自治労音協通信 |
1面 NO28号/98.7.25発行 |
第十九回自治労仲間の歌は、入選曲一曲、佳作曲三曲、紹介曲二曲が選ばれました。全国から十七曲の応募がありましたが、今回は新人の応募が目立ちました。 そのなかで、新潟の清掃作業員をしている山田芳裕(芸名Baby★Baba)さんの『プレゼント』が入選曲に選ばれました。山田さんはオリジナルCDを完成させたばかりで、のりに乗っているところです。「さよならYesterday、今までの思いは胸にしまって、今日からEveryday、見つけに行こう君だけが持つ輝きを」という暖かい共感を込めたフレーズが、さわやかなメロディーに溢れる作品です。 また、佳作曲には、名古屋市の学校用務員の山口真さんの『夢を心にーLet's sing a song』、そして、東京自治研究センター職員の小川典子さんの『Sound of Wind』、大阪の宮本雄一郎さんの『急いでベイビーズ』の三曲が選ばれました。 紹介曲には、青森県職労専従の甲屋文史さんの『風の街へ』と山口真さんの『おもいでのページ』が選ばれました。 今回の選考委員には、日本音楽協議会から新津似久夫さん、全逓音協から吉田隆さん、そして音楽家の広瀬俊行さん、自治労音楽活動家、そして、浅野青年部長の六名で、詩、曲それぞれ十点満点での評価を行ない、その総合平均点を基本に評価を行ないました。 応募者から会員拡大 今回の応募者には、新人が多く、職場でバンドやライブを主催している仲間が目立ちました。オリジナル曲を日常活動で演奏する機会をつくり出し、その中から曲を応募してきています。 すでにオリジナルCDを制作している山田芳裕さんや宮本雄一郎さんがいます。応募曲はそのなかの一曲ですが、彼等のCDを是非を聞いて、そして仲間に広めて下さいね。 また、応募者のなかから自治労音協に参加してきている仲間がいます。音楽をとおして活動を繋ぎ合う場が大切になっています。事務局では、今回の入選曲についてテープおよびMDを制作します。 聞いてみたい方、そして広めてくださる方の連絡をお待ちしています。 応募曲の紹介 「プレゼント」詩・曲=山田芳裕(新潟市職労) 「Sound of Wind」詩・曲=小川典子(東京都本部直属支部) 「夢を心に(Let's Sing a song)」詩・曲=山口真(自治労名古屋市職労) 「急いでベイビーズ」詩・曲=宮本雄一郎(大阪市職労) 「おもいでのページ」詩・曲=山口真(自治労名古屋市職労) 「風の街へ」詩・曲=甲屋文史(青森県職労)「友の机」詩・曲=松本敏之(栃木県職労)「早春」詩・曲=甲屋文史(青森県職労) 「明日がみえるはず」詩・曲=小森優(北海道愛別町職労) 「汗と涙の間にて」詩=立山幸一、曲=黄光男(ファンクァンナム)(尼崎市職労) 「なりたくないの」詩・曲=山本英二(新潟県職労) 「君がいた…」詩・曲=中村浩(新宿区職労) 「ちょっと」詩・曲=甲屋文史 「抱きしめたい」曲=伊瀬吉一、詩=中田千恵子(観音寺市職労) 「明日のために」詩・曲=山本英二 「時は流れて」詩・曲=高倉琢哉(下関市職労) 「ソングオブピース」詩=高畑湊宏、曲=籠味正樹、(北海道上川町職労) 詩の評価 全逓音協 吉田 隆 ■「プレゼント」 「風はふいている」「追い風がふいてくれる」のように近接したフレーズでは同じ言葉ではなく違う表現のほうが適切。 「夕日」「朝日」のように一番と二番で字数合わせのために無理に言葉を選ぶ必要はないでしょう。言いたいことが一つであればその部分は一、二番同じでもかまわないでしょう。 ◆「Sound of wind」 きれいな詩ですが、誰にも共通するような言葉だけでなく聞く人と同次元にせまれるような言葉が欲しいです。まったく同じ条件下でなくても聞く人は自分の立場に置き換えて想像するものです。 ◆「夢を心に」 日音協ソングを知っている人達には「Let' sing a song」の詩は新鮮さに欠けます。伝えたい内容は理解できますが、それをどう。「Let' sing a song」一緒に歌おうにつなげていくか、の部分が欲しいです。「夢を心に思いは必ず届く」と冒頭で結論を出してしまっています。結論はできるだけ後にもってくるほうが効果的です。8分音符を使用するとどうしてもハネ気味になりますので、某有名曲との差別化のためにも、できるだけゆるやかに流れるメロディにしたほうがいいと思います。