STOP!ブッシュ・小泉 2004年6月
アフガン・イラクの次を北朝鮮にするな
◆◆有事立法が成立してしまいました。平和憲法を打ち砕くような暴挙です。◆◆
しかしこれで全てが決まってしまったわけではありません。
●私たちは、戦争準備の一つ一つの動きに反対して、有事法制を発動させず、再び日本が侵略戦争を行う国にならないよう平和の取り組みを強めていかなければなりません。

●これまでの「やめろイラク攻撃!STOP!ブッシュ・小泉」のコーナを、「STOP!ブッシュ・小泉!アフガン・イラクの次を北朝鮮にするな」コーナに変更して、引き続き戦争への危険な動きに警鐘を鳴らして行きたいと思います。
イラクでの植民地支配の実態、日本やアメリカによる北朝鮮への戦争準備の動きと
それに反対する動きなどを伝えてゆきます。

 2004年5月のページへ


 6/30

フセイン時代の旧国旗が、暫定政府関連ビルにはためく

占領下で押付けられた「イラク新国旗」はイラクの人々に受け入れられず

  暫定政府の前身である統治評議会は4月、新国旗を承認していた。その新国旗は過去の時代からの解放を演出する目的で作られたものであったが、しかし、米のかいらい(傀儡)政府への「主権移譲」が行われた日以降、暫定政府関連ビルには、この新国旗ではなく、フセイン政権以前からの汎(はん)アラブ主義を象徴するというイラク「国旗」がはためいたという。「主権委譲」を演出するのに旧国旗を使用せざるを得ないところに、ブッシュの言う「イラクの解放」のデタラメと、イラク国民の占領軍からの解放を願う思いが透けて見えるとは言えないだろうか。

 

 6/28 自衛隊が、憲法に違反して、ついに多国籍軍(=侵略軍)に参加

自衛隊の海外派兵(=侵略)の新たなエスカレーションを糾弾する!

自衛隊をイラクから即時撤退させよ!

 米英占領当局(CPA)からイラク暫定政府への「主権移譲」が突然前倒しされた(同6/28コラム参照)ことで、日本政府は、慌てて異例の持ち回り閣議で、イラク暫定政府承認と多国籍軍への自衛隊の参加手続きを行った。これによって、首相が国内合意を後回しに米大統領とまず約束するという異常な独裁的政治手法で事を開始し、何の国民的論議も経ず、何のまともな説明もせず、そして国民の過半数の反対を踏みにじって、イラク駐在自衛隊の多国籍軍参加が強行された。私たちは、この自衛隊の海外派兵=侵略の新たなエスカレーションを断固糾弾する!そしてイラクからの即時撤退を要求する!

 (参照)自衛隊の多国籍軍参加を閣議決定  
        日本の海外派兵・侵略の新たな段階だ
           
多国籍軍参加に断固反対する!自衛隊をただちに撤退させよ!

 なぜ政府はこの「2日間の前倒し」で慌てたのか。それは小泉政権が「多国籍軍参加は違憲」という従来の政府見解をかなぐり捨てて、強引に多国籍軍参加の道を暴走してきたのと同じ理由である。
 国際法では、当該国の正当な政府と「地位協定」を結んでいない外国の駐留軍は違法であり、侵略軍とみなされる。自衛隊が今までイラクに駐留して来れたのは、CPAと「地位協定」を結んでいるという建前がある(もちろん、CPAがイラク国を代表する政府とは全く言えないが、ここではそれは論じない)ためだった。6月30日にCPAがなくなると、このままでは自衛隊は国際法上は侵略軍となってしまう。暫定政府と「地位協定」を結べればよいのだが、暫定政府自身そんな状況になく、結べていない。ここで本来なら撤退するべきなのだが、小泉の辞書には「撤退」という言葉はない。そこで多国籍軍に参加すれば違法でなくなるし、おまけに小泉政権が本当はやりたかった自衛隊の活動=治安活動がやりやすくなる。こんな考えと方針で多国籍軍参加をしゃにむに進めてきたのである。
 CPAが2日間前倒しで消滅したため、「空白の2日間」自衛隊は国際法上の法的地位を失い、侵略軍となってしまう。このため、政府は慌てて異例の持ち回り閣議をもってまで、つじつま合わせを行ったのである。

 自衛隊はただちに撤退させるべきである。それをやりたくないために、誰の眼から見ても憲法に違反して(=改憲を先取りして)、今までの政府見解をかなぐり捨てて、多国籍軍=侵略軍に参加するなど、許されることではない。こんな小泉首相を私たちはただちに政権の座から引きずり下ろさなければならない。そのために参議院選を有効に生かさなければならない。

 6/28 コソコソと2日前倒しで、CPAから暫定政府へ「主権委譲」
    レジスタンス勢力からの攻撃を怖れて


暫定政府は米英の傀儡(かいらい)

    主権委譲はブッシュ再選のための見せかけ

米英と多国籍軍の即時撤退しかイラク復興の道はない

 米英占領当局(CPA)は28日、急きょ30日の予定を前倒しして、イラク暫定政府に「主権移譲」をおこなった。反米反占領のレジスタンス勢力の攻撃を怖れての日程前倒しである。通常ならイラク国民の目の前で「主権委譲」の派手なセレモニーを行うところが、わずか6人で国民がまったく知らないところで行うことしか出来ないところに、事の本質が如実に現われている。

