[資料]特定非営利活動促進法全文 |
1998年3月25日公布
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 特定非営利活動法人
第一節 通則(第三条−第九条)
第二節 設立(第一〇条−第一四条)
第三節 管理(第一五条−第三〇条)
第四節 解散及び合併(第三一条−第四〇条)
第五節 監督(第四一条−第四三条)
第六節 雑則(第四四条・第四五条)
第三章 税法上の特例(第四六条)
第四章 罰則(第四七条−第五〇条)
附則
別表
(目的)
第一条 この法律は、特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等により、ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「特定非営利活動」とは、別表に掲げる活動に該当する活動であって、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものをいう。
2 この法律において「特定非営利活動法人」とは、特定非営利活動を行うことを主たる目的とし、次の各号のいずれにも該当する団体であって、この法律の定めるところにより設立された法人をいう。
一 次のいずれにも該当する団体であって、営利を目的としないものであること。
イ 社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと。
ロ 役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の三分の一以下であること。
二 その行う活動が次のいずれにも該当する団体であること。
イ 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと。
ロ 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものでないこと。
ハ 特定の公職(公職選挙法(昭和二十五年法律第一〇〇号)第三条に規定する公職をいう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とするものでないこと。
第一節 通則
(原則)
第三条 特定非営利活動法人は、特定の個人又は法人その他の団体の利益を目的として、その事業を行ってはならない。
2 特定非営利活動法人は、これを特定の政党のために利用してはならない。
(名称の使用制限)
第四条 特定非営利活動法人以外の者は、その名称中に、「特定非営利活動法人」又はこれに紛らわしい文字を用いてはならない。
(収益事業)
第五条 特定非営利活動法人は、その行う特定非営利活動に係る事業に支障がない限り、その収益を当該事業に充てるため、収益を目的とする事業(以下「収益事業」という。)を行うことができる。
2 収益事業に関する会計は、当該特定非営利活動法人の行う特定非営利活動に係る事業に関する会計から区分し、特別の会計として経理しなければならない。
(住所)
第六条 特定非営利活動法人の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。
(登記)
第七条 特定非営利活動法人は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
(民法の準用)
第八条 民法(明治二十九年法律第八九号)第四三条及び第四四条の規定は、特定非営利活動法人について準用する。
(所轄庁)
第九条 特定非営利活動法人の所轄庁は、その事務所が所在する都道府県の知事とする。
2 特定非営利活動法人で二以上の都道府県の区域内に事務所を設置するものにあっては、その所轄庁は、前項の規定にかかわらず、経済企画庁長官とする。
第二節 設立
(設立の認証)
第一〇条 特定非営利活動法人を設立しようとする者は、総理府令(前条第二項の特定非営利活動法人以外の特定非営利活動法人に係る場合にあっては、都道府県の条例。第二六条第三項及び第四四条第二項を除き、以下同じ。)で定めるところにより、次に掲げる書類を添付した申請書を所轄庁に提出して、設立の認証を受けなければならない。
一 定款
二 役員に係る次に掲げる書類
イ 役員名簿(役員の氏名及び住所又は居所を記載した名簿をいう。)
ロ 各役員の就任承諾書及びそれぞれの住所又は居所を証する書面として総理府令で定めるもの
ハ 第二〇条各号に該当しないこと及び第二一条の規定に違反しないことを各役員が誓う旨の宣誓書の謄本
ニ 役員のうち報酬を受ける者の氏名を記載した書面
三 社員のうち一〇人以上の者の氏名(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名)及び住所又は居所を記載した書面
四 第二条第二項第二号及び第一二条第一項第三号に該当することを確認したことを示す書面
五 設立趣旨書
六 設立者名簿(設立者の氏名及び住所又は居所を記載した名簿をいう。)
七 設立についての意思の決定を証する議事録の謄本
八 設立当初の財産目録
九 事業年度を設ける場合には、設立当初の事業年度を記載した書面
一〇 設立の初年及び翌年(事業年度を設ける場合には、当初の事業年度及び翌事業年度。次号において同じ。)の事業計画書
一一 設立の初年及び翌年の収支予算書
