STOP!ブッシュ・小泉 2004年7月
アフガン・イラクの次を北朝鮮にするな
◆◆有事立法が成立してしまいました。平和憲法を打ち砕くような暴挙です。◆◆
しかしこれで全てが決まってしまったわけではありません。
●私たちは、戦争準備の一つ一つの動きに反対して、有事法制を発動させず、再び日本が侵略戦争を行う国にならないよう平和の取り組みを強めていかなければなりません。

●これまでの「やめろイラク攻撃!STOP!ブッシュ・小泉」のコーナを、「STOP!ブッシュ・小泉!アフガン・イラクの次を北朝鮮にするな」コーナに変更して、引き続き戦争への危険な動きに警鐘を鳴らして行きたいと思います。
イラクでの植民地支配の実態、日本やアメリカによる北朝鮮への戦争準備の動きと
それに反対する動きなどを伝えてゆきます。

 2004年6月のページへ


 7/31 イラク国民会議が延期 暫定政府の無力が露呈

 7月末までの開催を明示していた「イラク国民会議」が、抵抗勢力の攻撃による混乱や有力勢力の不参加、代表選出についての不満噴出などで、延期されることになった。このことによって、「暫定政府」とその背後にいる米国が、イラク統治への道筋さえつけられないでいることが露呈したといえる。

 「イラク国民会議」は暫定政府を監督する「諮問評議会」(代議員100人)を選出する代表者1000人の大集会で、7月末までに開催することが国連安保理新決議にも盛られていて、予定通り開催できるかが「暫定政府」の試金石の1つとなっていた。それが開催に失敗した意味は小さくない。

 7月末に近づくにつれて、「イラク国民会議」開催をめぐって混乱が激しくなってきていた。
 まず、スンニ派などの有力勢力が不参加を表明した。たとえば、日本人人質事件で解放に尽力してくれた「イスラム宗教者委員会」は不参加を表明し、「国民会議はイラクの人々によって作られたのではなく、米英などの占領軍によるものだ」と述べた。
 また、参加を表明した勢力においても、選出過程での不正に抗議し、スンニ派主要政党のイラク・イスラム党が国民会議からの撤退を宣言した。そのほか各地で、その「茶番」ぶりが怒りを買い、不満が噴出した。
 また、反米反占領武装勢力は首都バクダッドなど各地で攻撃を加え、安全な開催を保障できない状態に陥っていた。

 7/29

民主代表が、アメリカで第9条を投げ捨てる発言
    国連決議があれば、「海外で武力行使可能にする」


民主党は参院選で示された
  「多国籍軍参加NO!」「自衛隊のイラク居座りNO!」の声を忘れるな!

 民主党の岡田代表は29日、ワシントンで「新しい日本と21世紀の日米関係」と題して講演の中で、「憲法を改正して、国連安保理の明確な決議がある場合、海外での武力行使を可能にし、世界の平和維持に積極的に貢献すべきだ」と述べ、国連の下での武力行使を容認するという突出した発言を行った。この発言に対し、民主党の中でも批判の声が上がっており、また社民党や共産党からも強く批判されている。

 自民・公明が米軍主導の武力行使に協力する「集団的自衛権容認」路線であるのに対して、岡田発言は、国連主導の集団安全保障活動なるもでの武力行使を容認する「集団的自衛権の行使」を主張しているにすぎない。平和憲法前文と第9条を明確に否定することにおいてはなんら変わりない。
 「国連安保理の明確な決議」によって武力行使を容認することほど欺瞞的なものはない。米軍主導の多国籍軍(実質は占領軍)駐留を追認しているのは国連安保理新決議である。それを根拠にして、米軍は現在もファルージャを空爆し続けてイラク民衆を虐殺しているし、いまだに5000人以上のイラク人を拘束し続けている。また、自衛隊のサマワ駐留の根拠もまた、その国連安保理新決議にもとづく多国籍軍への参加ではないか。

 小泉の憲法無視の政権運営を批判するのではなく、自ら進んで現憲法の平和主義を投げ捨てる発言をし、しかも日本国民の前でなくアメリカで行うとは言語道断である。これは参院選で示された民意に完全にそむくものである。参院選で民主党は、小泉政権の自衛隊のイラク派兵・多国籍軍参加に反対し、曲がりなりにも「自衛隊撤退」を主張し、国民に受け入れられたのである。憲法改悪や自衛隊の海外派兵容認の民主党が受け入れられたのではない。

 参院選で示された民意は、「小泉政権NO!」「年金改革法NO!」「多国籍軍参加NO!」「自衛隊のイラク居座りNO!」である。民主党はこのことを忘れてはいけない。わたしたちは、民主党が民意を裏切ることなく、自衛隊のイラクからの撤退を実現するよう、監視していかなければならない。

 7/27 沖縄・辺野古での住民らの座り込み100日目
    基地建設ボーリング調査を阻止し続ける

 米軍普天間飛行場の代替施設が計画されている沖縄県名護市辺野古地区で、沖合での海底ボーリング調査を阻止する住民らの座り込みが27日で100日目を迎えた。この座り込みは地元だけでなく、沖縄全土から、さらに全国から賛同者が参加し、那覇防衛施設局の調査を阻止し続けている。