 暫定政府は、その閣僚たちがCPAそして米政府によって選ばれた全くの米の傀儡政府であり、CPAから暫定政府への「主権委譲」は、ブッシュ再選のための見せかけに過ぎない。
 まず、米英占領軍と有志連合軍はそのまま多国籍軍と衣を変えるだけである。米英はさらに増強しようとさえしている。暫定政府はそれを歓迎し、軍事的権限も自ら辞退している始末である。米主導の多国籍軍はなんらの制約なしに、イラク民衆を軍事弾圧できる。
 また、他の統治権限についても、暫定政府に移るのは下級機関に過ぎない。中枢、命令元、上級機関は米大使館が握ることとなる。
 すなわち、これからのイラクを支配するのは暫定政府ではなくて、世界最大の米イラク大使館であり、そのトップには長年数々の米の侵略を国連の場で承認させてきたネグロポンテがつく。単にCPAが米大使館に引き継がれ、ブレマーがネグロポンテに引き継がれるだけである。

 こんな「主権委譲」をイラク民衆が支持するはずがない。30日の「主権委譲」へ向けて、イラク全土で反米反占領のレジスタンス戦争がいっそう激しくなっていた。CPAと暫定政府は打つ手がなく、秘密裏に2日前倒しして、コソコソと「主権委譲」をやるしかなかったのである。
 米のイラク占領は完全に破綻している。米英と多国籍軍の即時撤退しか、イラクを真に復興する道はない。

 6/21〜
 6/28
反米反占領のレジスタンス勢力が攻撃を強める
          見せかけの「主権委譲」を前にして


米英軍がイラクに居座るかぎり、イラクに平和はこない


イラク南部バスラで英兵1人死亡(6/28)

 英国防省は28日、イラク南部のバスラで同日朝、英軍兵士らが乗った車に攻撃が加えられ、兵士1人が死亡、2人が負傷したと発表。

イラク、武装勢力攻撃続く(6/27)

 27日もイラク各地で武装勢力の攻撃が続いた。、バグダッド南郊の連合軍基地では同日夕、ロケット弾攻撃を受けて米兵1人が死亡。また、同市中心部の連合国暫定当局(CPA)管理区域「グリーンゾーン」などに迫撃砲が数発撃ち込まれ、付近で遊んでいた少年2人が巻き込まれたという。
 一方、バグダッド北東にある検問所も同日、対戦車砲などで武装した黒装束の集団に襲撃され、国家警備隊6人が死亡。
 北部モスルでは同日、クルド愛国同盟(PUK)の事務所が迫撃砲攻撃にあい、党員1人が死亡、9人がけがをしたという。モスルでは、警察官が、走行中の車から銃撃を受けて死亡する事件も起きた。

バグダッド空港離陸直後のオーストラリア軍輸送機、攻撃され米国人1人死亡(6/27)

 イラク駐留米軍によると、オーストラリア軍C130輸送機が27日、バグダッド国際空港を離陸後に小火器による攻撃を受け、空港に引き返した。米国人乗員1人が負傷し、病院に搬送されたが間もなく死亡。同空港発着の航空機は以前から反米武装勢力の攻撃標的になってきたが、死者が出たのは初めて。この米国人は、米国防総省の契約民間人。

バグダッド南郊のヒッラで自動車2台が爆発、23人死亡(6/26)

 首都バグダッド南郊のヒッラで26日夜、爆薬を積んだ自動車2台が相次いで爆発し、イラク人ら23人が死亡、58人が負傷した。
 また、首都北方のバアクーバでも26日、イスラム教シーア派の有力政党であるイラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)の現地支部がロケット弾による攻撃を受け、3人が死亡。

米軍がファルージャを連日空爆、25人死亡(6/25)


 イラク駐留米軍は25日、バグダッド西方約70キロのファルージャで、19日から通算3回目となる精密誘導兵器の空爆を行った。この空爆でイラク人25人が死亡したという。

イラク中部バクバ近郊で警察署にロケット弾、3人死亡(6/25)

 イラク中部バクバ近郊で25日未明、警察署が武装勢力にロケット弾で攻撃され、警官3人が死亡、1人が負傷した。バクバでは24日にも別の警察署や政府の建物が武装勢力に襲撃され、激しい戦闘の末に米兵2人と10数人のイラク人が死亡している。
 また、バグダッド中心部の米軍管理区域「グリーンゾーン」近くで同日夜、6発の迫撃弾が爆発、さらにイラク暫定政府の国防省関係者の家の外でも爆弾1発が爆発したという。

抵抗勢力の5都市同時攻撃で死者100人(6/24)

 イラク5都市で24日行われた抵抗勢力による同時多発攻撃で、各地の死者数の合計は同日夜までに約100人に達したという。地元テレビによると、暫定政権のヤワル大統領が国民に、不審者への警戒と警察への通報を呼び掛けたというが、イラク警察は武装勢力の攻撃に対し自衛すらできていないのが現状。

米軍、ファルージャを空爆し20人以上を殺害(6/22,23)

 米軍は22日夜から23日朝にかけてイラク中部のファルージャを空爆し、20人前後を殺害した。ファルージャでは19日にも民家が米軍機の攻撃を受けている。

バグダッド北方のバラドで、銃撃受けて米兵3人死傷(6/22)

 また、バグダッド北方のバラドで22日、米軍車列が銃撃を受け、米兵2人が死亡、1人が負傷した。南部バスラでは同日、空港で駐留英軍通訳として働くイラク人女性2人が帰宅途中に待ち伏せ攻撃され、死亡した。