2 所轄庁は、前項の認証の申請があった場合には、遅滞なく、その旨及び次に掲げる事項を公告するとともに、同項第一号、第二号イ、第五号、第一〇号及び第一一号に掲げる書類を、申請書を受理した日から二月間、その指定した場所において公衆の縦覧に供しなければならない。
一 申請のあった年月日
二 申請に係る特定非営利活動法人の名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地並びにその定款に記載された目的
(定款)
第一一条 特定非営利活動法人の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 目的
二 名称
三 その行う特定非営利活動の種類及び当該特定非営利活動に係る事業の種類
四 主たる事務所及びその他の事務所の所在地
五 社員の資格の得喪に関する事項
六 役員に関する事項
七 会議に関する事項
八 資産に関する事項
九 会計に関する事項
一〇 収益事業を行う場合には、その種類その他その収益事業に関する事項
一一 解散に関する事項
一二 定款の変更に関する事項
一三 公告の方法
2 設立当初の役員は、定款で定めなければならない。
3 第一項第一一号に掲げる事項中に残余財産の帰属すべき者に関する規定を設ける場合には、その者は、特定非営利活動法人その他次に掲げる者のうちから選定されるようにしなければならない。
一 国又は地方公共団体
二 民法第三四条の規定により設立された法人
三 私立学校法(昭和二十四年法律第二七〇号)第三条に規定する学校法人
四 社会福祉事業法(昭和二十六年法律第四五号)第二二条に規定する社会福祉法人
五 更正保護事業法(平成七年法律第八六号)第二条第六項に規定する更正保護法人
(認証の基準等)
第一二条 所轄庁は、第一〇条第一項の認証の申請が次の各号に適合すると認めるときは、その設立を認証しなければならない。
一 設立の手続並びに申請書及び定款の内容が法令の規定に適合していること。
二 当該申請に係る特定非営利活動法人が第二条第二項に規定する団体に該当するものであること。
三 当該申請に係る特定非営利活動法人が暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七七号)第二条第二号に規定する暴力団をいう。以下この号において同じ。)又は暴力団若しくはその構成員(暴力団の構成団体の構成員を含む。)の統制の下にある団体でないこと。
四 当該申請に係る特定非営利活動法人が一〇人以上の社員を有するものであること。
2 前項の規定による認証又は不認証の決定は、正当な理由がない限り、第一〇条第二項の期間を経過した日から二月以内に行わなければならない。
3 所轄庁は、第一項の規定により不認証の決定をしたときは、速やかに、理由を付した書面をもって当該申請をした者にその旨を通知しなければならない。
(成立の時期等)
第一三条 特定非営利活動法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
2 特定非営利活動法人は、前項の登記をしたときは、遅滞なく、当該登記をしたことを証する登記簿謄本を添付した届出書を所轄庁に提出しなければならない。
(民法の準用)
第一四条 民法第五一条第一項(法人の設立の時に関する部分に限る。)の規定は、特定非営利活動法人の設立について準用する。
第三節 管理
(役員の定数)
第一五条 特定非営利活動法人には、役員として、理事三人以上及び監事一人以上を置かなければならない。
(理事の代表権)
第一六条 理事は、すべて特定非営利活動法人の業務について、特定非営利活動法人を代表する。ただし、定款をもって、その代表権を制限することができる。
(業務の決定)
第一七条 特定非営利活動法人の業務は、定款に特別の定めのないときは、理事の過半数をもって決する。
(監事の職務)
第一八条 監事は、次に掲げる職務を行う。
一 理事の業務執行の状況を監査すること。
二 特定非営利活動法人の財産の状況を監査すること。
三 前二号の規定による監査の結果、特定非営利活動法人の業務又は財産に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見した場合には、これを社員総会又は所轄庁に報告すること。
四 前号の報告をするために必要がある場合には、社員総会を招集すること。
五 理事の業務執行の状況又は特定非営利活動法人の財産の状況について、理事に意見を述べること。
(監事の兼職禁止)
第一九条 監事は、理事又は特定非営利活動法人の職員を兼ねてはならない。
(役員の欠格事由)
第二〇条 次の各号のいずれかに該当する者は、特定非営利活動法人の役員になることができない。
一 禁治産者又は準禁治産者
二 破産者で復権を得ないもの
三 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わった日又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
