★舞台裏から見続けた二十年/第七話 芝居を見よう! Part 2
NTT労組 常盤 数行
★ミレニアムでスタート
二千年も早いもので二ヶ月が過ぎようとしていますが、皆さん活動してますか?
いろいろ言い訳しながら怠け心をだしていませんか?
今年はミレニアム(千年紀)という年らしいのですが、昨年は二千年対応で大騒ぎしていましたが、何事かが起る事をちょっと期待しつつ、暮の三十一日は丸の内のパレスホテルでディナーショウの照明をやっていました。ショウが終わって、機材をトラックに積み込み終わったのが、十一時…これでは電車の中で新年になってしまう…電車が止まったらどうしよう…なんて考えながら0時を迎えたのですが、何事も起りませんでした。チョットばかり拍子抜けしたのは僕だけ?
というわけで、引き続き今年も元気よく舞台の仕事に取組んでおります。もちろん、会社の仕事もやっておりますので御心配なさらずに…(誰も心配してないか…?)
本題にもどって、前回ちょっとふれましたが、昨年十二月にやった芝居について書いてみたいと思います。、劇団名=ギルティー、演目=DOOR2、サブタイトル(Now&Hear)これだけでは、なんのこっちゃという感じですが、人間にとって様々なDOORをもっていて、そのDOORを開ける事で色々な世界が見えてくる。一つのDOORを開ければまたDOORがある。私たちと一緒に様々なDOORを開けてみませんか?がこの集団のコンセプトになっています。
★台本のない芝居
今回の芝居で、自分にとって初めて台本の無い芝居というものを経験いたしました。本当に台本がまったく無いのです。
音響、照明、その他のスタッフは芝居の流れを頭の中にたたき込んでおかなくてはいけないのです。というのも、この集団はインプロビゼーション(柔軟なセリフの対応とでも訳しましょうか)をとても大切にしており、芝居の構成はテーマを決めて、そのテーマにのっとり劇団員相互のディスカッションのなかで、お互いに確認しあいながら進めていくためなせるのです。役者連中はイメージがたたき込まれているため、アドリブも入れながら演じていきます。
スタッフも役者の演技やセリフに反応しなくてはいけないため、緊張感の持続が勝負となってきます。台本のある芝居が緊張感がなくて良いという事では無く、台本のある芝居より更なる緊張感が求められるという事です。二日目の公演でセリフキッカケで音楽がINすることになっていたのですが、セリフが違う言いまわしになったため、普通では戸惑うところですが雰囲気を把握している音響担当は慌てることなく見事なタイミングで音楽をスタートさせていました。このような事は本来あってはいけない事なのですが、舞台では何が起るかわからないため、どんな状況にでも対応できるようにならなければ、本当のスタッフになれているとは言えないのでしょう。
インプロビゼーションの訓練を行っているこの劇団の特徴として、役者個々の目線の使い方が素晴らしいという大きな特徴があります。生きている目線とでもいいましょうか、見つめられたらゾクッとしてしまう雰囲気があるのです。目線の使い方はとても重要で、たとえば音楽祭で譜面で顔をかくして歌ったり、下を向いて歌ったりしている人がいますが、そのような舞台を見て皆さんどう感じますか?緊張感は伝わってこない事は事実と言えるでしょう。もっと自信をもってと言いたい感じです。
文化活動を推進されている皆さん、いろんなジャンルにふれてみて感性と自信をもっともっと伸ばしていって素晴らしい舞台を作りあげて下さい。そして、ふれるジャンルに芝居を選択肢の一つに加えて下さればと思います。演劇界全体の観客動員数はここ何年も増加していないのです。
というわけで、この夏、西荻窪でこの劇団の公演をやりますので、ぜひ見に来てください…!
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