ヨーロッパ旅行(報告編)


◆ さよなら、パリ ◆


中へ入ってみると幸運なことに、オルガニストが練習をしていた。
最初は弱い音色で弾いていて、まるで甘いフランス語のような
うっとりするような発音と音色だった。
オルガンは、その国の文化そのものを体現していると言っても
決して過言ではない。

不思議なことに、そして当たり前なことに
フランスオルガンはフランス語の響きだし(もごもご・・)
ドイツオルガンは、はっきりと明確(質実剛健?)
イタリアオルガンは、まるで歌のように明るく楽しい音色。
その違いに気付くと、またオルガンの堪能もさらに深まると思う。






祭壇後ろから、オルガンを撮影。
祈りのスペースもあったので、椅子に座って
うっとりとこの光景をひたすら眺めていた。



<Eglise de la Trinite a Paris>
Fresque de Jobbe-Duval
Grand orgue Cavaille−Coll




トリニテ教会オルガンの構造や詳細は
こちらのサイトがお薦め♪ (英文)



グラントルグ(大オルガン)全景。
まさにオルガンは、建物の一部と言うことがよく分かる。
素晴らしいバランスと調和である。

決してものすごく大きなオルガンではないのだが、
さすがメシアンがオルガニストを勤めた教会だけあって
音色がとにかく絶品♪♪
最初は控えめに鳴っていた楽器も、
私たちが聖堂を出る頃には、絶叫していた。
本当に楽器が、喜ばしくも叫んでいたのだ!

楽器が素晴らしいからメシアンのインスピレーションが冴えたのか、
それともメシアンが素晴らしいから楽器がさらによい音を
奏でるようになったのか・・うーん。
もしかして、両方かな? ♪ d(⌒o⌒)b♪


● 後日談 ●
現在のトリニテ教会オルガニストは、世界的にも著名な作曲家で
オルガニストのナジ・ハキムだそうです。
今思うに、あの素晴らしい演奏はハキムだったのでは?
思い出すだけで、ドキドキします♪
■ハキム公式サイト(日本語)
■オルガニスト井上圭子さんトリニテ教会訪問記
■メシアン作品リスト



オルガン曲で偉大な作曲家の作品、
例えばメシアンやレーガーなどは、個人的思いではあるが
ある一定の年齢や成熟度を増さないと演奏できないように思う。
その年齢や状況で、ふさわしい演奏や作品・作曲家と言うものが
自然と与えられる。これは曲がりなりにも演奏家としての
自覚を持つものにとっては、嬉しいことだ。

大学を卒業後、数年たってからようやくレーガーの作品に
取り組み、大きな作品ではないが何曲か演奏した。
しかしメシアンは、大学当時は難解にも思えて
よく分からなかった。「すごい」とは思ったが
本当のすごさも理解していなかったのだろうし、
自分のものにする自信もあまりなかった。

初めてのフランス訪問を終えて、幸いにもメシアンが長らく
オルガニストを勤めたトリニテ教会を訪問し
ようやくメシアンの曲に初めて取り組んでいる。
私の中で、彼との親近感や精神的距離がとても増し
そしてたどたどしくも練習する中に、彼の深い精神性や
jazzっぽいような遊びの部分、古くからのカトリック典礼歌の
リズムなど、様々な要素を感じ取れるようになった。
今年のクリスマス・コンサートでは、メシアンの初演奏に挑む。




祭壇の近くにも、小さなオルガンが。
これは何となく、明るい音色がしそうだなぁ・・。(/^o^)/♪





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