「The New York Times 2012/6/18」 翻訳文
北カルフォルニア陪審は一女性が被った被害に対し、28百万ドルの賠償を認めた。その女性は子どもの頃、カルフォルニア州フリモントの成人の成員から性的虐待を受けたのにエホバの証人はそれを許していたと訴えていた。
「郡内における法的児童虐待事件の被害者に対する評決としては最高の額だ」サイモン氏はこう述べていた。
原告(26)はこう述べていた。九歳から十歳のとき、1995年から96年にかけて、エホバの証人北フリーモンタナ会衆の一員であった。原告は奉仕の僕(しもべ)ケンドリックから反復的に変質行為を受けていた。
原告はあえて公にすることで性的虐待を受けたほかの被害者を励ますことになると確信していた。「不毛だった私の少女時代はもう返ってこない」。原告は記者にそう語った。
「希望があるとしたら、この事件を通してエホバの証人の考え方が変わっていいほうに進むことだ」
原告は、訴訟の過程で、1989年、ものみの塔国際本部の指導者たちが児童虐待の被害者からの告発を隠蔽するよう長老たちに指示していたと語っていた。会衆の長老たちは忠実にそれに従ったために原告は変質者からの被害を被ったのだ。
被告はこの事件以外には一度も刑事罰を受けていなかった。しかし記録の上では、児童に対する軽微な変質行為に対して2004年に軽微な処分を受けていた。
州の変質者登録リストによると被告は現在58歳。カルフォルニア州オークレーに住んでいる。被告は賠償額の60%を支払うよう命じられたが、サイモン氏によると、被告から賠償金を支払わせるつもりはいまのところ無い。被告に支払い能力がないことも理由の一つだ。「ものみの塔国際本部には40%の責任がある」。サイモン氏はそう述べている。
会衆の弁護士は控訴すると述べている。
ケーブ氏はこう述べていた。「エホバの証人は児童虐待を嫌悪していた。倫理に反する行為であると信じていた」。「被告は指導者でもなければ牧羊者でもなかった。ただの平信徒であった。被告がまいた種をエホバの証人が刈り取らなければならない。痛ましい事件だ」。
訳者注:原文では原告の名前が記されていましたが、日本国内の慣例に従い、「原告」としました。
以下は原文 June 18 2012 THE NEW YORK TIMES A14 から引用
在トロント「The Star」インターネット版 2012/7/2 の論評の邦訳