第26回シンポジウムのご案内 |
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第26回人権と報道を考えるシンポジウム 匿名報道原則の実現へ
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【パネリスト】 ●シンポジウムの趣旨 3・11原発震災は、「原発安全神話」作りに加担してきたマスメディアのウソを浮き彫りにした。政・財・官の記者クラブから発信された大量の「原発安全」情報は、原発の危険性を訴える専門家の指摘をかき消し、この地震列島に54基もの原発を稼働させてきた。その惨憺たる結果が、今なお拡大するフクシマの甚大な放射能災害だ。 記者クラブから発信される権力情報が、いかに重大な被害をもたらすか。同じことが、犯罪・事件報道にも言える。この数年、相次いで再審無罪をかちとった足利事件、布川事件、それに続くゴビンダさんの冤罪事件、検察の証拠改ざんが明るみに出た村木事件――。それらの事件を通じ、大手メディアの冤罪加担・人権侵害の責任が改めて問われてきた。問題は、大報道された事件にとどまらない。無実・有実を問わず、警察・検察の発表をうのみに行なわれる実名犯人視報道によってさらし者にされた人たち・その家族は、取り返しのつかない重大な打撃を受けてきた。 1984年に出版された浅野健一著『犯罪報道の犯罪』は、実名報道の人権侵害を明らかにし、報道被害を起こさないための処方箋として匿名報道主義を提唱した。「権力を持たない一般市民の事件においては、無罪を推定されている被疑者・被告人は匿名で報道すべきだ」という提唱は、報道被害者に大きな勇気を与え、1985年に人権と報道・連絡会が発足した。 それから20数年、大手メディアは市民の間に高まる報道批判・不信に、「呼び捨て廃止」などの表面的な「改革」は行なったものの、人権侵害報道の根源=実名犯人視報道は改めようとしない。 2009年に始まった裁判員裁判では、報道が与える予断が、報道被害をさらに深刻化させている。 今年、人権と報道・連絡会の定例会で受けた報告でも、「山陽道バス横転事故」における精神疾患患者の実名報道、痴漢冤罪被害者の実名犯人視報道などの被害が相次いで起きている。 シンポジウムでは、こうしたメディアの実名報道について、被害を受けた当事者の体験報告をもとにその問題点を確認し、匿名報道原則の実現に向けて何が必要か、参加者とともに討論したい。 |
主催 人権と報道・連絡会
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最終更新:2011年11月5日 人権と報道・連絡会