ファルージャで反米集会 ミサイル攻撃に抗議(6/21)

 イラク中部・ファルージャ中心部で21日、米軍が19日に行ったミサイル攻撃で住民約20人が死亡したことに抗議する反米集会が開かれた。
 集会参加者は、国際テロ組織「アルカイダ」の幹部、ザルカウィ氏のグループの隠れ家を狙ったという米軍側の説明は言い訳にすぎないと主張し、反米スローガンを叫んだという。

米海兵隊4人が殺害される(6/21)

 首都バグダッド西方のアンバル州で21日、米海兵隊の4人が殺害されたという。

 6/24 「対イラク戦争は誤りだった」が初めて過半数 米世論調査

 USAトゥデー/CNN/ギャロップが実施した世論調査によると、米国が主導するイラク戦争が誤りだったと考える米国民が、イラク戦争開始後はじめて過半数に達した。 調査は今月21日から23日に1005人を対象に行われたという。

 調査は1005人を対象に実施し、54%が米国のイラク派兵は誤りだったと答えた。3週間前の調査ではこの割合は41%だったというから、イラク戦争批判が加速度的に高まっていることを示している。
 USAトゥデーによると、米軍の大規模展開を誤りだったと考える米国民が過半数に達したのは、ベトナム戦争以来、はじめてとのこと。また、今回の世論調査では、イラク戦争のために米国がテロリズムからより安全でなくなったと考える米国民も、はじめて過半数の55%に達したという。

 6/19
 6/20
ファルージャで、米軍が民家をミサイル攻撃
     子供、女性を含む「普通の家族」22人以上が殺害される


暫定政府アラウィ首相はこの残虐な攻撃を支持

米軍のファルージャ大虐殺を再現させてはならない
     米軍はイラク民衆の殺害をやめ、ただちにイラクから出て行け!


 バグダッド西方のファルージャで19日、米軍機がミサイル2発を民家へ発射した。がれきの下から22人の遺体が運び出されたという。病院へ運ばずに埋葬された犠牲者もいるとみられ、死者には「少なくとも女性3人と子供5人がいた」という。現地の治安部隊など地元イラク人らは20日、「死んだのは普通の家族」などとして米軍作戦を非難した。
 住民らの証言によると、米軍機はミサイルを2発発射。最初の攻撃で崩壊した民家へ近所の人々が駆けつけたところに、2発目が撃ち込まれたため、被害が広がったという。住民の一人はカタールの衛星テレビ局アルジャジーラに、「がれきに埋まった人を救出しようとしていた人まで犠牲になった」と怒りをあらわにしたという。
 駐留米軍のキミット准将は19日夜、「あの家にはザルカウィのネットワークのメンバーがいたという重大な証拠がある」と述べたが、。地元警察の幹部も「ザルカウィやその仲間が、あの家やファルージャにいた様子はない」と発言。さらに、「民家への攻撃によって一家が全滅し、治安が不安定になった。我々とは何の調整もなく、攻撃が行われた」とも話し、地元治安担当者への通達なしで空爆が行われたことに強い不満を表したという。

 一方、暫定政府アラウィ首相は20日の会見で、米軍から直前に通告を受けていたことを明らかにし、「標的はテロリストの拠点だった」と述べて空爆を擁護し、暫定政府がイラク民衆に敵対し、米の傀儡(かいらい)政府であることを自ら暴露した。

 米軍はファルージャで4月初めからイラク民衆700人以上を大虐殺するという最大級の戦争犯罪を犯したばかりである。内外の激しい非難に一時撤退する装いを見せていたが、今月10日ごろから戦車などを繰り出して軍事圧力を強めていた。そして再びファルージャ民衆に向かって牙をむき出して襲いかかったのだ。

 6/18

自衛隊の多国籍軍参加を閣議決定

日本の海外派兵・侵略の新たな段階だ

多国籍軍参加に断固反対する!
    自衛隊をただちに撤退させよ!


 政府は18日午前の閣議で、自衛隊のイラク多国籍軍参加という、戦後日本の海外派兵・侵略の新たな段階を画する、憲法違反の新たな段階を画する決定を行った。しかも、これほどの重大決定が、新法によって国会審議を経て実施されるのではなく、イラク特措法施行令に国連安保理新決議1546を加え、関連する基本計画を変更するという、政府内部の・国民不在のところで実施されることが決定されたのである。国民的論議となって、参議院選に不利になることを避け、その前に押し切ってしまえ!というデタラメなやり方である。