四 この法律若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定(同法第三一条第七項の規定を除く。)に違反したことにより、又は刑法(明治四十年法律第四五号)第二〇四条、第二〇六条、第二〇八条、第二〇八条の二、第二二二条若しくは第二四七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六〇号)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わった日又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
五 第四三条の規定により設立の認証を取り消された特定非営利活動法人の解散当時の役員で、設立の認証を取り消された日から二年を経過しない者
(役員の親族等の排除)
第二一条 役員のうちには、それぞれの役員について、その配偶者若しくは三親等以内の親族が一人を超えて含まれ、又は当該役員並びにその配偶者及び三親等以内の親族が役員の総数の三分の一を超えて含まれることになってはならない。
(役員の欠員補充)
第二二条 理事又は監事のうち、その定数の三分の一を超える者が欠けたときは、遅滞なくこれを補充しなければならない。
(役員の変更等の届出)
第二三条 特定非営利活動法人は、その役員の氏名又は住所若しくは居所に変更があったときは、遅滞なくその旨を所轄庁に届け出なければならない。
2 特定非営利活動法人は、役員が新たに就任した場合(任期満了と同時に再任された場合を除く。)において前項の届出をするときは、当該役員に係る第一〇条第一項第二号ロ及びハに掲げる書類を所轄庁に提出しなければならない。
(役員の任期)
第二四条 役員の任期は、二年以内において定款で定める期間とする。ただし、再任を妨げない。
(定款の変更)
第二五条 定款の変更は、定款で定めるところにより、社員総会の議決を経なければならない。
2 前項の議決は、社員総数の二分の一以上が出席し、その出席者の四分の三以上の多数をもってしなければならない。ただし、定款に特別の定めがあるときは、この限りでない。
3 定款の変更(第一一条第一項第四号に掲げる事項に係るもの(所轄庁の変更を伴わないものに限る。)並びに同項第八号及び第一三号に掲げる事項に係るもの(第六項において「軽微な事項に係る定款の変更」という。)を除く。)は、所轄庁の認証を受けなければ、その効力を生じない。
4 特定非営利活動法人は、前項の認証を受けようとするときは、当該定款の変更を議決した社員総会の議事録の謄本及び変更後の定款を添付した申請書を、所轄庁に提出しなければならない。
5 第一〇条第二項及び第一二条の規定は、第三項の認証について準用する。
6 特定非営利活動法人は、軽微な事項に係る定款の変更をしたときは、遅滞なくその旨を所轄庁に届け出なければならない。
第二六条 所轄庁の変更を伴う定款の変更に係る前条第四項の申請書は、変更前の所轄庁を経由して変更後の所轄庁に提出するものとする。
2 前項の場合においては、前条第四項の添付書類のほか、第一〇条第一項第二号イ及び第四号に掲げる書類並びに直近の第二八条第一項に規定する事業報告書等(設立後当該書類が作成されるまでの間は第一〇条第一項第八号に掲げる書類、合併後当該書類が作成されるまでの間は第三五条第一項の財産目録)を申請書に添付しなければならない。
3 第一項の場合において、当該定款の変更を認証したときは、所轄庁は、総理府令で定めるところにより、遅滞なく、変更前の所轄庁から事務の引継ぎを受けなければならない。
(会計の原則)
第二七条 特定非営利活動法人の会計は、この法律に定めるもののほか、次に掲げる原則に従って、行わなければならない。
一 収入及び支出は、予算に基づいて行うこと。
二 会計簿は、正規の簿記の原則に従って正しく記帳すること。
三 財産目録、貸借対照表及び収支計算書は、会計簿に基づいて収支及び財政状態に関する真実な内容を明りょうに表示したものとすること。
四 採用する会計処理の基準及び手続については、毎年(事業年度を設けている場合は、毎事業年度。次条第一項及び第二九条第一項において同じ。)継続して適用し、みだりにこれを変更しないこと。
(事業報告書等の備置き等及び閲覧)
第二八条 特定非営利活動法人は、毎年初めの三月以内に、総理府令で定めるところにより、前年(事業年度を設けている場合は、前事業年度。以下この項において同じ。)の事業報告書、財産目録、貸借対照表及び収支計算書(次項、次条及び第四三条第一項において「事業報告書等」という。)並びに役員名簿(前年において役員であったことがある者全員の氏名及び住所又は居所を記載した名簿をいう。)、当該役員名簿に記載された者のうち前年において報酬を受けたことがある者全員の氏名を記載した書面並びに社員のうち一〇人以上の者の氏名(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名)及び住所又は居所を記載した書面(次項、次条及び第四三条第一項において「役員名簿等」という。)を作成し、これらを、その年の翌々年(事業年度を設けている場合は、翌々事業年度)の末日までの間、主たる事務所に備え置かなければならない。
2 特定非営利活動法人は、その社員その他の利害関係人から事業報告書等(設立後当該書類が作成されるまでの間は第一〇条第一項第八号に掲げる書類、合併後当該書類が作成されるまでの間は第三五条第一項の財産目録。次条第二項において同じ。)、役員名簿等又は定款若しくはその認証若しくは登記に関する書類の写し(次条及び第四三条第一項において「定款等」という。)の閲覧の請求があった場合には、正当な理由がある場合を除いて、これを閲覧させなければならない。
