要請書(2023年7月22日) |
防衛大臣 浜田靖一様
渡部琢也基地司令 様
自衛隊員の皆様
7月3日から21日まで多国籍共同訓練「モビリティ・ガーデン23」が小牧基地を始め内外7基地と連携し実施されました。この訓練は「自由で開かれたインド・太平洋」の維持・強化をめざして2017年からおこなわれており、自衛隊は初参加ということです。アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが参加しています。19日には小牧基地において大規模災害を念頭に負傷者搬送などの訓練を行ったと報道されました。しかし、これは災害救援の訓練などではなく対中国を想定した戦争訓練といえます。そしてこの訓練は太平洋島しょ国もくみいれたものとなっています。この訓練で自衛隊のC130Hがパラオにきたことを評して在パラオの日本国大使館は「同盟国・同志国と連携しつつ、太平洋島しょ国の平和と安定に貢献」などと発言しています。災害訓練の名のもと対中国を想定した訓練が小牧基地でなされたということです。米軍の輸送機C130やイギリス空軍の空中給油機も小牧に来ていました。昨年10月11日に大村知事が県営名古屋空港の自衛隊離着料に関わる記者会見で、中部国際空港開港時を振り返り、地元の2市1町(春日井市、小牧市、豊山町)が歴史的な経緯から、(名古屋空港の)防衛庁の管理・管制に反対し、軍事空港には抵抗が強い、とのべられていましたように、戦時中に土地収用されたり徴用されたりしてできた飛行場で、その後米軍、自衛隊が使用し、基地拡張に反対する運動もあり、飛行機事故もなんどかありました。これまで地元自治体は、戦闘機や米軍機の配備に強く反対してきました。しかし今回の訓練について自治体への「通知」はあったようですが、地元への説明はありませんでした。このままでは基地機能は一方的に強化され、小牧基地は「対中国戦略」のなかで重要な役割を担わされることになります。それは県民の安全を脅かすこととなります。各地の自衛隊基地は地下化がすすんでいます。基地は強靭化されることになりますが、訓練は常態化され、騒音、事故などの基地被害の危険性はたかまります。そして「戦時」には攻撃されます。基地は強化されても住民の安全はおびやかされるということになります。
小牧基地周辺の井戸水から発がん性が疑われる有機フッ素化合物PFASが検出されたという報道があります。地元との信頼関係のためにも小牧基地は真相究明を積極的におこなってください。 私たちは今回なされた多国籍合同訓練の一方的な実施に強い怒りをもっています。今後米軍機や英軍機などが訓練のために名古屋空港を使用することがないよう強く要望します。
2023年7月22日
不戦へのネットワーク