1.多国籍軍参加は、これまでのイラク派兵と質的に異なる
      −明白な集団自衛権行使、政府の従来見解の投げ捨て


 政府は、「自衛隊は統合された司令部の下にあって、同司令部との間で連絡・調整を行うが、同司令部の指揮下に入るわけではない。自衛隊は引き続き、我が国の主体的な判断の下に、我が国の指揮に従う」ことについて「口頭で」米英に了解を得ているという。私たちはこのような言い逃れにだまされてはならない。
 まず、イラク多国籍軍参加は、これまでのイラク特措法に基づくイラク派兵と質的に異なるものである。それは統一した指揮系統の下で、イラクでの反米武装勢力に対する武力行使、鎮圧・せん滅を主任務とした多国籍侵略軍に、日本が参加するということである。政府は、”unified command”(統一的指揮)を「統合された司令部」と従来の翻訳を変えてごまかそうとしているが、何と言おうと、多国籍軍参加部隊は、米軍司令部の監督・指揮の下にあるのであり、これが集団自衛権の行使を禁じた日本国憲法に違反し、また従来の政府見解を逸脱・否定することは明らかである。現に政府はこれまでそう説明し、「多国籍軍へは参加できない」と言ってきたことをくつがえして、今回の多国籍軍参加を正当化しようとしている。
  米政府は自衛隊の指揮系統について「各国軍隊が各自の指揮系統下に入るのは当然」(マクレラン米大統領報道官)とした上で、「多国籍軍全体は米軍司令部によって監督されている」(同)との解釈を示している。また、ロドマン米国防次官補は16日、主権移譲後のイラクで展開する多国籍軍に関して米下院軍事委員会に文書を提出し、「(多国籍軍の)統一された指揮権(ユニファイド・コマンド)とは、現状においては米軍の指揮を意味する」と明言している。

2.小泉首相の「武力行使はしない、イラク特措法の枠内、非戦闘地域で活動」は
    今でも踏みにじられている


 小泉首相は会見にて、@武力行使はしないAイラク特措法の枠内B非戦闘地域で活動C日本の指揮に従う、の4点を守ると表明した。Cが全く言い逃れにすぎないのは上述の通りであるが、@〜Bはすでに現状の自衛隊においても全く守られていない。
 イラク全域が戦闘地域となっていることは誰の眼にも明らかであり、とくに今年4月以降の反米反占領レジスタンスのイラク全土への拡大もと、サマワにおいても迫撃砲などの攻撃があり、オランダ兵の死亡さえ起こっている。これに対して、「非戦闘地域で活動する」などと強弁するのは、クロをシロというに等しい。
 この「非戦闘地域」問題だけでも、イラク特措法に大きく違反して自衛隊はサマワに駐留しているのであるが、さらに「イラク特措法の枠内」での人道支援・復興支援についても、そのウソ・欺瞞が暴露されている。駐留陸自総勢550人のうち実際に給水活動を行うのはわずか30人であること、しかも陣地に立てこもって水を取りに来いという、あきれかえるような尊大さであること、学校や建物の復旧などそもそも自衛隊にはできない仕事であること、医療支援も必要なものは自衛隊ではなくて医療機器であり医療設備であること、等など。
 「武力行使はしない」も、まだ直接武力行使してイラク人を殺害していないだけで、イラク人殺害のために武装した米兵などを米軍の指揮の下で空輸している。「荷物を1つ1つチェックなどできない」もとで、武器・弾薬なども輸送していることは想像に難くない。そしてこれからは、自衛隊員がイラク人に銃口を向ける日はそう遠くないに違いない。
 再度確認するが、小泉首相の言う、武力行使はしない、イラク特措法の枠内、非戦闘地域で活動、は今でも踏みにじられているのである。

3.自衛隊の多国籍軍参加の真の狙い
    −−米軍と一体となって海外に常駐すること


 14日に有事関連7法が参院を通過した。この法律が、昨年成立させられた有事3法の枠組みをさらに具体化して、まさに「実際に戦争できる国家」「実際に戦争に国民を動員できる国家」にするための有事体制作りをめざすものであることは本コラムでも何度か指摘してきた。
 それと、自衛隊の多国籍軍参加、さらに政府が現在準備している海外派兵の「恒久法」、さらにその先にある憲法改悪を重ね合わせるならば、もはや日本の軍国主義は、朝鮮半島や東アジアだけを向いているのではなく、よりグローバルな、米軍と一体となって「対テロ戦争」を口実として全世界への介入戦争・侵略戦争を遂行することを射程に入れたものに変化しつつあると見なければならない。そして、この変化の背景には、巨大化し多国籍化した日本企業のグローバル企業への拡大、そのための「国際貢献」「安全保障」があることを忘れてはならない。
 このような中で、今回の多国籍軍参加は、まずイラクと中東・インド洋に自衛隊を常駐させる願ってもないチャンスと小泉政権には映っているのであろう。
 
 私たちは、微力ながらも、日本軍国主義のこの全く新しいエスカレーションに対して、何としてもブレーキをかけるために、1つ1つの闘いに参加していきたい。なによりもまず、自衛隊の多国籍軍参加に反対し、即時撤兵を勝ち取るために闘っていきたい。このための署名活動に取り組んでいきたいと思っている。さらに、これから国民の日常生活に具体的に入り込んでくるであろう有事体制作りの1つ1つに反対していきたいし、さらにつぎつぎと準備されている海外派兵恒久法、教育基本法改悪、そして憲法改悪に対して、その企てをつぶしていける運動の形成のために貢献していきたいと思っている。こんどの参院選もその位置づけの中で取り組みたいと考えている。

 6/16 ブッシュ再選阻止を 米元高官らが声明

 ターナー元米中央情報局(CIA)長官ら米政府や軍の元高官27人が16日、ブッシュ大統領はイラク戦争などで米国の安全保障上の利益や国際社会での地位を脅かしたとして、11月の大統領選で再選されるべきではないとする声明を公表したという。

 声明は「ブッシュ政権は合理的な分析よりもイデオロギーに基づいて、米国を出口の見えない、高くつく戦争に導いた」と厳しく批判している。27人の中にはブッシュ大統領の父親の政権時代に空軍参謀総長を務めたマックピーク退役大将らもおり、大半は前回の大統領選でブッシュ大統領を支持した“身内”。元高官らが現政権の交代を公の場で要求するのは極めて異例。

 6/14

イラク人虐待で、個々の兵士に予備審問(米)や軍法会議(英)

個々の兵士の責任に問題を矮小化させてはならない
    イラク人虐待が組織的に行われたことを暴け!!


