コロンビア人権状況に関する国連報告
国連人権高等弁務官事務所
2005年4月18日
コロンビア・ジャーナル原文
2004年、人々の注目は、何よりも大統領の再選について、準軍組織との交渉について、そして政府とコロンビア革命軍=人民軍(FARC−EP)との人質交換についてに集まった。政府は不法武装グループメンバーの解散と、準軍組織コロンビア自警軍連合(AUC)との交渉を優先した。しかしながら、国際的な基準に合致した、真実と正義として被害者救済のための妥当な法的枠組みは相変わらず存在していない。
準軍組織集団は、戦闘行為を辞めると宣言し、これまでの指導者カルロス・カスタニョが姿を消したにもかかわらず、拡大と地固めを進め、地方と州レベルで社会的・組織的支配権を拡大し、また麻薬商売と密接な関係を持っていることは明らかである。国内の武力紛争の展開は、都市部で治安部隊が駐留を確立し、FARC−EPとELNが撤退していることに特徴付けられる。
2004年4月以来、いわゆる「プラン・パトリオタ」がコロンビア南部で実施された。コロンビア現代史の中で最大の軍事作戦である。この主な目的は、FARC−EPの後衛に打撃を与え、主な指導者たちを捉えることにあったと発表されている。コロンビア治安部隊は準軍組織に対しても行動を起こしているが、FARC−EPに対してよりも小規模にでしかない。2004年、FARC−EPとELNは民間人に対して一連の攻撃を行なった。FARC−EPは民間人の虐殺をいくつかと誘拐を行なっている。
コロンビアの上層政府職員からは、繰り返し、コロンビア国内には武力紛争はなく、あるのはコロンビア社会に対するテロの脅威だけだと繰り返してきた。政府と検察庁は、しばしば脱走者たちや、社会に再統合された元不法グループのメンバー、そして軍の諜報員の報告に基づき、十分な証拠もないままに、、大規模で体系的な捜索と逮捕を続けてきた。
準軍組織に対処する政策のあてにならなさも指摘できる。治安部隊のメンバーや他の公務員たちの準軍組織との関係といった状況を考えるとなおさらである。AUCとの交渉をめぐっては、妥当な法的枠組みが必要なことは明らかである。
政府が採用している経済・社会的政策は、不平等格差を減らし、ひどい貧困に対処し、読み書き能力の欠如と失業を減らし、保健医療と住宅へのアクセスを増大させるために必要な進歩を実現していない。生命の権利、身体保全の権利、自由と安全の権利、デュー・プロセスとプライバシーの権利、移動・居住・意見・表現の自由という本質的な自由に対する侵害が続いている。経済的・社会的および文化的権利の領域でははっきりした進歩は見あたらない。
人権状況も非常に悪い状況が続いている。コロンビア治安部隊をはじめとする政府関係者による超法規的処刑が行われているという報告の数は増加している。上層部に指示された拷問と失踪も続いている。妥当な法的根拠なしに軍や検察庁が逮捕や一斉捜索を行なっているとの報告も相変わらず続いている。それに加えて、証拠を変更したり証人を買収したりといったケースもある。政府関係者と不法武装グループ----とりわけ準軍組織----との関係が続いていることも、直接行為としてあるいは不作為というかたちでの政府の責任が様々なかたちで指摘されていることから、明らかである。
国際人道法違反の様々な尺度----とりわけ複数殺人と人質----については下降傾向にあるが、依然として数は多い。準軍組織は敵対行為停止を遵守していない。不法武装グループ----とりわけFARC−EPと準軍組織----は、民間人への攻撃、無差別攻撃、殺人、虐殺、人を捕虜とすること、テロ行為、強制失踪、対人地雷の使用、未成年のリクルート、奴隷化、性的暴力における女性や少女の身体保全や尊厳に対する攻撃などといった重大な侵害を多数行なっている。治安部隊、とりわけ軍の兵士による侵害も指摘されている。殺人や無差別攻撃、強制移送、女性の身体保全および尊厳に対する攻撃などである。
人権擁護と人権侵害予防に関する様々な積極的手だては、しばしば人権擁護活動家や人権団体の仕事の正当性を疑問視する政府高官のおおやけの発言によって弱められている。労働組合や女性組織をはじめとする社会指導者などの人権擁護活動家たちの危険な立場は、不法武装集団----とりわけ準軍組織----による脅迫と行動のため、今も続いている。
「コロンビアの人権状況に関する国連人権高等弁務官報告」から抜粋。
準軍組織に参加していたコロンビア軍兵士が戦闘で死亡したというニュース、FARCがシリンダー爆弾でナサ先住民の10歳の子どもを殺したというニュースなどが最近でも入ってきています。
辺野古の状況が緊迫しています。珊瑚礁の海、戦中戦後地元の人々の命の源だった海が破壊され、イラクをはじめとする世界の様々なところに侵略を繰り返す米軍の基地が、日本政府の膨大な支援のもとに造られようとしています。
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現地へ駆けつけた方も知り合い回りで数名います。東京都内でも、有志の方々が、署名集めなどを街頭で行なっています。現地に行く時間も取れず、街頭に立つ時間もないという方は、ぜひ、回りの方々に広めると同時に、以下の連絡先に抗議や意見を届けて下さい。また、新聞各社への投書なども有効です。ご購読の新聞に投書の案内はありますから、ぜひ。
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ラテン・アメリカの政治経済に関する歴史や現状を見ていると、はっきり目に付く一つの社会層があります。自国の大多数の人々のことは「ゴミ」のように見なし、自分は海外(多くは米国)で教育を受け、海外(多くは米国)資本と結託して国内の富を略奪し暴利をむさぼる層です。アジアでは、インドネシアのスハルトやフィリピンのマルコスがそれに近いタイプでした。
今、小泉や竹中などの「新自由主義」層を見ると、まさにラテン・アメリカのそうした層に非常に近いものを感じます。むろん、基本的なリスク分散を考慮せずにドル買いを続けたためにドルを支えざるを得なくなったという無能などは別途分析し批判しなくてはなりませんが、年間数万人の自殺者や失業率増大などについては対策をとらず、学校教育の予算を削減し、保健医療も個人負担を増やし・・・自らは米国の政策の言いなりになってオコボレをあずかるというのは、米国が「我々のもの」と見なしているラテン・アメリカで頻繁に見られる政治家タイプそっくりです。
そういえば、コロンビアのウリベ大統領が来日して小泉首相と会った、と言うのはその点で示唆的でした。二人のパシリの面会。ワシントンにいる政治的なビッグ・ボスは猿、というと猿に失礼(汚い言葉ですみません)。。。