冒頭からあまりやすみのないメロディが続くので「きっといつか」あたりからはもっとゆったりしたメロディが欲しいです。 ◆「急いでベイビーズ」 親の性別がどちらともとれる詩になっていますが、狙いをしぼり(この場合は母親だと思いますが)構成したほうがわかりやすいと思います。子供と親の詩という構成ですが、親の立場の言葉や代弁で子供の声みたいなものが聞こえてきません。 クロージングも「ごめんね」で終わらず、先に希望をもたせる言葉を一言でも入れると詩が完結します。欲を言えばロックですから社会に訴えかけるような中味も欲しいです。 ▼「おもいでのページ」 「ステキな出来事だけ…」をいかすためにも「優しさ、喜び」だけでなく「悲しさ、苦しみ」のような言葉が欲しいです、三番では出ていますが。「優しさや喜びに心を満たされた」の「を」はないほうが印象が強いです。 ▼「風の街へ」 全体的にはまとまった詩ですが、発展という意味で「ひとりひとりが」の印象的なフレーズのあとの言葉には「出会う」「集まる」「ふれあう」と同じ意味の言葉ではなく結果として発展していく言葉が欲しいです。そして最後に「翼ひろげ青い空へ」につなぐといいストーリー展開になります。 メロディは某曲に似ているので気をつけましょう。 |
第十九回自治労青年・女性音楽活動家養成講座 構成詩制作を中心に、発表は山中湖三千人の前で! 五月三十一日から六月二日まで、東京全林野会館で全国から二十七名が参加しました。今回の講座は、構成詩を作る、演奏法、歌唱法の三コースで開催されました。 構成詩は第十一回中央交流集会で担当地連が発表するものを作るために、担当各県から二〇名が参加しました。 今回は、四国、九州、東北が担当です。シナリオとして完成していた四国は除いて、九州、東北に別れて制作しました。はじめに構成詩担当の小川典子講師の「構成詩の方法論」の講演を受け、構成詩ってなんだからはじまって、その制作過程の重要性について、講師のこれまでの実践から学んだことを中心に掘り起こした問題提起がされました。 その後二班に別れて、それぞれのテーマで自分の思いや考え方を全員で話し合いました。九州は沖縄の反戦反基地闘争から『平和と未来は闘い取るもの』を「さとうきび畑」「沖縄をかえせ」「県民投票音頭」「チュラサン・ウチナー・ケーセー(美しい沖縄を返せ!)」第八回養成講座での創作曲を入れて、戦争体験の証言や詩の朗読、デモや職場学集会、県民集会等の場面構成で仕上げました。 そして、東北は福島県のある町役場での職場改善の闘いを描いた構成詩を創作曲「何だろね」と「見つめてみよう」を挿入曲にして作り上げました。 歌唱法では初心者の二名の仲間が細川剛講師の指導でたくさんの歌を覚え、その中から一曲を選んでそれぞれ練習しました。 講演では、秋田県本部専従執行委員の藤原真栄さんに「音楽運動と職場活動」についてお話していただきました。藤原さんの主催しているサークル「ザ・リバーサイドグラス」の結成に向けて、サークル員獲得のための苦労話あれこれ大作戦や、自分の音楽へのこだわりから、青年部活動中忙しくてできなかった音楽活動再開の意味とその任務について語っていただきました。 全体合唱では、香川県本部細川剛さんの指導で仲間の歌松本敏之バージョンから「もっと自由に」「Heart to Heart」の二曲を初心者がほとんどでしたが、皆すぐにハーモニーをつくり出し、素晴らしい合唱を完成させました。また、ミニコンサートでは講師を中心に自作曲が発表されたあと、歌声喫茶のなかで全員が懐かしのメロディーを「人とし生きるために」「沖縄をかえせ」(荒木栄)から「神田川」「花」まで、講師の生オケバンドで思いっきり歌いました。 最終日には参加者の約半数が成果発表に参加できませんでしたが、それぞれの課題曲、そして構成詩の発表をしました。特に、新潟県佐渡ケ島から参加した永井明美さんの詩「何だろね」に、松本講師が曲をつけて完成させました。 この合宿の中で歌唱指導や合唱の伴奏で、ピアノで吉田斉子さん(宮崎)、キーボードに講師の藤原真栄さん、ギターに細川さん、ベースで松本敏之さんが素晴らしい演奏を作ってくれました。 また、小川講師が日音協歌集、自治労仲間の歌の中からたくさんの歌を歌唱指導しました。そして新しい多くの仲間が、日音協歌集五册と自治労仲間の歌の入った歌集を鞄につめて帰りました。 |