 イラクのアブグレイブ刑務所で、虐待行為にかかわったとして訴追されているリンディー・イングランド上等兵に対する予備審問が、22日に米ノースカロライナ州のフォート・ブラグ基地で開かれることが14日明らかになったという。予備審問では、検察官にあたる軍の捜査官と、上等兵の弁護側の双方が証言し、軍法会議にかけるかどうかを判断する。
 イングランド上等兵は、米メディアが公表した虐待写真の中で、収容者の首にひもをつけたり、収容者の性器を指さしたりする女性として写っていた。写真について弁護側は「上官の指示だった」と主張している。

 また、英国のゴールドスミス法務長官は14日、最高裁の機能を兼ねる議会上院に書簡を送り、英軍が占領しているイラク南部で、イラク人を虐待したとみられる兵士4人を軍法会議で裁く考えを表明したという。性的な行為を強要したり、暴行を加えたりした罪を問うとしており、映像による証拠が存在する、としている。
 英政府が虐待の事実を公式に認め、軍法会議への訴追を決めたのは初めて。英政府は先週、イラク側から告発を受けた75件の虐待事件を軍警察が捜査していることを明らかにし、うち半数は調べを終え、処分を見送ったとしていた。

 6/14 有事関連7法の成立を厳しく糾弾する!
    民主党がそれに加担したことに強く抗議する!

 14日午後、参院イラク復興支援・有事法制特別委員会に引き続いて参院本会議にて、有事関連7法案が、自民、公明および民主の3党の賛成多数で可決、成立させられた。
 この法律は、昨年成立させられた有事3法の枠組みをさらに具体化するもので、まさに「実際に戦争できる国家」「実際に戦争に国民を動員できる国家」にするための有事体制作りをめざすものである(具体的内容は本コラム3月9日参照)。そして、「対テロ戦争」の口実のもとに米国がすすめる先制攻撃戦争に自衛隊を参戦させるばかりではなく、日本国民を総動員させることを目的とする戦争法である。もちろん現憲法の3原則である平和主義、基本的人権、国民主権のいずれにも真っ向から対立し、憲法の基本的条項を停止させることになる、とんでもなく危険な法律である。
 私たちはこのような有事関連7法が、イラク問題や年金騒動のドサクサにまぎれて、まともな論議もなしに成立させられたことに怒りを抑えることができない。さらにこのような歴史的汚点に野党第一党の民主党が積極的に加担したことは、戦前戦中の翼賛国会が頭に浮かび、怒りを超えて戦慄さえ感じる。

 しかし、私たちはこの成立で闘いをやめることはもちろんできない。これから政府が着手する「基本指針」の策定に反対していくつもりであるし、各自治体での具体化に対しても反対していくつもりである。また、これらの有事法制の「先どり」が進行しているが、それらの1つ1つに対して反対していかなければならないし、あらゆる有事法制の具体的現われに対して反対していかなければならない。
 これらの1つ1つの闘いが、当面の重点課題であるイラクからの自衛隊撤兵、多国籍軍参加阻止の闘いと結びついて、そして最大の課題である改憲阻止の闘いと結びついて、力強い反戦平和の運動につながっていくことを願ってやまない。

 なお同日、特定船舶入港禁止特措法も自民、公明および民主の3党の賛成多数で可決、成立させられた。これについても厳しく糾弾する(内容は本コラム今月3日参照)。
 6/11 英地方選、労働党大敗 ブレア首相のイラク政策に批判

ロンドン市長選も、反米反戦の与党現職再選 

 英国の地方選挙は10日夜、開票が始まり、11日夕までに、ブレア政権の与党・労働党の大敗が明らかになった。BBCの推計によると、労働党は得票率で保守、自由民主の両野党に次ぐ3位に転落する見通し。ブレア首相は10日夜、米国で記者会見し「イラクに関する懸念が労働党への支持に影を落とした」と認めた。与党内で首相への責任追及が強まるのは必至。
 イングランドとウェールズで改選された地方議会の約6千議席のうち、労働党が改選前と比べ464議席を減らしたのに対し、保守党は263、自由民主党は132議席を上積みし、労働党の惨敗となった。BBCは地方選での最終得票率を保守38%、自由民主30%、労働26%と予測。全国規模で行われた選挙で、政権党が3位になった前例はないという。
 ブレア首相は記者会見で「イラクに関する懸念が労働党への支持に影を落とした」と認めたという。来年春には総選挙が予測されているが、今後労働党内でもブレア首相の対イラク政策を巡って論議が巻き起こるのは必至。

 また、10日に実施されたロンドン市長選挙の開票が11日夜終わり、市選管の発表によると、与党労働党から立候補した反米反戦の現職ケン・リビングストン氏が再選を決めた。反戦論者の同氏は米英主導のイラク戦争に強硬に反対してきた。

 6/11 オランダ国民のほぼ半数がサマワ駐留延長に反対

 オランダ政府・与党は11日、サマワでの同国軍の3月半ばまでの駐留延長を決めたが、各種の世論調査では、オランダ国民のほぼ半数が延長に不信感を抱いているという。政府にとって「重大な決定には、国民の大多数の賛意が必要」(首脳)という立場と大きく矛盾しており、再びレジスタンス勢力からの攻撃で犠牲者が出た場合、撤退問題が再燃することは間違いない。