27日午前7時より、いつものように座り込みは50名以上で行われた。そして、午後7時、座り込み現場で「100日集会」が行われ、500人もの人達が集まったという(集会の詳しい状況は以下のサイトを参照

 米軍の世界的再編成が急テンポで進められようとしている。そのなかでも在日米軍基地の再編統合が突出している。韓国・ドイツからの撤退の下で、日本が米軍のグローバルな軍事介入体制の最大の拠点になろうとしている。そして自衛隊はそのなかに組み込まれようとしている。
 普天間基地の移転、辺野古への海上基地建設は在日米軍基地の再編統合の一環である。辺野古の座り込みは、それを阻止し続けている。

  ピース・ニュースの仲間が今月21・22日に訪問し、座り込みに参加しました。その報告を参照下さい

 7/24

9条を守ろう! 
   「九条の会」発足記念講演会に1000人


 「平和を求める世界の市民と手をつなぐために、あらためて憲法九条を激動する世界に輝かせたい」と9人の文化・知識人が呼びかけた「九条の会」の発足記念講演会が24日東京都内で開かれ、会場いっぱいに1000人を超す人々が集まって、「憲法9条を守ろう」の声を広げていくことを誓い合った。

 呼びかけ人は、井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、奥平康宏、小田実、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子の9人。
 まず、井上、三木両氏からあいさつがあり、9条を守り抜く熱い思いが語られた。そのあと、つぎつぎと呼びかけ人が登壇し、それぞれの9条への思いを語り、「9条こそ日本の象徴」と訴えた。

 そして、「九条の会」事務局長の小森陽一氏が、年内に札幌、仙台、京都、大阪、福岡、沖縄で講演会を開催することを発表。さらに、同事務局員の渡辺治一氏が、当面の行動として以下の3つを提案した。@各地・各分野で「アピール」に賛同する会を作る。Aビデオ(24日の記録)、ブックレット(24日の記録)、ポスター(1枚100円)を活用して、全国に広げる。B大小様々な講演会、学習会を開く。

 なお、「九条の会」のサイトは http://www.9-jo.jp/

 7/24 ムサンナ州議長、日本の「復興支援」に強い不満表明

「人道支援」のウソで、いつまでもイラク民衆をだませない!
    自衛隊はただちにイラクから撤退せよ!


 サマワを州都とするムサンナ州のアハメド・マルゾク州評議会議長は24日までに時事通信社のインタビューに対して、陸自の活動について、「日本の復興支援の遅さに驚いている」「自衛隊の活動が単なるプロパガンダで終わってほしくない」などと厳しい言葉を並べ、日本に対する強い不満を表明したという。
 同議長は日本の復興支援に期待してきたことを述べた上で、治安情勢について「なぜ日本はバグダッドではなくサマワを選んだのか。それはサマワの治安が安定しているからだ」と指摘。「日本が治安を理由に大規模な事業が展開できないと説明することに非常な違和感を覚える。治安を言い訳にすることはもはや受け入れられない」と主張したという。

 今月12日付の政府系紙で、ムサンナ州知事のインタビュー記事が掲載され、「日本はわれわれを失望させた」「インフラの再建に日本が実質的にかかわっているとは感じられない」と表明していた(本コラム7/12参照)。
 今回の州議会議長の発言は、現地イラクの人々が、自衛隊のサマワ駐留の目的という「人道支援」がウソであることを、いよいよ見抜き始めていることを意味している。

 7/21

アーミテージ米国務副長官、改憲の動きを後押し
      「9条、日米同盟の妨げ」と発言

憲法に違反する「日米同盟」などいらない!
     憲法9条を何としても守り抜こう!

 アーミテージ米国務副長官は21日午後、訪米中の中川自民党国会対策委員長と国務省で約40分間会談し、憲法9条について「日米同盟関係の妨げの一つになっている」との認識を表明、改定に強い期待感を示した。そのうえで日本の国連常任理事国入りは、9条を改定して自衛隊の海外での武力行使を可能とすることが条件であるとして、憲法第9条改定へ向けて強い圧力をかけた。

 中川氏の説明によると、会談で同氏が「憲法見直しの議論を始めなければならない時代にきた」と述べたのに対し、アーミテージ副長官は、憲法改定は「日本国民自身が決めること」と断ったうえで、個人的見解として「憲法9条は日米同盟関係の妨げの一つになっている」と指摘したという。
 また、「国連安保理常任理事国は、国際的利益のために軍事力を展開しなければならない役割も大きい。それができないなら、常任理入りは難しい」と述べ、国際貢献のため武力行使も可能にした自衛隊の海外派遣を認めるなどの「9条改正」を行うことが、日本の常任理事国入りの条件になると表明した。

