コロンビア発ニュース2件

2005年10月
WWW4レポート


メデジン:準軍組織の解散はイカサマだ

9月1日、アムネスティ・インターナショナル(AI)は新たな報告書を発表し、コロンビア政府が進めている右派準軍組織の解散の方略は、「最悪の人権侵害行為を犯した者たちの一部が、殺人と失踪、拷問をほとんど完全に不処罰のまま続けることができることが確実な・・・・・・恐れがある」と述べている。同報告はメデジン----コロンビア第二の都市でアンティオキア州の州都である----に焦点を当てている。メデジンでは、2003年11月に準軍組織ブロケ・カシケ・ヌティバラ(BCN)のメンバー860人が解散したとされているが、それは「致命的な幻想であることが明らかになった」。

同報告によると、メデジンの準軍組織は軍隊として活動を続けており、人権活動家や地元のコミュニティ・アクティビストを殺したり脅迫したりし、新兵をリクルートし、政府治安部隊と共同で活動している。けれども、これまでのように大規模で重武装した軍服を着たグループとして活動しているのではなく、私営の治安企業の職員であるという装いのもとに活動を続けたり、治安部隊の通報者として活動している。

アムネスティ・インターナショナルのコロンビアの調査員マルセロ・ポラックは「正義と平和法」----コロンビア議会が2005年6月に承認した----と政令128を激しく避難した。これらは、準軍組織の全国的な「解散」プロセスの法的枠組みを規定している。「正義と平和法は、準軍組織のメンバー----殺人や誘拐、『失踪』、拷問を行なったものさえも----を治安要員や市民警察、通報者に再雇用する道を開いた」とポラックは言う。アムネスティ・インターナショナルは、コロンビア政府に、解散プロセスを修繕し、とりわけ、犠牲者とその親族が心理と正義と補償を受ける権利を保証し、また解散した戦闘員が紛争に「再利用」されないことを保証するよう呼びかけた。アムネスティ・インターナショナルはまた、国際社会に対し、コロンビア政府がそうした手段を実行に移すまでは準軍組織の解散プロセスを政治的・経済的に支援しないよう呼びかけた。

過去20年にわたり、コロンビアの武力紛争により少なくとも7万人の命が失われた。その大部分は、戦闘で殺された民間人である。また、1985年以来、国内難民化した人の数は300万人以上にのぼる。それ以外に何万人もの民間人が拷問を受けたり、誘拐されたり、失踪している。これらの人権侵害の大部分は、政府軍の後押しを受けた準軍組織により犯されている。最新の数値によると、2002年12月、コロンビア自警軍連合(AUC)が準軍組織の一方的「停戦」を宣言して以来も、準軍組織により2300人が誘拐され失踪している。

2003年7月のサンタ・フェ・デ・ラリト合意のもとで、AUCは2005年末までに戦闘員を全員解隊することで合意している。これまでに8000人以上の準軍組織兵士が除隊したと報ぜられている。BCN兵士の除隊は、関連するが別のプロセスとして実現されたので、この数には入っていない(アムネスティ・インターナショナル・ニュース・リリース 9月1日)

報告書はhttp://web.amnesty.org/library/index/engamr230192005Onから入手できる。


バランカベルメハ:労働組合員がさらに殺される

8月20日、金で雇われた殺し屋が、労働組合活動家マヌエル・アントニオ・フロレスを射殺した。バランカベルメハ市郊外、コロンビア東部のサンタンデル州マグダレナ・メディオ地区のジャニト村に向かう路上でのことである。フロレスは産業農業労働者全国組合(Sintrainagro)の組合員で、アブラヤシを作っている会社オレアヒノサス・ラス・ブリサスで働いていた。労働組合総同盟(CUT)のバランカベルメハ支部は、この殺害を、「アレヴァロ・ウリベ大統領の政府と交渉した枠組みにおいてコロンビア自警軍連合(AUC)が遵守すると述べた停戦をさらに侵害するもの」と発表した。

「コロンビア政府は声を大にして[AUCの]中央ボリヴァル・ブロックの解隊を喧伝しているが、『フリアン・ボリヴァル』と『エルネスト・バエス』が率いる準軍組織は、政府のお墨付きのもとでマグダレナ・メディオ地区の労働組合運動を完全に殲滅するという聖戦を続けている」とCUTは言う。

CUTはまた、8月21日、バランカベルメハ近くで、ヤシ会社ブカレリアで働いていたホセ・グアルドロンが拉致された殺害されたと発表している。彼の遺体は8月24日に発見された。プエルト・ウィルチェスからブカレリア社の土地へと続く道のヤシ・プランテーションで、葉に覆われていた(CUTバランカベルメハ、日付なし、コロンビア・インディメディアに8月30日にポストされたもの)。


コロンビアについては、フォト・ジャーナリスト岡原功祐さんが、写真をウェブサイトで公開しています。ぜひご覧下さい。

また岡原功祐さんの写真展(ダルフール内戦)が、2005年11月29日(火)から12月5日(月)まで新宿エルタワー28F・ニコンプラザ新宿内Nikon Stationで、2006年3月30日(木)から4月4日(火)まで新サンケイビル1F・ニコンプラザ大阪内Nikon Stationで開催されます。ぜひお出かけ下さい。

イラク・ホープ・ネットの高遠さんが、9月末から各地で講演を行います。詳細は、イラク・ホープ・ダイアリーをご覧下さい。

東京では、以下のような講演会があります。

■イラク「命の水」プロジェクト緊急報告会

[報告]高遠菜穂子(イラク支援ボランティア)
    相沢恭行(PEACE ON)
    細井明美(Riverbend Project)
    佐藤真紀(JIM-NET)


[日時]10月8日(土) 午後6時(開場5時半)
[会場]東京・文京区民センター 2B会議室
   (三田線・大江戸線春日駅2分、丸の内線・南北線後楽園駅5分)
[参加費]500円

■国連を変える 世界を変える
 〜脱軍事化をめざすNGOの挑戦〜

[講師]川崎 哲さん(ピースボート共同代表)

[日時]10月7日(金) 午後6時半
[会場]東京・文京区民センター 3階B会議室
   (三田線・大江戸線春日駅2分、丸の内線・南北線後楽園駅5分)
[参加費]700円(会員500円)

<主催> 国連・憲法問題研究会
[連絡先]東京都千代田区富士見1-3-1上田ビル210
 (TEL) 03-3264-4195 (FAX) 03-3239-4409

益岡賢 2005年10月7日

一つ上] [コロンビア・ページ] [トップ・ページ