(事業報告書等の提出及び公開)
第二九条 特定非営利活動法人は、総理府令で定めるところにより、毎年一回、事業報告書等、役員名簿等及び定款等(その記載事項に変更があった定款並びに当該変更に係る認証及び登記に関する書類の写しに限る。)を所轄庁に提出しなければならない。
2 所轄庁は、特定非営利活動法人から提出を受けた事業報告書等若しくは役員名簿等(過去三年間に提出を受けたものに限る。)又は定款等について閲覧の請求があった場合には、総理府令で定めるところにより、これを閲覧させなければならない。
(民法の準用)
第三〇条 民法第五四条から第五七条まで及び第六〇条から第六六条までの規定は、特定非営利活動法人の管理について準用する。この場合において、同法第五六条中「裁判所ハ利害関係人又ハ検察官ノ請求ニ因リ」とあるのは、「所轄庁ハ利害関係人ノ請求ニ因リ又ハ職権ヲ似テ」と読み替えるものとする。
第四節 解散及び合併
(解散事由)
第三一条 特定非営利活動法人は、次に掲げる事由によって解散する。
一 社員総会の決議
二 定款で定めた解散事由の発生
三 目的とする特定非営利活動に係る事業の成功の不能
四 社員の欠亡
五 合併
六 破産
七 第四三条の規定による設立の認証の取消し
2 前項第三号に掲げる事由による解散は、所轄庁の認定がなければ、その効力を生じない。
3 特定非営利活動法人は、前項の認定を受けようとするときは、第一項第三号に掲げる事由を証する書面を、所轄庁に提出しなければならない。
4 清算人は、第一項第一号、第二号、第四号又は第六号に掲げる事由によって解散した場合には、遅滞なくその旨を所轄庁に届け出なければならない。
(残余財産の帰属)
第三二条 解散した特定非営利活動法人の残余財産は、合併及び破産の場合を除き、所轄庁に対する清算結了の届出の時において、定款で定めるところにより、その帰属すべき者に帰属する。
2 定款に残余財産の帰属すべき者に関する規定がないときは、清算人は、所轄庁の認証を得て、その財産を国又は地方公共団体に譲渡することができる。
3 前二項の規定により処分されない財産は、国庫に帰属する。
(合併)
第三三条 特定非営利活動法人は、他の特定非営利活動法人と合併することができる。
(合併手続)
第三四条 特定非営利活動法人が合併するには、社員総会の議決を経なければならない。
2 前項の議決は、社員総数の四分の三以上の多数をもってしなければならない。ただし、定款に特別の定めがあるときは、この限りでない。
3 合併は、所轄庁の認証を受けなければ、その効力を生じない。
4 特定非営利活動法人は、前項の認証を受けようとするときは、第一項の議決をした社員総会の議事録の謄本を添付した申請書を、所轄庁に提出しなければならない。
5 第一〇条及び第一二条の規定は、第三項の認証について準用する。
第三五条 特定非営利活動法人は、前条第三項の認証があったときは、その認証の通知のあった日から二週間以内に、財産目録及び貸借対照表を作成し、次項の規定により債権者が異議を述べることができる期間が満了するまでの間、これをその主たる事務所に備え置かなければならない。
2 特定非営利活動法人は、前条第三項の認証があったときは、その認証の通知のあった日から二週間以内に、その債権者に対し、合併に異議があれば一定の期間内に述べるべきことを公告し、かつ、判明している債権者に対しては、各別にこれを催告しなければならない。この場合において、その期間は、二月を下回ってはならない。
第三六条 債権者が前条第二項の期間内に異議を述べなかったときは、合併を承認したものとみなす。
2 債権者が異議を述べたときは、特定非営利活動法人は、これに弁済し、若しくは相当の担保を供し、又はその債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社若しくは信託業務を営む銀行に相当の財産を信託しなければならない。ただし、合併をしてもその債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
第三七条 合併により特定非営利活動法人を設立する場合においては、定款の作成その他特定非営利活動法人の設立に関する事務は、それぞれの特定非営利活動法人において選任した者が共同して行わなければならない。
(合併の効果)
第三八条 合併後存続する特定非営利活動法人又は合併によって設立した特定非営利活動法人は、合併によって消滅した特定非営利活動法人の一切の権利義務(当該特定非営利活動法人がその行う事業に関し行政庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を含む。)を承継する。
(合併の時期等)
第三九条 特定非営利活動法人の合併は、合併後存続する特定非営利活動法人又は合併によって設立する特定非営利活動法人の主たる事務所の所在地において登記をすることによって、その効力を生ずる。
2 第一三条第二項の規定は、前項の登記をした場合について準用する。
(民法等の準用)