 同副長官の発言は、ブッシュ政権登場以降、さらには最近の米軍再編成(トランスフォーメーション)の中で、急速に強化されてきた日米軍事同盟、日米共同の軍事作戦(侵略)、米軍と自衛隊の一体化を踏まえ、さらにそれを強化することを狙って圧力をかけてきたものである。
 同副長官がインド洋への海自派兵に圧力をかけるために発言した「ショー・ザ・フラッグ」、さらにイラク派兵に圧力をかけるために発言した「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」。これらの発言に力を得て、政府・与党は自衛隊海外派兵に突き進んだ。それと同じように、今回の「9条、日米同盟の妨げ」発言が日本の改憲勢力を後押しし、第9条改定への動きを加速させようと狙ったものである。

 7/21

イラクの米兵死者が900人に、負傷者も5800人を超える

イラク民間人の死者数は
     最少で1万1235人、最大で1万3196人


ブッシュ政権は、
   あとどれだけの犠牲者をだせばイラク侵略をやめるのか


 イラクでの米兵の死者が21日、900人に達したという。6月28日のイラクへの「主権移譲」後も42人が死亡している。負傷者は米国防総省の発表で20日までに5804人にのぼった。
 また、”イラク・ボディーカウント”によると、開戦後のイラク民間人の死者数は、最少で1万1235人、最大で1万3196人にのぼっている。

 米石油・エネルギー独占体のためにイラク石油利権を強奪し、軍需独占体が巨額の利益を懐に入れるために始めた戦争。ありもしない大量破壊兵器をでっち上げ、事実無根のアルカイダとイラクの関係をでっち上げて始めた戦争。この戦争のために、膨大な数のイラク民間人が殺され、そして殺されたイラク兵士の数はさらに多いであろう。また、米英や同盟国軍兵士の死亡者もまた、イラク人の殺害者であるとともに、ブッシュたちによって「大義なき戦争」に刈りだされた犠牲者でもある。

 7/20

国連特別総会、イスラエルによる分離壁撤去決議案を採択

国際司法裁の「分離壁は違法」の勧告的意見を補強

イスラエルは分離壁をただちに撤去せよ
    米ブッシュ政権はイスラエル擁護をやめよ!

 「パレスチナ過激派」の侵入阻止を口実に、イスラエルがヨルダン川西岸の入植地を広げるために建設を続けている分離壁について、国連緊急特別総会は20日、アラブ諸国などが提案していた分離壁の撤去などを求める決議案を圧倒的多数で採択した。これは、今月9日に国際司法裁判所が「分離壁は違法」との勧告的意見を出して、イスラエルの国際的孤立が深まっっていたが、さらにそれに追い討ちをかけるものとなった。

 採決の結果、日本を含む150カ国が賛成、米、イスラエル、オーストラリアなど6カ国が反対。カナダなど10カ国が棄権に回った。採択された決議は、建設済みの分離壁の撤去や今後の建設中止を求めるとともに、国際司法裁判所が勧告的意見で、分離壁について「国際法に違反する」と指摘し、イスラエルが建設に伴うすべての被害補償の義務を負うとしたことなどを「特に留意する」とした。イスラエルに対し、勧告的意見で指摘された法的義務を履行するよう求めた。

 これに対し、イスラエルのギシン首相報道官は21日「イスラエルには自衛権があり、建設を中止することはない」とのコメントを発表して、決議を無視することを表明した。もちろんイスラエル・シャロン政権がこれだけの国際的孤立にもかかわらず傲慢な態度が取れるのは、米ブッシュ政権の支持・支援があるためであることは明白。
 しかし、このようなイスラエル擁護のブッシュ政権にたいして、米国議会からも政権内部からも厳しい批判が相次いでいる。

 7/20

経団連、武器輸出三原則の見直しを提言

改憲論議も本格化を表明

日本の軍国主義強化へ走り出した経団連

 日本経団連は20日、「武器輸出三原則」と「宇宙の平和利用原則」の見直しを求めて、「今後の防衛力整備のあり方」と題する提言をまとめた。
 輸出禁止が今後も継続すれば防衛産業の技術・生産基盤が失いかねないという危機感から、「一律の禁止ではなく、国益に沿った形で輸出管理、技術交流、投資のあり方を再検討すべきだ」とし、さらに防衛目的の利用が認められていない衛星について「国際的には侵略・攻撃を目的としない利用は認められている。国際的な解釈に合わせるべきだ」としている。
 この提言は、直接には防衛(軍需)産業の要求に応えて、政府が今年、防衛大綱と中期防衛力整備計画を見直す日程に合わせて、政府には働きかけようとするものであるが、同時に経団連が、小泉政権が突っ走っている日本の軍国主義の新しいエスカレーションを支持し後押しするものでもある。
 それは、経団連が改憲、安全保障政策などの日本の国家像、国家戦略を議論する「国の基本問題検討委員会」を設置し、今月15日の初会合で、来年1月をめどに論点整理と提言をまとめることを決めたことにも現われている。その会合で、奥田会長(トヨタ会長)が「経済界として新たな国家像を検討し、神学論争で終始してきたテーマについても道筋をつけてもらいたい」と改憲を念頭に置いた注文をつけたという。

   

 7/16

イラクから軍撤退が再び広がる

フィリピン、人質事件で派遣部隊を撤退開始
    タイ部隊も撤退開始


日本政府はただちに自衛隊を撤退させよ!