 同国ではイラクの治安悪化や、刑務所虐待事件などに端を発した反米感情から、最近の有力紙の調査でも全体で51%、女性だけで62%が駐留延長に反発。一時は与党の一角も延長を疑問視していた。政府内部でも「延長には国連決議が必要だ」「決議なしでも延長すべきだ」と対立するなど足並みが乱れていた。
 今回の駐留延長決定は、国連の新イラク決議によって米の役割が低下したと強弁して押し通しており、野党や国民の間で依然批判が根強い。今後のオランダ軍とイラク・レジスタンス勢力の戦い次第で撤退論議が再燃する可能性は高いといえる。

 6/8〜
 6/10

小泉首相、日米首脳会談で多国籍軍参加を表明

野党は一斉批判、与党内にも異論続出


憲法に違反、イラク特措法に違反、従来政府見解に違反、
    国民無視、国会無視の小泉政権にはっきり NO を!


 小泉首相は8日昼、主要国首脳会議(サミット)が開かれる米ジョージア州シーアイランドでブッシュ米大統領と会談し、主権移譲後のイラクでの自衛隊の活動について「暫定政府にも歓迎される形でイラク特措法に基づく自衛隊の派遣を継続する」と述べ、国連安保理の新決議に基づいて編成される多国籍軍への参加を事実上、表明した。
 また、小泉首相は10日夜、サバナ市内で記者会見し、多国籍軍に自衛隊を参加させる方針を正式に表明した。

 小泉首相は、自衛隊の海外派兵、米侵略への加担の新たなエスカレーションに踏み出した。
 今のイラクの情勢を見れば、「多国籍軍」が治安維持部隊であり、武力行使なしには意味をなさないこと、その「多国籍軍」に自衛隊が参加することは、憲法が禁じる集団的自衛権の行使そのものであることは、火を見るよりも明らかである。しかも、これまでの政府見解でさえ、「武力の行使自体を目的、任務とする多国籍軍に参加することは憲法上許されない」としてきたことを覆してまで、米のイラク侵略に加担しようとしている。
 しかも、この問題で国内の議論がまだ始まったばかりの段階にもかかわらず、独断専行で首脳会談で意思表明した。国民をなめきった政治手法である。

 これに対し、野党は一斉に批判の声をあげた。社民党は自衛隊の即時撤退を求める談話を発表し、共産党は「従来の政府見解に照らしても、憲法違反の何物でもない」との談話を発表した。民主党も「(イラク特措法に代わる)新法をつくらない限り、参加できない。自衛隊は一時撤退すべきだ。」と批判した。
 一方、自民党内からも批判が続出している。橋本元首相は10日の自民党橋本派の会合で、「報道に目を白黒させている。その通りなら大変なことだ」と懸念を示した。また、同党の古賀誠元幹事長も堀内派の会合で「イラク特措法で参加できるということになれば、なし崩し的に自衛隊が海外に派遣される状況が起きないとも限らない」と述べ、多国籍軍参加には新たな法的措置が必要だとの考えを強調した。

 6/8 仏独露中が米英に妥協 
     国連安保理が全会一致でイラク新決議を採択


米の傀儡=「暫定政府」を承認し、
    米軍主導の多国籍軍の駐留継続を承認


反米反占領レジスタンスを含む
     イラク民衆による政権以外に解決の道はない


 国連安保理は8日午後、公式会合を開き、主権移譲後のイラクに関して米英両国が提出した決議案を全会一致で採択した。同決議により、米の傀儡政府である「暫定政府」が承認され、米英と有志連合国による占領軍が衣を変えて多国籍軍としてイラクに駐留し続けることが、国連において承認された。
 イラク民衆の大半が米軍を占領軍とみなして撤退を要求し、反米反占領レジスタンスの戦いが連日続いているイラクの現状から、全くかけ離れたことが国連安保理で進行している。米英のイラク侵略に否定的であった仏独露中も最終的に妥協し、米英のイラク占領・支配の正当化に手を貸した。
 ブッシュ大統領・ブレア首相は大量破壊兵器のウソ、イラク人拘束者虐待などで追い詰められていたが、このイラク新決議によって一息つぐことが出来た。小泉首相もまた、この新決議によって、自衛隊を継続して駐留させる口実が得られ、これもまた一息つぐことが出来た。

 新決議採択にあたっては、米の傀儡である「暫定政府」が重大な役割を果たした。イラク人の代表として、占領軍のイラク駐留に対して「治安維持のため」として「多国籍軍」の駐留を要請した。仏独などが、暫定政府が多国籍軍の軍事行動について「拒否権」を持つことを安保理のイラク新決議に明記するよう求めているのに対し、「暫定政府」首相アラウィは「必要なし」と表明して、米英案を強力に後押しした。これらはイラク民衆の要求とは根本的に異なるものである。

 「暫定政府」がスタートした6月1日からも、また国連新決議が採択されるさなかにも、反米反占領レジスタンスの戦いは少しも弱まっていない。レジスタンス勢力を含むイラク民衆が自らの政治権力を確立する日まで、この闘争は続くに違いない。私たち国際的な反戦運動はこのイラク民衆の戦いを支持し、連帯していかなければならない。とくに、ブッシュ政権をしゃにむに支持し、自衛隊を派兵し続ける小泉政権への闘いは、私たち日本の反戦運動の最大の国際的責務であろう。

 6/6 多国籍軍=占領軍は「イラクの求めにより駐留」 
          イラク暫定政府が国連安保理で表明


暫定政府は、米の傀儡(かいらい)政府
     イラク民衆の正当な代表者ではない!!


