自衛隊員とご家族のみなさんへ


 私たちは愛知県下で平和のことを考え行動している市民グループです。

 私たちは周辺事態法などの新ガイドライン法案の成立をとても憂慮しています。これで戦争準備が整ってきました。そして自衛隊は本来の「国を守る」ことから離れ、米軍の支援・協力という形で、ますます外へ外へと向かっていくように思えます。

 周辺事態法により、自治体や公務員、民間の労働者が戦争に協力させられる体制ができあがります。それは市民一人ひとりが戦争に加担する体制とも言えます。しかし、自衛隊員の皆さんにとってはなによりも生命にかかわる問題となります。

 平和は互いの努力により、緊張関係を解くことで生みだされます。しかし最近の状況は日本海の「不審船」への対応にあらわされるように、冷戦時代にさえなかったような緊張関係があらたにつくりだされてきています。とても不安な状況です。

 アジアの人たちは今度の新ガイドライン法案をどう見ているのでしょうか。フィリピンで「元従軍慰安婦」の方たちを支援されている女性が先日来日され、お話しされました。その中で、彼女たちは、日本は新ガイドラインにより日米軍事協定を改定して、また軍隊を送ってくるのではないかと心配している、と報告されました。そんなことはありえないと言えるでしょうか?

 日本政府は彼女たちに対して、かたくなに謝罪・補償をこばんでいます。反省しないということは、また来るつもりだろうと彼女たちは不信感をもっているのです。

 自衛隊が外に出ていくことは、私たちも、アジアの人たちも、たぶん自衛隊員の皆さんも望んでいないのではないでしょうか。

 今の状況を私たちは大変不安に思っていますが、しかし、戦争の不安はなによりも自衛隊員とそのご家族の皆さんの問題と思います。私たちの意見と皆さんの意見はかけ離れているかも知れません。ご意見をお聞かせください。

 湾岸戦争後にペルシャ湾での機雷除去のため、自衛隊の掃海艇が派遣されましたが、その時のことが「中国新聞」に「呉と海上自衛隊」という記事になって掲載されています。当時の作業の様子と隊員の気持ちが率直に書かれています。次に抜粋して紹介します。

呉と海上自衛隊

 呉警備隊水中処分隊の大庭章成二曹(33)は派遣された水中処分隊員二十五人の一人。現地に赴く前、仲間内では「数人は生きて帰れないだろう」とのささやきがあったと言う。

 遠隔操作の処分具を優先して使う予定だった掃海は、現実は処分した機雷三十四個のうち、三十個近くは処分隊員の直接潜水作業に頼らざるを得なかった。潜水して沈低機雷に近づき爆薬を仕掛けて発火装置を壊した。

 高性能の機雷に触雷する恐れのほか、作業中にサメに取り囲まれることもあった。死と隣合わせの作業は三カ月以上続いた。「明日は飲めないかも、と仲間と寝る間を惜しんで酒を飲んだ」と明かす。

 やりがいを求めるのはいいが、実際の現場は危険がいっぱい。大庭二曹は「目立ちたいと言った自分本位でやれることではない」と強調する。

 呉在籍の第一掃海部隊の掃海母艦「はやせ」(2000トン)の通信員、畑中一泰曹長(39)もペルシャ湾派遣の一人。若い隊員のPKO熱に「国際貢献は自衛隊が今以上に認知される機会かもしれない。しかし、自衛官の活躍の場が広がることは、それだけ世の中が平和から遠ざかっていくことでもある。PKOの有事などがない状況を、願うべきなんですよ」とくぎをさした。

ご意見がございましたらお寄せください。

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