『アメリカが本当に望んでいること』
(ノーム・チョムスキー著・現代企画室刊)

0  第1章 米外交政策の主目的
    1 わが領土を守るために
    2 リベラル派の最先端
    3 「グランド・エリア」
    4 伝統的秩序の回復
    5 米国の民主主義への思い入れ
    6 「良い例」の脅威
    7 三極化された世界
 第2章 国外の荒廃
    1 米国の「良き隣人」政策
    2 磔にされたエルサルバドル
    3 ニカラグアへの教訓
    4 虐殺の荒野グアテマラ
    5 パナマ侵略
    6 東南アジアへの予防接種
    7 湾岸戦争
    8 イラン=コントラの隠蔽
    9 東欧の将来
   10 世界中へのマフィア貸出し 
 第3章 国内での洗脳
    1 冷戦の役割
    2 (特定の)麻薬に対する戦争
    3 戦争は平和、自由は奴隷制、無知は強さである
    4 本当の社会主義と見せかけの社会主義
    5 メディア
 第4章 展望
    1 状況は変わった
    2 われわれにできること
    3 闘争は続く


  訳者として、今回のアフガニスタンに対する米国の「報復」攻撃を機に読み 直して見ました。米国は、「テロリズムは許さない」と言いながら、アチェ や西パプアで大規模なテロ行為と人権侵害を続けるインドネシアに対しては、 膨大な軍事援助を続け、今また、再開しようと画策しています。それという のも、ブッシュ政権(そして米国の支配層は)は、インドネシアに対して膨 大な利権を持っているからです。

  米国の政策は、本当に一貫しているのだなと、改めてしみじみ思います。巷 には「アフガニスタンとは何か」とか、「タリバンとは」、「イスラム原理 主義とは」といった本があふれていますが、それに対して、

「米国とは 何か」

という視点も、きちんと持つ必要があると思います。

  本書は、そのための基本的文献として良く書かれていると思います。
ぜひ、手にとってご覧ください。


一つ上へ   益岡賢 2001年12月14日
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