 6月1日発足したという「暫定政府」は、早くも米の傀儡(かいらい)政府としての役割を積極的に果たし始めている。占領軍のイラク駐留に対しては、「治安維持のため」として「多国籍軍」の駐留を要請した。これにより、米英など占領軍は、形の上では、「イラクの求めにより駐留する多国籍軍」に生まれ変わることになる。
 また、米英占領軍を、国連による「多国籍軍」と、国際的に認めさせようとする国連安保理新決議が準備されているが、「暫定政府」が国連に参加して、イラクを代表するかのように装い発言をしている。仏独などが、暫定政府が多国籍軍の軍事行動について「拒否権」を持つことを安保理のイラク新決議に明記するよう求めているのに対し、「暫定政府」首相アラウィは「必要なし」と米英占領軍側に立った発言をしている。このことによってわずかの修正で米英提案の新決議の成立の可能性が一挙に高まっている。

 この「暫定政府」は、米によって人選された統治評議会が、米の都合と、統治評議会メンバーの政治的野心の野合によって出来あがったものであり、国連もまたそれを追認している。統治評議会により全会一致で指名された「暫定政府」首相アラウィは、ロンドンを拠点とする反体制派運動に加わった人物で、CIAや英国情報機関の支援を受けて活動していた。イラク戦後にCIAとの太いパイプにより、統治評議会の有力者として影響力を行使している人物である。要するに、米の操り人形なのである。

 「暫定政府」は、全ての外国軍隊の即刻の撤退を願うイラク民衆の立場に敵対し、米のイラクでの権益を擁護するためのものである。そしてブッシュ再選のために、米のイラク戦争泥沼化をカムフラージュするためのものである。イラク民衆はこのような傀儡政府を拒否し、自らの政府を樹立するまで戦い続けるであろう。
 ファルージャを筆頭とする米軍のイラク人虐殺行為を世界に告発するような自らの政府を。アブグレイブ刑務所等での卑劣な拷問・虐待・虐殺行為を告発・責任追及するような自らの政府を。そしてイラクの大地とイラク人が劣化ウランで汚染されてしまったこと、それによる被害が出てきていることを告発・責任追及するような自らの政府を。

 6/5

今年4月5日以降の戦争によるイラク人死者1100人超す
           ――占領軍支配化のイラク保健省の発表でも!!


実際には、もっと多くの人々が殺され、死んでいっている!!

 イラクで米軍がファルージャへ攻撃を始めた4月5日以降、戦闘などで死亡したイラク人は少なくとも1110人に上ることが同国保健省の調べでわかった。バグダッド首都圏と13の州の主要病院からの報告を集計したという。
 しかし、米軍はファルージャでは病院も攻撃し、病院にも行けずに死んでいった人々が多くいることが明らかにされている。ファルージャに限らず、病院に運ばれずに埋葬される場合も多いため、実際はさらに多い人々が犠牲になっているのは確実。同省もそれを認めている。
  一方、報道をもとに民間の犠牲者数を集計している英米の非政府組織「イラク・ボディーカウント」は、イラク戦争開戦以後の死者数を最大で1万1100人余と見積もっている。

 6/4
 6/5
ブッシュ訪欧 大規模反米反戦デモに見舞われる

ローマで15万人、パリでも多数が参加

 ブッシュ米大統領のイタリア訪問に抗議する反米反戦デモが、ローマ市内で4日野党などによって行われ、15万人が参加した。ベルルスコーニ伊政権は戦後、部隊約2700人を派遣しているが、イラク人虐待事件の発覚などから国内では米国の対イラク政策への反対世論が強まっている。

 また5日には、ブッシュ訪仏に抗議してパリ市内で大規模な反米反戦デモが行われた。ブッシュ大統領を戦犯のように描写したTシャツや、「ブッシュはナンバー1のテロリスト」「米軍はイラクから撤退せよ」などと書かれた横断幕を掲げた学生や主婦、会社員らが市内中心部を行進した。
 ノルマンディー上陸作戦60周年の記念式典が一部始まったフランス北部ノルマンディー地方の中心都市カンでも5日午後、約600人の人権団体活動家らが参加し「イラクとチェチェン共和国での戦争と虐殺に反対する」などとして、ブッシュ大統領とプーチン・ロシア大統領の訪問に反対の声を上げた。

 6/3

テネットCIA長官が「個人的な理由」により7月辞任

大量破壊兵器のウソを明確に謝罪した上で辞任せよ!

ブッシュ大統領こそ 国際法違反の戦争責任を取って辞めよ!

 ブッシュ米大統領が、3日、ホワイトハウスで緊急記者会見し、米中央情報局(CIA)のテネット長官が7月中旬に辞任すると発表した。テネット氏はイラク戦争を始める大義とされた大量破壊兵器の存在を強く主張した人物で、その責任をとったと見られるが、表向きは「個人的な理由」によるとされており、ウソによって何万人もの命を奪った戦争の責任を認めていない。再選をめざすブッシュの足かせにならないように辞任させるだけのことに過ぎない。

 まず、テネット氏には大量破壊兵器のウソ・でっち上げを明確に謝罪させなければならない。そのうえで法律の裁きを受けさせるべきである。つぎにテネット氏の辞任によってブッシュ大統領の責任追及があいまいにされてはならない。この大ウソを口実にして戦争をはじめたブッシュの戦争責任・戦争犯罪を徹底的に追及していかなければならない。

 6/3

特定船舶入港禁止法案の衆院通過糾弾!