第四〇条 民法第六九条、第七〇条、第七三条から第七六条まで、第七七条第二項(届出に関する部分に限る。)及び第七八条から第八三条まで並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第一四号)第三五条第二項、第三六条、第三七条ノ二、第一三六条から第一三七条まで及び第一三八条の規定は、特定非営利活動法人の解散及び清算について準用する。この場合において、民法第七七条第二項及び第八三条中「主務官庁」とあるのは、「所轄庁」と読み替えるものとする。
第五節 監督
(報告及び検査)
第四一条 所轄庁は、特定非営利活動法人が法令、法令に基づいてする行政庁の処分又は定款に違反する疑いがあると認められる相当な理由があるときは、当該特定非営利活動法人に対し、その業務若しくは財産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、当該特定非営利活動法人の事務所その他の施設に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 所轄庁は、前項の規定による検査をさせる場合においては、当該検査をする職員に、同項の相当の理由を記載した書面を、当該特定非営利活動法人の役員その他の当該検査の対象となっている事務所その他の施設の管理について権限を有する者(以下この項において「特定非営利活動法人の役員等」という。)に提示させなければならない。この場合において、当該特定非営利活動法人の役員等が当該書面の交付を要求したときは、これを交付させなければならない。
3 第一項の規定による検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
4 第一項の規定による検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(改善命令)
第四二条 所轄庁は、特定非営利活動法人が第一二条第一項第二号、第三号又は第四号に規定する要件を欠くに至ったと認めるときその他法令、法令に基づいてする行政庁の処分若しくは定款に違反し、又はその運営が著しく適正を欠くと認めるときは、当該特定非営利活動法人に対し、期限を定めて、その改善のために必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
(設立の認証の取消し)
第四三条 所轄庁は、特定非営利活動法人が、前条の命令に違反した場合であって他の方法により監督の目的を達することができないとき又は三年以上にわたって第二九条第一項の規定による事業報告書等、役員名簿等又は定款等の提出を行わないときは、当該特定非営利活動法人の設立の認証を取り消すことができる。
2 所轄庁は、特定非営利活動法人が法令に違反した場合において、前条の命令によってはその改善を期待することができないことが明らかであり、かつ、他の方法により監督の目的を達することができないときは、同条の命令を経ないでも、当該特定非営利活動法人の設立の認証を取り消すことができる。
3 前二項の規定による設立の認証の取消しに係る聴聞の期日における審理は、当該特定非営利活動法人から請求があったときは、公開により行うよう努めなければならない。
4 所轄庁は、前項の規定による請求があった場合において、聴聞の期日における審理を公開により行わないときは、当該特定非営利活動法人に対し、当該公開により行わない理由を記載した書面を交付しなければならない。
第六節 雑則
(情報の提供)
第四四条 経済企画庁長官は、第九条第二項の特定非営利活動法人の事務所が所在する都道府県の知事に対し、第二九条第二項の閲覧に係る書類の写し(この項の規定により既に送付したものを除く。)を送付しなければならない。
2 第九条第二項の特定非営利活動法人は、総理府令で定めるところにより、前項の書類の写しを経済企画庁長官に提出しなければならない。
3 都道府県の知事は、条例で定めるところにより、第一項の規定により送付を受けた書類の写しを閲覧させることができる。
(実施規定)
第四五条 この章に定めるもののほか、この章の規定の実施のための手続その他その執行に関し必要な細則は、総理府令で定める。
第四六条 特定非営利活動法人は、法人税法(昭和四十年法律第三四号)その他法人税に関する法令の規定の適用については、同法第二条第六号に規定する公益法人等とみなす。この場合において、同法第三七条の規定を適用する場合には同条第三項中「公益法人等」とあるのは「公益法人等(特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する法人(以下「特定非営利活動法人」という。)を除く。)」と、同条第四項中「公益法人等」とあるのは「公益法人等(特定非営利活動法人を除く。)」と、同法第六六条の規定を適用する場合には同条第一項及び第二項中「普通法人」とあるのは「普通法人(特定非営利活動法人を含む。)」と、同条第三項中「公益法人等」とあるのは「公益法人等(特定非営利活動法人を除く。)」と、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二六号)第六八条の六の規定を適用する場合には同条中「みなされているもの」を「みなされているもの(特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する法人については、小規模な法人として政令で定めるものに限る。)」とする。
2 特定非営利活動法人は、消費税法(昭和六十三年法律第一〇八号)その他消費税に関する法令の規定の適用については、同法別表第三に掲げる法人とみなす。
