員会資料
1997年2月15日
「日の丸・君が代を卒業式であげること」についてのHR委員会報告
(2/12 3:30〜 会議室 議長:○○、副議長:○○・○○、記録:○○)
<校長先生に説明してもらうこと>
・何故、卒業式で行うのか。(1)
・3年生の総意について、どう考えているのか。(2)
・決議文に対して、どうかんがえているのか。(3)
校 長:(1)については、前々から言うように、どこの国にでもあるものだし、国
際社会にはなくてはならないものだから、それを素直に認識してもらいたい。
また、それを学校で教育していくのは必修のことであり、学校生活の公の場で
行うのには、卒業式や入学式で行うのがふさわしいだろう。また、これは「学
習指導要領」で定められている。つまり国が定めた。
(2)については、卒業委員会の文をよく読んだ。そして考えたこと。法治国
家のルールを守ってもらいたい。国で「学校で教育すべきだ」と言われている
ので、やりたいからやるとか、そういったものではない。これは社会のルール
である。3年生は「国家等に反対しているのではなく、強制に反対しているの
だ」というが、必修のものに強制という言葉を使うにはどうか。3年生や皆の
いう強制とは何にあたる強制か、はっきりさせてから話し合いたい。
(3)については、「学習指導要領」というものは、様々な意見が集約して決
められた。法律にもいろいろなものがある。それらに基づいて作られている。
従って、生徒会活動というのは「学習指導要領」の下で行われるべきもの。ま
た、「学習指導要領」と照らし合わせた時、決議文にあるような、不当な支配
や思想の自由が侵されることにはならないと、裁判の判決も違法でないとでて
いる。
<質疑応答>
1−4:校長としての立場ではなく、個人的な「日の丸・君が代」についての考えを
言ってほしい。
校 長:個人的にも「学習指導要領」にもあるし、「日の丸」を見ただけで気分が悪
くなるという人には成長してもらいたいと思う。これから国際社会で暮らす中
で、お互いの国を示すものであるから、理解し大切にしてもらいたい、と思う
ので、絶対欠かすことことができないものだろう。これは国際的な場ですでに
認められている。
1−4:それは「学習指導要領」がなくても必要であると考えるのか。
校 長:そう聞かれたら、そう答える。
2−2:校長先生は、どこの国にでもあるもので、国際ルールが大切だというが、
「日の丸・君が代」は国旗・国歌だと法律で定められていない。それでも、そ
う考えるのか。
教 頭:日本のように法で定められていない国もあるが、国際的に慣習法で認められ
ている。船舶においても、国の印として認められている。法律で定められてい
なくても、国旗と認めると憲法98条で解釈できる。政府でもそう決めてる。
法的に認めてられていないから、国旗でないとは言えない。
1−2:憲法98条にあるというが、「憲法の最高法規性と条約及び国際法規の遵守」
のどこが慣習法と関係あるのか。
教 頭:第二項にある国際法規の解釈である。
1−2:憲法で認められていないのに、どうして98条ではそうかかれているのか。
教 頭:憲法には103条までしかなく、その他に六法等があるのは、細かく憲法に
書き入れると大変になるので、憲法を補助する意味でそうなっている。従っ
て、憲法で認められていないとはいえない。
1−2:逆に言うと、国歌等が国のものではないとは言えないか。
教 頭:一般的には、明治から慣習法で、国際的に認められているし、国会でも話し
合ってそうなっている。
1−4:確かに第二項にはそうあるが、「子どもの権利条約」14条には、考えを尊重
するとあるのに、それより下に位置すると思われる「学習指導要領」に従う
というのはどういうことか。
教 頭:「学習指尊要領」自体が憲法等に従って作られている。もし矛盾があるなら、
違憲立法審査権が立つはずだろう。それは、代理人を立てれば君たちにもで
きる。
1−6:校長先生がいろいろ話してくれたが、昨年も同じように考えていたはずなの
に、どうして昨年は生徒例の意見を認めたのか。
校 長:皆には申し訳ないことをしたと思っている。義務であることを行えなかった
ということは、申し訳ないことをした。
1−6:昨年のことに対する考えではなくて、行わなかった理由が知りたい。
校 長:本当にこれだけ重要なことを行わなかったのは、申し訳なかった。だからこ
