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古くは1960年代にレイチェル・カーソンが「沈黙の春」を出版し、DDT の生物毒性について訴えました。これは産業界の集中砲火を浴びひどい中傷が行われました。しかし、結局カーソンの主張は受け入れられ、DDT の製造と使用が禁止されて、カーソンの憂慮は現実のものにならずに済みました。
いま、この "Our Stolen Future" に書かれている内容についての幅広い科学の分野での検討と、政治的な対策がともに必要とされているのではないでしょうか。
このホームページは、この問題について訴え、みなさんとともにその対策を考えるきっかけともなればと思って開設しました。
科学文明は、人間がより幸せな暮らしをすることに多大な貢献をしてきましたが、その副産物としての環境破壊をももたらしたことは、いまや万人の認めるところです。科学に携わる研究者、技術者は、すべからく、自らが生み出したいろいろな製造物が、環境にたいしてどの程度の破壊力を持つのかを正しく評価し、その対策のために努力することが求められているといえるでしょう。
そうした意味では、化学合成物質が環境中でどのように化学変化し(あるいは化学変化を起こさず)、その結果それが生物に取り込まれた時にどのような作用を及ぼすのか、といった分野の研究「環境毒物学」は、科学界全体の「製造物責任」として、もっと広範にとりくまれなければならない課題です。しかもこれは、有機化学、無機化学、分析化学、動物生理学、植物生理学、病理学、解剖学、薬理学、農芸化学、土壌学、海洋学、生態学、統計学、数値解析学、さらには、環境経済学、政治学、社会学など、ありとあらゆる学問分野からのアプローチがなされなければ、真に解明できない問題であると言って過言ではありません。