 フィリピンのアルバート外相は16日夕、イラクに駐留する人道支援部隊の10人が同日、隣国クウェートに向け撤退を開始したと発表した。「残りの部隊もまもなく出国する」という。」
 イラク駐留のフィリピン部隊51人について、フィリピン人運転手を人質にした武装勢力が早期撤退を要求していたが、フィリピン政府は、人質解放のため、早期撤退を表明した。米政府は公式に「失望」を表明し、フィリピン政府に圧力をかけていたが、国民の強い撤退要求に政府は抗することができなかった。
 フィリピンは現在民間人4千人がイラクに出稼ぎにいっており、「餓死するよりマシ」と危険なイラクへの出稼ぎ応募が1日1000人を越すという。人質となったトラック運転手アンヘロ・デラクルスを見殺しにすることは、これら多くの生活苦にあえいでいる人々を見殺しにすることを意味する。

 また、タイのチェッタ国防相は16日、イラクに派遣しているタイ軍部隊が撤収を始めたことを明らかにした。9月20日までに撤退を完了させる予定という。同相は「計画通り」としているが、同じ東南アジアのフィリピンが自国民の人質事件で部隊撤退を要求されていることが影響しているとの見方も広がっている。
 タイは、イラク中部の都市カルバラで昨年10月から活動を開始。約450人の駐留部隊が、道路修復や医療サービスなどを行っている。タイ部隊は昨年12月、駐屯地への自爆テロで2人が犠牲になった。タイも来年早々に総選挙を控えており、国連や米国の意向を無視して「計画通りの撤退」を開始したのは、タクシン首相が選挙への打撃を恐れているためともいわれている。

 米ブッシュ政権は、スペインなど4ヶ国が相次いで撤退したときの悪夢の再現を恐れている。これに自衛隊撤兵で追撃できれば、ブッシュ・ブレア両政権にとって致命傷となるであろう。

 7/14
 7/15
「深刻な欠陥があり、疑わしい」情報でイラク開戦 英独立調査委

ブッシュに続いてブレアも窮地に
   英下院補選で労働党が批判にさらされ敗北


イラク戦争を支持した小泉の責任を徹底的に追及しよう!


 英国の独立調査委員会(委員長・バトラー元内閣府長官)が14日、大量破壊兵器問題で報告書を公表した。開戦前、イラクは配備可能な生物・化学兵器を持っていなかったと指摘したうえ、これらを大量に保有しているとした英情報機関の情報は「深刻な欠陥があり、疑わしい」とし、これにもとづいてイラク攻撃を開始したブレア政権を厳しく批判した。

 報告書は「政府による意図的な情報の歪曲(わいきょく)はなかった」と追及姿勢はあいまいながらも、ブレア首相が議会でイラクの大量破壊兵器の脅威を訴えた際、「確実な情報に基づいているかのような印象を与えた」と、政府による情報の不適切な分析、利用を指摘した。
 また、ブレア政権が「イラク軍は命令を受けて45分以内に、(大量破壊)兵器を使用できる」などと主張しことに対して、バトラー報告は「45分の脅威」は戦場で使われる兵器を指しており、ミサイルに載せて遠方を攻撃できるかのような誤解を与える形で政府文書に含めるべきではなかったと主張。また、イラクが移動式の生物兵器製造施設を保有しているとの情報や、核開発に利用する目的でアルミ管を入手したとする情報も「実態を伴っていなかった」と断定した。

 この英独立調査委の報告書は、9日に公表された米議会上院の情報特別委員会の報告書とともに、ブッシュ・ブレアがイラク先制攻撃の口実とした「大量破壊兵器保有」を完全に否定したものであり、両政権が国際世論を無視し国際法に背いて戦争を開始したことが確証されたことになる。
 15日の英下院補欠選挙では、ブレア政権の与党・労働党が17年ぶりに議席を失った。労働党はもう一つの選挙区で議席を守ったものの、前回総選挙で得た票を大きく減らし、イラク戦争を強く批判した第2野党の自由民主党が両選挙区で大きく躍進した。

 小泉政権もまた今回の参議院選で敗北したものの、イラク先制攻撃を真っ先に支持し、支援し続けてきたことへの国民の批判とは明確にいえない。ブッシュ・ブレアに組してイラクの国土と民衆の破壊に手を貸した小泉の責任を徹底して追及していこう!

