D.I. − A Stateless Film? |
エリア・スレイマン監督主演 Divine Intervention2002年カンヌ映画祭審査員賞・国際批評家連盟賞受賞、シカゴ映画祭シルヴァー・ヒューゴ賞受賞配給 フランス映画社 4月26日から渋谷ユーロスペースで上映 |
2002年カンヌ映画祭で審査員賞・国際批評家連盟賞をダブル受賞した「D・I」は、アラブ系イスラエル人である監督・主演のエリア・スレイマンがみずからの日常体験をギャグとペーソスと精緻な映像のポエジーに昇華させた作品で、いろんな意味で画期的なパレスチナ映画である。パレスチナの映画が国際コンペで受賞したことも快挙なら、その「国籍」ゆえにオスカーに出品できなかったことが呼んだ波紋も大きかった。パレスチナを国として認めず、外国映画部門の対象から除外したハリウッドの対応が、イスラエル寄りの偏見として非難されたのだが、スレイマン監督自身はそういう議論に引き込まれることを迷惑がっていたようだ。そのような文化を戦場にしたアイデンティティ・ポリティクスに対するオルターナティブこそが、この映画が提供しているものだからだろう。 2月25日 (=^o^=)/ |