国土交通省―空港公団は、暫定滑走路の供用開始を4月18日と決め、東峰住民の頭上にジェット旅客機を飛ばそうとしています。 暫定滑走路が供用されれば、中型ジェット旅客機が早朝6時から夜の11時まで、着陸時には民家の頭上40メートルのところを進入してくることになり、計画通りだとすれば、年間発着枠65,000回、一日当たり180回繰り返されることになるのです。 離着陸時の騒音、衝撃、排気ガス、さらには墜落や落下物の危険性はまさに想像を絶するものです。このような滑走路の供用は住民の健康や、野菜作り・養鶏などの農業生産に被害を及ぼし、住民の生命の危険さえも生じさせる重大な人権侵害であり、暴力行為そのものであり、断じて許すことはできません。 1999年5月、「平行滑走路(2500メートル)の2000年完成断念」を発表した運輸省(当時)―公団は、その直後に一方的に突然暫定滑走路計画を発表しました。これは用地内に反対農家がいる南側をさけて、北側に800メートル延長して2180メートルの暫定滑走路を建設するというものでした。 運輸省−公団は地元住民の反対の声を無視して、99年12月に着工式を行い、軒先工事を強行し、2001年6月には「飛行機の進入面から突き出していて邪魔になる」として強盗同然の手口で東峰神社の立ち木を抜き打ち的に伐採し、そして10月15日から12月12日にかけてYS11機による試験飛行を行ってきました。 試験飛行では住民の頭上40メートルを進入させる南側からの降下検査を行い、近くで見ていた人が「民家にぶつかるかと思った」というほどの超低空を飛ばしました。その時の騒音は最大104デシベルで「電車のガード下並」ということでしたが、それはあくまで試験機YS11機のことで、実際に飛ぶ中型ジェット旅客機の機体の大きさは2倍もあり、その騒音はさらにすさまじいものになります。 公団は当初「すでに供用している滑走路でデーターはあるからジェット機による慣熟飛行は必要ない」といっていましたが、滑走路北側の騒音地区の住民から「実際に使用される機種を飛ばさないと騒音の程度がわからないから飛ばしてほしい」という要望があるとして、2月頃にジェット機を飛ばそうとしています。これら一連の行為はすべて用地内東峰の住民・地権者追い出しが目的です。住民が生活するのに困難な状況を作り出し、買収−移転に応じさせるための悪辣な攻撃であり、三里塚空港決定以来、一貫して繰り返された住民無視の暴挙なのです。 国土交通省―空港公団は、11月22日暫定滑走路の完工式を行いました。そこで中村徹公団総裁は「地域や地権者と話し合い、同じ気持ち、目線に立つという基本的な考え方(でやってきた)……。公共事業の民主主義的な方法で完成に至ったことは、成田空港三十年の歴史の中で大変意義深いこと」などと恥ずかしげもなく語っています。これまでやってきた事のどこが住民と「同じ気持ち、目線」「民主主義的な方法」なのでしょうか。 さらに、「世界との競争力をもてる空港にしていく必要はある。これまでと同じやり方、考え方でいけば夢はかなう」と述べました。これは、これまで同様住民の存在を無視して、強権的なやり方で空港建設を推し進めて行くという宣言にほかなりません。政府―公団は住民を追い出し、当初計画の2500メートルと、既に北側に延長した800メートル合わせて3300メートルの平行滑走路を完成させることを目論んでいます。 東峰の住民・地権者は敵の暴力的な叩き出し攻撃に屈せず、断固として買収・移転を拒み闘い続けています。東峰の石井紀子さんは「一番機が飛んだら出ていくだろうという魂胆が丸見えで、ますます負けられないという気持ちになります。」と決意を述べています。石井武さんも「4月18日の供用開始は絶対に許すことはできない。供用阻止の闘いには全国から最大限結集してほしい」と政府―公団への怒りを込めて訴えています。 三里塚暫定滑走路供用阻止の闘いは「戦争できる国家」作りをめざす小泉政権打倒の闘いとの結合がもとめられています。日本政府はアメリカ帝国主義のアフガニスタン報復侵略戦争に自衛隊派兵をもって参戦し、一挙的な戦争国家体制確立をめざしています。12月23日の海上自衛隊、保安庁による公海上での銃撃・撃沈攻撃はまさにその一環です。 現在成田空港からは半年ごとにゴラン高原へのPKO派兵がおこなわれていますが、さらにアフガニスタン、東チモールへのPKO(PKF)派兵をめざす政府は、自衛隊員・軍需物資の輸送拠点として成田空港の使用を目論んでいます。三里塚空港の軍事拠点化を許さない闘いは重要な課題です。 政府―公団、千葉県や成田市、芝山町をはじめとする周辺の空港推進をめざす利権集団の策動をはねのけ、圧力に屈せず闘い抜いている三里塚・東峰住民と連帯し、4・18暫定滑走路供用阻止闘争に結集しよう! そして、4・18にむけて共に現地に結集するうねりを全国で作り出そう! 2002年1月14日 連絡先:〒101−0061千代田区三崎町2-2-13 三崎信愛ビル502号室 じゃがいもの会気付 電話は現地=労活評・山崎方 0479(78)0039
東峰現地行動報告 三里塚―小泉よねさんへの強制代執行に対する訴訟に決着 三里塚で旗開き 羽田国際化をめぐる対立と三里塚闘争の課題 11.12東峰住民と連帯して現地行動 |