 7/15

反戦デモ逮捕者3人の釈放が
       運動の力で勝ち取られる


警察の反戦平和運動への弾圧を
       大衆的な力で はね返そう


 7月4日、東京・渋谷で行われ、1200人が参加した自衛隊の多国籍軍参加に反対するパレードで、過剰警備に抗議して逮捕された3人が15日に釈放された。
 13日にパレードの主催者団体である「ワールド・ピース・ナウ(WPN)」が記者会見を行い、「自衛隊の多国籍軍参加に反対するパレードで、過剰警備に抗議した3人が逮捕され、1人は機動隊から暴行を受けた」と発表し、デモ参加者が機動隊員にけられ、上半身裸で路上を引きずられる様子などを撮影したビデオも公開した。
 デモ参加者がとったビデオがマスコミなどで取り上げられ公開されることを恐れた警察が早めに釈放したとも見ることが出来る。また、全国から寄せられた警察に対する抗議の声も釈放に対して大きな役割を果たしたと思われる(本コラム7/13を参照)。

 自衛隊のイラク派兵が問題となって以降、警察の反戦平和運動への弾圧が異常なまでに強まっている。今後も同様の弾圧が行われる可能性が高い。私たちは、憲法に保障された基本的人権を守るために、これらの弾圧を、大衆的な力で、はね返していかなければならない。

 7/14 米軍、太平洋全域の軍事作戦の司令塔を日本へ集中

グアム空軍司令部を横田基地へ
    陸軍第1軍団司令部を座間へ


在日米陸海空軍の抜本的強化で
   中東を含む太平洋全域を威嚇しようとしている


 米国防総省が進める米軍再編(トランスフォーメーション)で、米側が日本政府に提示している在日米軍の再編案によると、空軍は横田基地とグアムの各司令部を統合し司令官を横田に置き、陸軍は第1軍団司令部(米ワシントン州)のキャンプ座間への移転に伴って在日米軍司令部を横田から座間に移すという。これにより横須賀基地を拠点とする米海軍第7艦隊、沖縄の第3海兵遠征軍を含め、陸海空軍ともに太平洋全域をカバーする司令塔が日本に集中することになる。さらに米側は在沖縄海兵隊の一部を日本本土に分散移転することも提案しているという。

 米空軍はグアムの第13空軍司令部を廃止し横田基地の第5空軍司令部に統合、太平洋全域を管轄する。これを踏まえて日本政府は航空自衛隊の航空総隊司令部(東京都府中市)を横田基地に移すことにより、日米の連携強化を検討しているという。キャンプ座間に移転する計画の陸軍第1軍団も太平洋全域を管轄する。これに伴い、在日米軍司令部を横田基地からキャンプ座間へ移す。在沖縄海兵隊の日本本土への移転先は、キャンプ富士(静岡県)やキャンプ座間が想定されているという。

 米のこの再編案が実施されれば、在日米陸海空軍は太平洋全域をカバーする役割に大きく変容する。米側の太平洋全域とは中東地域まで含んでおり、日米安保条約が定める在日米軍の活動範囲「極東」を全く逸脱することとなる(現在でも、沖縄米海兵隊がファルージャでイラク民衆を虐殺している)。
 この在日米軍と自衛隊の統合が驚くべきテンポで進んでいる。これら一連の動きの行き着く先は、米軍と自衛隊が一体となった、中東まで含む太平洋全域での軍事的威圧・介入・侵略である。

 7/12
 7/13
参院選の自民敗北を受け、内閣支持率が16ポイント急降下

小泉首相は政権居座りをやめ、ただちに退陣せよ!

自衛隊をイラクからただちに撤退させよ!
      年金法を白紙撤回して一からやり直せ!


 参院選の自民敗北の結果を受け、12日から13日にかけて緊急の全国世論調査を実施がおこなわれ、小泉内閣の支持率は39%で前回(5月)に比べて16ポイント下がり、不支持率は50%と初めて5割台に達した。参院選で国民は小泉政権にNOを突きつけたが、本世論調査で国民の小泉政権不信任が裏付けられた。調査は、朝日新聞社、共同通信社などが行った。

 11日の参院選では、自民は公明の支援を受けても改選議席を2議席下回る敗北を喫した。年金問題においてもイラク問題においても、国民の生活不安や平和への願いを無視し、「痛み」を勤労者や国民に押し付け、軍国主義の拡大を押し付けてきた結果である。そして、そのやり方においては、国民や国会へのまともな説明もせず、独裁者のごとく振る舞い、都合の悪いところは逃げと詭弁でコマカシてきた結果である。
 しかし、小泉首相は、選挙結果に表われた国民からの批判に応えることなく、政権に居座り、年金においてもイラクにおいても、なんら政策を変えないことを表明した。今回の世論調査は、そのような小泉政権に対してさらに追い討ちをかけたものといえよう。

 7/13 反戦デモ参加者3人の逮捕に抗議してワールド・ピース・ナウが記者会見

警察は反戦平和運動への弾圧をただちにやめよ!