日本政府こそ日朝平壌宣言を「順守」せよ!


 万景峰号など北朝鮮船舶を念頭においた特定船舶入港禁止特措法案が3日午後の衆院本会議で可決され、参議院に送付された。この法案は本コラムでも何度も指摘してきたように、国際的慣行への違反であり、日朝平壌宣言への裏切りであり、北朝鮮への戦争挑発である。私たちはこの法案の衆院通過を厳しく糾弾する。
 自民・公明の与党に加えて、民主党が、船舶だけではなく航空機も加えるなどの案を提出するなど、終始成立に積極姿勢であり、衆院通過に重大な役割を果たしたことを私たちは絶対に忘れない。

 本法案は、「わが国の平和及び安全の維持のため特に必要があると認めるとき」、閣議決定で期間を定めて、特定の外国の船、特定の外国に寄港した船を入港禁止にすることが出来る。個別の特定の船だけを入港禁止にすることもできる。閣議決定後、20日以内に国会承認を求める必要があり、承認が得られなかった場合は、措置を終了しなければならないことになっている。

 これは、2月に成立した外為法改訂に続く、北朝鮮への経済制裁法案である。経済制裁は戦争挑発以外のなにものでもなく、それは、常に北朝鮮が懸念表明しているとおりである。「平壌宣言を順守する限り、経済制裁は発動しない」と先の日朝首脳会談で確約した直後のこの日本の行為は、両国関係の「不信」や「敵対」以外に何を生むというのであろうか。
 小泉首相の「法案成立と発動は違う」は全く言い訳にもならない。銃口を突きつけての交渉は、平壌宣言の「双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した」に反することは明らかであり、平和憲法の精神に真っ向から対立する外交姿勢である。

 そもそも「平壌宣言を順守する限り・・」などと日本政府は言うが、宣言を反故にして来たのはいつも日本の側からだ。平壌宣言直後には拉致被害者の帰国問題に絡み北朝鮮との約束を破り、その後の国交正常化交渉への歩みを断ち切ったのは日本政府であるし、今回の平壌宣言再確認直後には、今回の経済制裁法である。再度繰り返すが、経済制裁法の国会審議自体が、「双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した」平壌宣言の順守に反することなのである。

 6/1

「多国籍軍参加は可能」と内閣法制局長官が発言

「多国籍軍」への参加は従来政府見解でも憲法違反!


なし崩し的な憲法違反行為を国民は許してはいけない!!
    自衛隊をただちに撤退させよう!


 秋山収内閣法制局長官は1日の参院イラク復興支援・有事法制特別委員会で、多国籍軍への自衛隊の参加問題について、日本が武力を行使せず、他国の武力行使と一体化しないことが確保されれば、参加することは憲法上問題ない――という見解を示した。

 国民がそのような詭弁でだまされるとでも考えているのか。今のイラクの情勢を見れば、「多国籍軍」が治安維持部隊であり、武力行使なしには意味をなさないこと、その「多国籍軍」に自衛隊が参加することは集団的自衛権の行使そのものであることは、火を見るよりも明らかではないか。またまた「後方支援」で逃げ回ろうという魂胆であろうが、いまのイラク国内で「前方」「後方」の区別などつけられるわけがない。 
 これまでの政府見解が、「武力の行使自体を目的、任務とする多国籍軍に参加することは憲法上許されない」(01年12月の津野修内閣法制局長官の国会答弁)としてきたことを覆して、6月末までの「主権移譲後」も自衛隊をイラクにとどめて対米支援を続けたい政府の意向をストレートに示すものである。
 憲法に違反してイラク派兵を行い、さらに憲法に違反して、なし崩し的に「多国籍軍」にも参加という無茶苦茶を国民は黙って許してはいけない。

 6/1

刑務所外でも暴行や窃盗。米軍の戦争犯罪次々明らかに!

これ以上の米軍の暴虐を許すな!


米軍はいますぐイラクから出て行け!

 ニューヨーク・タイムズなどの報道によると、イラク駐留米軍が治安維持の一環として日常的に行っているパトロールや家宅捜索中に、米兵がイラク民間人を暴行したり金品を盗んだとの告発がイラク人らからあり、米陸軍犯罪捜査局が捜査していることが発覚した。国防総省のホイットマン報道官は、捜査が行われていることを認めているという。

 米軍のイラクでの犯罪行為のひとつとして、アブグレイブ刑務所などでの虐待・拷問の実態が暴露されているが、刑務所外でも、すなわち普通のイラク民衆の生活の場にまで、米軍の暴虐は広がっていたということである。

 国防総省高官が明らかにしたという情報では、5月21日までの約15カ月間に、イラク人を対象とした窃盗18件と暴行6件の計24件が、イラク人らから申告され、捜査対象になっている。その後も、新たな犯罪被害の申告が行われているという。ある事例では、イラク人が所有していた現金を「反米活動支援資金」との名目で、検問所で米兵が取り上げたという。この捜査は、申告に基くものであり、氷山の一角であることは容易に想像がつく。
 反米抵抗勢力の武装蜂起が続く中、米軍は治安維持や情報収集などを目的に日々1000件以上のパトロールや家宅捜索を行っているという。