そ、今年は実施したいと考えている。
教 頭:個人的には、生徒が納得し、賛成した上で行いたいと思う。だから、もっと
生徒とこういった風に話し合い、なるべく多の生徒に理解してもらいたい。
昨年はそれが充分でなかったので行わなかった。
1−6:今年も充分であるとは言えない。だから、もっと多く話し合うべきだ。
教 頭:わかりました。
1−2:法治国家のルールを守る前に、それが正しいのか考えてほしい。一番大切な
のは、3年生や私たち生徒が納得して行うことではないか。
教 頭:法治国家というのは、そういうことを個人は考えるものではない。それは、
国会で決め、裁判所が判断するものです。
1−4:話し合っていきたいと言っているのに、答えを出した状態で話し合いに臨む
といのはおかしい。
校 長:法治国家のしくみ等に従って「学習指導要領」を持っているので、それには
従わなければならないということについて、質問されたら答えようと思って
いる。
教 頭:皆には、義務として指導を行っていくので、ここでいう話し合いの意味が、
少し違ってくると考える。
<意見>
1−9:私は「日の丸」が当然のことだとは思わない。戦争で使っていたものを揚げ
るのはおかしい。
1−5:私のクラスでは、別に揚げても歌ってもかまわないということになった。私
個人としては、反対しているのは少数の人かもしれないが、少数でも反対派
がいるということを伝えたい。
2−10:先ほどの慣習法については、私たち未成年者では(選挙権はないし、今の政
府を選んでもいない)何もできないではないか。これからEUのように、国
の境は必要ないと考えるが、先生がいった国際法とはどうことなのか。
教 頭:未成年者でも、日本国民として憲法の適用は受けるし、外国に行く時も日本
国民としての扱いを受けるのだから、ここで日本政府を批判してもしょうが
ないと思う。
校 長:オリンピックや国連など国際的なものにおいて、国旗は最低限必要なもので
ある。教育的指導においてそういったものを経験させる機会は必要だ。
1−9:戦争等の理由で嫌だという少数意見を無視するのは、教育としてどうか。
教 頭:国旗が戦争に使用されたのはアメリカ等他の国でも同じ。日本は終戦と共に
新しい国として出発している。そこで国旗を戦争とつなげて考えるのはどう
か。
1−2:先生と考えの人も、そうでない人もいて、卒業式については2つの意見があ
るが、そんなに大きな問題を一日、二日で解決することはできないと思う。
解決してないうちに実施するのは強制だろう。
教 頭:二つの意見があるという事は知っているが、私達教員は実施する義務がある
ので、理解してもらいたい。個人的には自国の旗を尊重・教育していく必要
があると思う。
校 長:今までこういった事に関してはいろいろなところで何度も論議してきたがな
かなか結論はでなかった。教育課程審議会が中心になって、行うところがあっ
たり、無かったりと、あちことで行うのではなく、国全体として行うべきと
決まった。これは一度や二度の話し合いで決めたのではなく、何回も話し合っ
た結果であり、個人が持つ意見とは重みが違う。戦争等、過去をふり返って
の反省することも必要だが、もっと前向きに将来の中にくみ入れてほしい。
1−4:ここまで、活発に討議しているので、時間を延長してほしいんですが。
議 長:最初から時間を決めてあったのでそれは無理。校長先生に署名を渡します。
この署名は二月六日から取ったのですが、休みの日等があってあまり集めら
れる日がなかったということも伝えておきます。
校 長:署名について何か文章を一緒に出したのか?
議 長:はい。資料を一緒に配布しました。
校 長:これはHR委員会で行ったのか? 生徒会で行ったのか?
議 長:生徒会です。
校 長:生徒会の人に質問。「日の丸・君が代」についての決議文についての承認は、
どう承認されているのか。
生徒会:方針として承認されている。
校 長:ではその文の中味としては?
生徒会:中味として分かっているから、方針として認められたと思う。
校 長:職員内で否決されているという事ほ誰から聞いたのか。
生徒会:誰とは言えません。しかし職員会議では揚げたりしないと決まったが、校長
先生が一人で行おうとしていると聞いた。しかし、この場合否決という言葉
は間違っていたかもしれない。
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