 「ワールド・ピース・ナウ(WPN)」は13日、衆院議員会館で記者会見し、「自衛隊の多国籍軍参加に反対するパレードで、過剰警備に抗議した3人が逮捕され、1人は機動隊から暴行を受けた」と発表し、デモ参加者が機動隊員にけられ、上半身裸で路上を引きずられる様子などを撮影したビデオも公開した。この問題に対するWPNの抗議声明には全国400団体以上から賛同の署名が得られているという。

 (本コラム7/4参照)http://www.jca.apc.org/~p-news/IRQ/STOPIRQATACK0407.htm#040704-1

 パレードは7月4日、東京・渋谷で行われ、1200人が参加した。警視庁と渋谷署は、いままでのWPNのパレードへの対応とは異なって、機動隊員に盾を持たせてデモ隊列を規制するという、異様な警戒振りで対処した。
 デモ参加者によると、行進の途中で機動隊員が、執拗に盾で進路を規制したり、「早く進め」と押したりしたため、デモ参加者ともみ合い、公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。
 ビデオには、盾を押しながら、過剰な警備だと抗議した参加者に、機動隊員数人が一斉に飛びかかって逮捕。数人でけったりした後、上着を引っ張って上半身を裸にし、手錠をかけたまま両足をつかんで路上を引きずる様子などが約5分間にわたり撮影されているという。

 自衛隊のイラク派兵が問題となって以降、警察の反戦平和運動への弾圧が異常なまでに強まっており、今回の逮捕もその一環と見なさざるを得ない。私たちはこれに強く抗議し、逮捕者の即時釈放を求める。

 7/12 陸自の人道支援に、ムサンナ州知事が失望

自衛隊の人道支援は、イラク駐留・米軍支援の隠れ蓑(みの)

 陸自が駐留しているサマワを州都とするムサンナ州知事のインタビュー記事が、12日付の政府系紙に「日本はわれわれを失望させた」とも見出しで掲載された。その記事の中で、州知事は「インフラの再建に日本が実質的にかかわっているとは感じられない」と述べて、陸自の支援活動を批判したという。同知事が陸自の活動内容を公に批判したのははじめて。

 サマワ住民からのインフラ再建などの熱い期待に対して、陸自がその能力も持っておらず、期待に応えることができないことは当初から分かっていた。
 鳴り物入りの「人道支援」である給水活動も、駐留陸自総勢550人のうちわずか30人が担当しているにすぎないこと、しかも陣地に立てこもって水を取りに来いという、あきれかえるような尊大さで行っていること、そしてその給水量たるやフランスNGOの10分の1にすぎないこと、などが明らかになっている。最も力を入れているはずの給水活動でさえこんな状況だから、インフラ再建や医療支援など推して知るべしである。
 サマワの住民やムサンナ州知事が、期待を裏切られたと感じ、失望を表明するのは、時間の問題であったのだ。

 自衛隊は決して「人道支援」のためにイラクに駐留しているのではない。それはイラクに居座るための「隠れ蓑」に過ぎない。本当の目的は、今後米軍と一体になって世界のあちこちに海外派兵していくための重大な一歩を築くことだったのだ。

 7/9 イラク戦争は「欠陥情報」に基づいてはじめられた
    米議会上院の情報特別委員会が報告書


ブッシュ政権、さらに追い詰められる

 米議会上院の情報特別委員会は9日、旧フセイン政権の大量破壊兵器(WMD)開発計画をめぐる情報を、米中央情報局(CIA)が誇張したと厳しく批判する報告書を発表した。情報の収集や分析作業に数多くの「誤り」があったと指摘。イラクに大規模なWMD開発計画が存在するという「憶測」が分析官らによる「失敗の連続」を招いたとしたうえで、イラク戦争は「欠陥情報」に基づいて始められたと断定したという。
 また、01年9月の同時多発テロに絡み、オサマ・ビンラディン氏の率いる国際テロ組織アルカイダによるテロ攻撃を、旧フセイン政権が「支援」や「共謀」していたとする見方についても「証拠がない」と否定。
 さらに、ウラン購入疑惑をめぐる偽情報がブッシュ大統領の一般教書演説に盛り込まれたことについても、「テネットCIA長官は入念に事実確認をすべきだった」と指摘。

 一方、ロックフェラー副委員長をはじめとする民主党の委員たちは、ブッシュ政権の高官たちがイラクとWMDの関連を公言していた中で、それに沿った結論を導かなければならないという「強い圧力」をCIAが受けていたと指摘する追加文書を発表したという。

 14日には、英国でもイラク情報に関する調査報告書が出る。ここでも情報機関への批判が出る見通しだという。
 米民主党委員たちが指摘するように、このイラク戦争開戦という重大戦争犯罪を情報機関の誤りに解消させてはならない。ブッシュ大統領、ブレア首相の責任をとことんまで追及することが必要である。

 7/6

防衛白書−−米軍と協力して、自衛隊を迅速に海外派遣
     そのために「より機能する自衛隊」へ抜本的見直しを提示


「専守防衛」をかなぐり捨て、米軍と一体になって、
     世界のどこでも、日本の利権を守れる軍隊へ


 政府は6日の閣議で、04年版「防衛白書」を了承した。白書は、「国際社会の平和と安定」に積極的に取り組むため、国連平和維持活動(PKO)や「人道復興支援目的」の多国籍軍に、自衛隊を迅速に海外派遣する方針を打ち出した。また、「テロや大量破壊兵器など新たな脅威」への対処方針として、陸海空自衛隊の統合運用を図り、即応性や機動性の向上を目指すことを強調。防衛庁はこれらの考えを年末までに改定する防衛計画の大綱(防衛大綱)に反映させ、「より機能する自衛隊」への転換を本格化させる方針を表明した。

