東京都教育委員会殿
抗議文
多くの都民・国民の反対の声を無視して一部の都立養護学校に「つくる会」教科書を強引に採択したことに強く抗議します。
「つくる会」歴史教科書は、日本がかつて行なった韓国・台湾植民地化、中国・アジア侵略を肯定し、韓国や中国から厳しい批判が出ています。神話を歴史的事実と混同される記述により多くの歴史家から批判されています。
また公民教科書では、憲法や教育基本法がうたう平和・基本的人権・民主主義を制限し、核廃絶に疑問を投げかけ、自衛隊を讃美し、国家秩序を個人の人権より重んじ、アジア近隣諸国との共生より自国のエゴを強調しています。
このような教科書であるからこそ、全国のほとんどの地区は採択しておりません。
にもかかわらず、とくに身体障害者や社会的弱者を大切にする立場、憲法の基本精神である人権を大切にする立場から行なわれるべき養護学校教育で、なぜこの「つくる会」教科書が採択されなければならないのでしょうか。この採択決定は、まったく教育の立場からなされたものではなく、なにがなんでも「つくる会」教科書を採択させようという露骨な政治的思惑からなされたものであり、その意味で「つくる会」教科書と同じく強権的立場に立った決定と言わざるをえません。
直ちに本採択決定を撤回し、憲法と教育基本法に則り、実際に教育を担当する教職員の意見を基本にすえ、都民・国民の意見を充分取り入れて、採択しなおすことを強く要望します。
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