詩人、コロンビアについて語る
私がコカコーラの金を拒否した理由
マルティン・エスパダ
2005年3月26日
CounterPunch原文
カンサス大学で今夜(3月10日)私が行う詩の朗読会の協賛には、コカコーラ社が含まれている。カンサス大学寄付基金を通してのものである。この問題を真面目に考えた末、私はコカコーラ社の資金を受け取ることはできないとの結論に達した。同社のコロンビアにおける労働者への振舞いのためである。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、世界中で殺されている労働組合員の90%はコロンビアで殺されている。コロンビアでは、何千人もの労働組合活動家が準軍組織に標的とされ、殺されてきた。さらに何千人もが、拷問されたり、拉致されたり、殺害脅迫を受けた。
コロンビアにおけるコカコーラ工場の労働者を代表しているのは全国食品飲料労働者組合SINALTRAINALである。この組合の多くの人々が殺された。ニューヨーク市議会のヒラム・モンセラテが率いる事実調査使節は、コカコーラ社の工場で179件の深刻な人権侵害があったことを認めている。そのうち9件は殺人である。組合の委員長イシドロ・ヒルは、まさにカレパ工場で射殺された。準軍組織はそれから同じカレパ工場に戻って、むりやり多くの人々を組合から脱退させた。組合の指導者たちをはじめとする人々は、コロンビアのコカコーラ工場の経営者たちが、組合を弾圧するために準軍組織と共謀していると批判している。彼らは、準軍組織が工場に入ってくることは、経営陣の共謀がなければ不可能であることを指摘している。
コカコーラ社は労働組合員をきちんと守らなくてはならない。同社は工場経営者陣と準軍組織のリンクを調査しなくてはならない。コカコーラ社は、コロンビア労働者たちが被る人権侵害に対する独立調査に協力しなくてはならない。同社は、こうした告発に、怒りの声をブツブツ言って誤魔化すかわりに、責任をとらなくてはならない。他の人々の悲惨から得られる利益が問題となるとき、ブツブツ怒りの声を言うだけでは十分ではない。
コロンビアにおけるコカコーラ社の労働者に対する態度をめぐる嫌な問題にコカコーラ社が答えない限り、コカコーラ社から金を受け取ったり私の名前が同社と関係したりすることを良心にやましくなく認めることはできない。これは個人的な決定であり、カンサス大学寄付基金をはじめとするカンサス大学への私の訪問に共催した誰とも関係ない。私はこれらの問題の専門家ではないけれど、この問題について知り、私なりに倫理的な立場をとろうと試みている。
最も簡単なのは、コカコーラ社の金を拒絶することであるが、私は象徴的行動以上のことをしたい。私は、今夜の朗読会にコカコーラが出資した全額----200ドル----を、コロンビアの全国食品飲料労働者組合、SINALTRAINALに寄付する。コカコーラ社は、コロンビアで暴力により壊滅状態に追いやられた労働組合に私が資金援助をすることに反対すべきではない。詩人にとって200ドルを放棄することは容易な決断ではないが、組合は私以上にこの金を必要としている。
コロンビアにおけるコカコーラ社の行動についてのさらなる情報は Kille Coke を参照して下さい。
マルティン・エスパダはマサチュセッツ大学アマースト校で詩の講義を担当している。彼は、A Mayan Astronomer in Hell's Kitchen, City of Coughing and Dead Radiators, Alabanza: New and Selected Poems (1982-2002), Imagine the Angels of Bread など、多くの詩作を出版している。Imagine the Angels of Bread は米国ブックアワード詩部門賞を受賞した。
一人一人でも、巨大な企業に対して強い立場にたてるのは、消費者としてだと思います。日本では大きな不買運動が成功したことはほとんど無いようですが、リーバイスの「奴隷工場」などは、米国等の根強い不買運動を中心とした改善運動で、ずいぶん改善された経緯もあります。
以下、案内を二つ。一つはクルド人難民カザンキラン一家とドーガン一家について。もう一つはアチェ関係の講演会(大阪)について。
■クルド人難民関係のブックレット
2月21日に緊急出版された、
『私たち どうして 人間じゃないの?
怒りと慟哭 クルド難民と青学生の対話』
青山学院大学名誉教授 雨宮剛著
A5判 140ページ
価格700円(送料別途300円)
が、クルド人難民二家族を支援する会ネットショップから購入可能になりました。自費出版のため、購入できる書店が限られています。よろしければ、ネットショップからご購入下さいとのことです。
関係情報は、クルド人難民二家族を支援する会HPをご覧下さい。
■アチェ地震・津波被害と支援の報告会
日時:2005年4月1日(金) 19:00〜
場所:大阪東ティモール協会事務所
大阪市北区国分寺1−7−14 国分寺ビル6F
地下鉄谷町線・堺筋線「天神橋6丁目」駅下車、
二番出口、左(北)に向かい10m先三叉路を右(東)折。
報告者:松野明久(大阪東ティモール協会事務局長・大阪外大教員
参加費:一般500円・協会会員無料