 また白書は、日米同盟の強化について、「日米両国には国際社会と協力しつつ、よりグローバルな協力を強化していくことが求められる」として、日米軍事同盟を東アジア周辺だけではなく、グローバルなものにしていくことを表明している。これは、全世界に米国の利権を押し付けていく米軍の行動に歩調をあわせて、自衛隊もまた日本の利権を守るために海外派兵していくことの表明に他ならない。日本の軍国主義エスカレーションは、まったく新たな段階に入っていることを、白書ははっきり物語っている。

 まだ防衛白書全文を手に入れることはできないので、新聞報道などから知りえた情報から、今回の防衛白書のもっとも危険だと思われる特徴を上に指摘した。できるだけ早く全文を入手して、日本の軍国主義エスカレーションがどこを目指しているのかを見極めることが必要だと思われる。

 7/5 ファルージャへ米軍空爆、イラク人12人を殺す
    6月19日から5度目の攻撃


暫定政府は「情報提供し」、自国民の殺害に手を貸す

 イラク駐留米軍は5日、バグダッド西郊ファルージャで、民家を空爆し、12人を殺害した。口実は、ヨルダン人ザルカウィ氏率いる武装集団の隠れ家を攻撃するため、としている。暫定政府のアラウィ首相は、攻撃後声明を出し、暫定政府が攻撃目標情報を提供したことによる米軍と合同作戦であったことを表明した。暫定政府がイラク国民の裏切り者であり、米の傀儡(かいらい)であることを、なによりも明らかにするものである。

 今回の空爆では、精密誘導弾6発が投下され、現地の病院の情報でイラク人15人が死亡、5人が負傷したという。ザルカウィ氏らへの攻撃を口実とする空爆は、6月19日から通算5度目で、主権移譲後もすでに7月1日と今回の2回が行われており、そのたびにイラク人多数が殺害され、負傷させられている。

 今回の暫定政府アラウィ首相の声明は、米軍の軍事作戦に何の権限も持っていないにもかかわらず、あたかも暫定政府が作戦で主導的立場にあるかのように、主権がまるで暫定政府にあるかのように見せるためのものである。

 7/4 平和のための投票を訴えて 渋谷で1200人
   「多国籍軍参加は違憲・違法だ!」


警察による参加者3人の不当逮捕・不当弾圧に抗議する!

 自衛隊の多国籍軍参加に反対し、イラクからいますぐ撤退することを求めて、そのためには参議院選で戦争に反対する候補者に投票しよう!
 投票日を1週間後に控えた7月4日、渋谷宮下公園で「VOTE for PEACE 平和のための投票で自衛隊撤退の実現を」の集会とデモが行われた。主催はワールド・ピース・ナウで、1200人の市民らが参加した。

 集会ではまず主催者から、米のイラク戦争・占領がいかに不当なものであるか、そしてそれに協力して自衛隊を派遣しさらに今回多国籍軍に参加させることがどれほど憲法を踏みにじり、イラク特措法にも違反するかを訴える挨拶があり、最後に韓国の軍再派遣に反対する運動と連帯して闘おうという呼びかけがなされた。そしてピース・コンサートに続いて、沖縄辺野古のボーリング調査反対座り込みの闘いの報告や石坂啓さんからの発言、立候補予定者アンケート結果発表などがなされ、最後に韓国の運動からの連帯のメッセージが読み上げられた。
 
 集会後は渋谷の街をデモ行進して「NO WAR」「戦争をしない政治家を選ぼう」などと訴えた。
 この日の警察機動隊の警備ぶりは異常で、デモ隊に圧力・挑発をかけ、参加者3名が不当逮捕されるに至った。私たちは反戦運動に対する警察の不当弾圧に対して強く抗議する。

 参照  http://www.asahi.com/politics/update/0704/007.html

                    
             基地は要らない!女たちの全国ネット 芦沢さんのお話          ピース旗に寄せ書き
 
               
           ピース・ニュースも大きな横断幕を持って行進         機動隊が盾をもってズラリと並ぶ異様な警備

 7/3

英自由民主党やNGOが、本来あるべきイラクの石油収入「消えた」とCPA批判

侵略者がイラクの石油を奪い取っている

 イラクの石油収入は戦争後に創設された「イラク開発基金」に積み立てられ、「復興」ビジネス・「復興」利権の経済的バックボーンになってきた。この基金の管理は米傀儡の「暫定政府」樹立までCPAが担っていた。この基金は、イラクの石油を食い物にするための仕組みであるが、この基金に入るべき石油代金が、基金にも入らずに一部が消えているという情報が出はじめている。

 CPAによると、この基金に入った石油収入は6月27日時点で約108億ドルということだが、英自由民主党は石油輸出量とその時々の油価をもとに計算すると、122億〜145億ドルの収入があるはずだと発表。「この不足に対して詳細な調査が必要だ」と主張し、英政府を追及している。英NGOのクリスチャン・エイドも、基金の収入(5月末段階)は本来より最大30%少ない可能性がある、と指摘し、「CPAは石油収入をどう使っているのか、石油収入をどういう仕組みで得ているのか説明しておらず、不透明だ」とCPA批判をしているという。数10億ドルもの金がいったい誰の手に転がり込んだのであろうか??侵略者たちは、いったいどれだけイラクという国・人々を食い物にしているのであろうか?