3 特定非営利活動法人は、地価税法(平成三年法律第六九号)その他地価税に関する法令の規定(同法第三三条の規定を除く。)の適用については、同法第二条第六号に規定する公益法人等とみなす。ただし、同法第六条の規定による地価税の非課税に関する法令の規定の適用については、同法第二条第七号に規定する人格のない社団等とみなす。
第四七条 第四二条の規定による命令に違反した者は、五〇万円以下の罰金に処する。
第四八条 特定非営利活動法人の代表者又は代理人、使用人その他の従業者が、その特定非営利活動法人の業務に関して前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その特定非営利活動法人に対しても同条の刑を科する。
第四九条 次の各号の一に該当する場合においては、特定非営利活動法人の理事、監事又は清算人は、二〇万円以下の過料に処する。
一 第七条第一項の規定による政令に違反して、登記することを怠ったとき。
二 第一四条において準用する民法第五一条第一項の規定に違反して、財産目録を備え置かず、又はこれに記載すべき事項を記載せず、もしくは不実の記載をしたとき。
三 第二三条第一項又は第二五条第六項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
四 第二八条第一項の規定に違反して、書類を備え置かず、又はこれに記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。
五 第二九条第一項の規定に違反して、書類の提出を怠ったとき。
六 第三五条第一項の規定に違反して、書類の作成をせず、又はこれに記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。
七 第三五条第二項又は第三六条第二項の規定に違反したとき。
八 第四〇条において準用する民法第七〇条第二項又は第八一条第一項の規定に違反して、破産宣告の請求をしなかったとき。
九 第四〇条において準用する民法第七九条第一項又は第八一条第一項の規定に違反して、公告をせず、又は不正の公告をしたとき。
第五〇条 第四条の規定に違反した者は、一〇万円以下の過料に処する。
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(検討)
2 特定非営利活動法人制度については、この法律の施行の日から起算して三年以内に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。
(経過措置)
3 この法律の施行の日から六月を経過する日までの間に行われた第一〇条第一項の認証の申請についての第一二条第二項の規定の適用については、同項中「二月以内」とあるのは、「この法律の施行後十月以内」とする。
(地方税法の一部改正)
4 地方税法(昭和二十五年法律第二二六号)の一部を次のように改正する。
第二四条第五項中「地縁による団体並びに」を「地縁による団体、」に改め、「政治団体」の下に「並びに特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する法人」を加える。
第五二条第二項第三号中「地縁による団体並びに」を「地縁による団体、」に改め、「政治団体」の下に「並びに特定非営利活動促進法第二条第二項に規定する法人」を加える。
第五三条第一二項中「公益法人等」の下に「(特定非営利活動促進法第二条第二項に規定する法人を含む。)」を加える。
第七二条の五第一項に次の一号を加える。
一二 特定非営利活動促進法第二条第二項に規定する法人
第二九四条第七項、第三一二条第三項第三号及び第七〇一条の三四第二項中「地縁による団体並びに」を「地縁による団体、」に改め、「政治団体」の下に「並びに特定非営利活動促進法第二条第二項に規定する法人」を加える。
(経済企画庁設置法の一部改正)
5 経済企画庁設置法(昭和二十七年法律第二六三号)の一部を次のように改正する。
第四条第一〇号の次に次の一号を加える。
一〇の二 特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)の施行に関する事務を処理すること(都道府県の事務に属するものを除く。)。
第五条第六号の次に次の一号を加える。
六の二 特定非営利活動促進法に基づく所轄庁としての権限並びに同法の委任に基づく総理府令の制定及び改廃について内閣総理大臣を補佐すること。
一 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
二 社会教育の推進を図る活動
三 まちづくりの推進を図る活動
四 文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
五 環境の保全を図る活動
六 災害救援活動
七 地域安全活動
八 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
九 国際協力の活動
一〇 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
一一 子どもの健全育成を図る活動
一二 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動