日を追って狙いが明るみに、米の対イラク戦争の目的
米によるイラクの植民地支配


イラク国民がアメリカによるイラクの占領に抗議して連日街頭デモ
米の占領を拒否するイラク国民



アメリカの反帝国主義者グループのニュースを紹介します。



日を追って狙いが明るみに、米の対イラク戦争の目的
Colonial Conquest
米によるイラクの植民地支配
April 29, 2003

http://www.anti-imperialist.org/iraq-colonial-conquest_4-29-03.htmlより翻訳


 連日、イラクの市民は街頭に出て、米軍のイラクからの退去、他国の介入なしに自らの生活を決める国民としての不可侵の権利を要求している。

 しかし、米軍はイラクを去ろうとはしない。それどころか米軍は恒久的な軍事基地を建設しつつある。また米軍は政治、宗教の指導者を逮捕しイラク国民が参加できる政治形態、イラク人民が持とうとする政府のあり方を支配している。4月20日にはイラクにおける陸軍の司令官である陸軍中将のDavid McKiernanは公式に、米当局に逆らういかなるイラクの政党、政治グループも逮捕されるとの警告を発した。更には公式の公布においてMcKiernan は"(米とイラクの)連合のみがイラク内で絶対的な権威を有する"と宣言した。
 
 ハリバートンなどの米国企業は既にイラクの石油を採掘している。数十億ドルにも及ぶ契約が落札し、米政府はこれらの企業に対し戦後のイラクにおいては私有財産権、支払い権が保護されることを約束した。自らこそがイラクにおける唯一の経済的、政治的権威であるということを世界に対し誇らしげに自慢するブッシュ政権は"戦利品は勝利者のものだ"とうそぶいている。

 米国はイラクの占領を利用して中東諸国に脅しをかけ、圧力をかけている。ブッシュ、チェイニー、ラムズフェルトらは、イラク戦争の"デモ効果"を宣伝している。パウエル国務長官は"我々はイラクにおいて成功をおさめた。イラクには新たな活力が生まれている"(ニューヨークタイムズに引用)と述べている。

 ブッシュは既にシリアとイランに対し、"行動を慎まないと"米の侵略に直面するぞと脅しをかけている。イラクに対する戦争はイラク人民を解放したのではなく、軍事的な植民体制を押しつけたのである。

 この戦争は大量破壊兵器の除去を目的に行われたのではない。それどころか米軍は新たな軍事作戦の基地を建設した。数十万人の米軍がアラブの地に圧力をかけており、支配と植民支配という新たな戦争が準備されているのである。

 イラクに対する戦争は米政府が今後数十年間にわたって続くであろうと予測した世界的なテロリズムに対する戦いの中の一戦にすぎない。ブッシュ政権は対イラク戦争を"先制攻撃"という新たなドクトリンの"テストケース"と呼んだ。この新ドクトリンは米国の帝国主義は必要があればいつでもどこでも"核先制攻撃"さえをも含む戦争をしかけると主張するものである。

 イラクのみならず、アフガニスタンも米の植民地化政策に侵略されかつ占領されたのである。イスラエルの軍隊は、米の代理人的な役割を果たしているが、パレスチナを侵略し占領した。過去1年半の間に米帝国主義は東ヨーロッパから中央アジア、中東、アフリカの角(ソマリア付近)にかけて数十もの軍事基地を建設した。米軍はコロンビア、フィリッピンでの対内乱戦争を加速させつつある。また朝鮮半島の軍事化が一層進み、ブッシュは北朝鮮に対し戦争をすると脅しをかけつつある。この"世界に対する戦争"のための軍事費用は増大する一方であり、公的な財産は破産し、健康、教育など公的な用途のための予算が食いつぶされて行っているのだ。

 イラクの占領をもって戦争が終わったのではないのだ。いや、米政府は諸国民に対する更なる戦争を準備しているのだ、アメリカ帝国と権益のための戦争、独占資本者階級の搾取の目的だけで起こされる戦争の準備だ。米帝国主義は世界を戦火に巻き込もうとしているのだ。