 この基金の管理は、6月末のいわゆる「主権移譲」に伴ってイラク暫定政府の手に移っている。しかし、だからといってイラクの石油がイラクの人々のもとに返されたわけではない。イラク暫定政府は米の傀儡である。この基金はこれまで通り「復興」ビジネスの経済的原資であり、侵略者達がイラクの石油を食い物にするための仕組みであり続けるであろう。

 7/2 米軍、「主権移譲」後も5000人のイラク人拘束続く

 イラク暫定政府が6月28日に主権を移譲された後も、約5000人のイラク人が米軍に訴追されないまま、旧アブグレイブ刑務所などで拘束されているという。米軍は、収容者が外国人テロリストや旧政権の残存武装勢力の活動家など、治安に脅威を与える人物だと主張しているが、実際には反米活動と無関係の住民も多いとされ、家族からは強い不満の声が上がっている。

 米政府は主権移譲後も収容者の拘束を継続したり、新たに拘束する権限を要求し、国連安全保障理事会決議で認められた。
 しかし、元収容者らの証言によると、米軍は反米攻撃の現場や活動の家宅捜索の際、居合わせたイラク人を一網打尽にして十分な取り調べなしに拘束を継続。イラク人虐待事件が問題化したことから「脅威が小さい」人物を段階的に釈放しているが、納得しない家族は多いという。
 6/29〜
 7/2

「主権委譲」後も反占領の戦いは止まない!

自衛隊駐留のサマワへも抵抗が広がっている
     戦闘地域であることに変わり無し!



(7/2)バグダッドの外国人が多く宿泊するホテル2軒にロケット弾、4人負傷

 バグダッド中心部で、シェラトンホテルとバグダッッドホテルに2日午前7時半ごろ、連続して2台の車両からロケット弾が撃ち込まれるなどした。ホテル従業員や近くにいたイラク人計4人が負傷した。

(7/1)「暫定政府」高官や米軍狙い襲撃続く、8人死亡

 バグダッド西部で1日、イラク財務省の金融監督局長を乗せた車の近くで道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、同局長と護衛のイラク人の計3人が死亡した。
 北部サマラでは内務省の顧問の自宅がロケット弾などで襲撃され、イラク人護衛4人が死亡した。
 また、米軍は1日、イラク北部モスルで道路脇の爆弾により「多国籍部隊の兵士1人が死亡、2人が負傷した」と発表した。モスルの「多国籍部隊」は米軍とみられている。

(6/30)サマワ中心部で自動車爆発、4人負傷

 イラク南部サマワの中心部にあるムサンナ州警察本部そばで30日午前10時半ごろ、自動車が爆発し、4人が負傷したとされている。現場は州政府庁舎など行政関係の建物が集まっているところ。28日の傀儡政府への「主権移譲」後、イラクで自動車爆弾が爆発したのは、自衛隊の駐留するこのサマワが初めてだという。陸上自衛隊の宿営地からは数キロの距離の場所であった。
 サマワも相変わらず戦闘地域であり、イラク特措法に基づく派兵であるならば、相変わらず即時撤退すべき事態である。自衛隊が平和憲法を踏みにじり集団自衛権行使の多国籍軍に参加した今は、なおさらのことである。直接攻撃にさらされる可能性も高くなり、偶発的な戦闘行為へ発展する危険が高くなっている。イラクの人々に銃を向ける前に自衛隊を撤退させなければならない。

(6/29)「主権委譲」後も闘いは止まず!米海兵隊3人死亡

 傀儡政府への「主権移譲」の翌日、武装抵抗する勢力の襲撃が各地で相次いだ。
 バグダッド東部で29日、道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発して米軍車両が大破し、米海兵隊員3人が死亡した。バグダッド北部では29日、約20人の武装抵抗勢力が警察署を小型ロケット砲などで攻撃。駆けつけた米部隊がイラク警察と共に応戦し、3時間にわたる銃撃戦で武装抵抗勢力側の2人が死亡した。 バグダッド南方でも警察署が攻撃を受け、イラク人の警官1人が死亡。
 北部キルクークでは出勤途中のイラク人警官が攻撃を受け、運転手が死亡した。モスルではクルド人民兵組織「ペシュメルガ」の乗った車両が攻撃を受け、民兵2人が死亡した。