 こうした戦争を終わらせることの出来るのは人民の力による勝利だけだ。

 イラク、アフガニスタン、パレスチナ、コロンビア、などの諸国において人々は米の植民地主義と侵攻に反対する運動を組織化している。どの国においても人々が前に出てきている。数百万、数千万もの人々が前に出て米帝国主義の戦争政策に反対しているのだ。

 アメリカにおいても人々は戦争と帝国主義に反対して運動を組織している。

 我々はこの闘いを加速させなければならない。独占資本主義階級とその政党が政府を支配する限りは、こうした侵略戦争が続くのだ。反戦運動の使命は新たな政府に権力をもたらすことに他ならない。戦争と軍国主義という癌を取り除き、米の世界各地での侵略に終止符を打つ民主的な外交政策を実現し、外国に駐留するすべての米国軍隊を撤退させ、すべての国、人々の尊厳を重んじる新たな政府の実現だ。

イラクの占領を止めよ!
米軍は中東から出て行け!
人民こそが米帝国主義の戦争政策を打ち破るのだ!


イラク国民がアメリカによるイラクの占領に抗議して連日街頭デモ
Iraqi People Reject U.S. Occupation
米の占領を拒否するイラク国民
April 29, 2003
http://www.anti-imperialist.org/iraq-no-to-occupation_4-29-03.htmlより翻訳


 4月23日、カルバラにおいて百万を超える人々がアメリカ軍の退去を要求してデモを行った。スローガン、横断幕、そして演説では"占領を拒否。我々にとって必要なのはイラク人民を代表する、人民によって選ばれた政府だ" という主張が繰り返された。

 バクダッドでは米の占領への抗議行動が連日市内のあちこちで行われている。米軍の封鎖部隊のすぐ近くで、米軍が駐屯しているホテル、宮殿の前で、さらには市内の多くのモスクで、数万人におよぶバクダッド市民が米軍に対し即刻退去を要求している。

 4月15日、2万人を下らないイラク市民が "アメリカNO!,フセインNO!"の横断幕を掲げてナシリアの市街を行進した。このデモは米の占領支配勢力が傀儡政権を作りだそうとする試みの一環として計画していた会合と同じ時間に行い、これに反対することを目的として組織されたものである。

 他にも同様な行動がイラク国内の各都市で組織された。

米軍による独裁支配

 しかしながら、米国は、イラクから退去するどころか、軍隊を数ヶ月、場合によっては数年駐留させるばかりか、米当局のみがイラクを支配すると宣言した。4月20日には米の陸軍中将David McKiernan が"(アメリカとイラクとの)連立のみがイラクにおける完全な権限を有する"という軍の布告を宣言した。この布告に続いてすぐに"この布告に反対する者はイラクの指導者といえどもすべて犯罪者とみなし逮捕する"という警告が発せられた。

 4月15日米軍は北部の都市モスルにおいて政治的デモ参加者に発砲、15名のイラク人が殺害され、数百人が負傷した。バクダッドなどの都市では米軍は恐怖支配を行っており米の占領支配に反対する人々を組織的に殴打し、逮捕し、脅しをかけている。4月21日には著名な宗教指導者であるアヤトラ・モハメッド・アル・ファルトゥシ師がカルバラ市への巡礼の途上米軍によって逮捕され彼の5人の側近は両手を背後にしばられ24時間にわたって拘束された。翌日解放されるとただちに、ファルトゥ師は自分達が米軍によって殴られたことを明かにした。

 4月25日、ラムズフェルト国防長官はイラクに出来る新政府は米国の承認を受けなければならず、イランにならった政府はいかなるものでもこれを認めないとの宣言を行った。

 同時にペンタゴンはイラクから亡命していた数百人をイラクに運び入れ、イラクの植民地支配に合法性を与えようとしている。これらの亡命者達はラムズフェルトとウオルフォビッツ国防副長官が選び出した連中である。

 米軍によるイラク占領はアフガニスタンの場合と同様、19世紀のあからさまな植民地支配への逆行に他ならない。

 アメリカ国民はイラクの人々の米軍占領を終わらせ、イラクの人々による自決という尊い権利を取り戻す闘いを全面的に支持しなければならない。