災害支援、中東派遣、航空祭についての申し入れ書(2019年10月26日) |
小牧基地司令 船倉慶太様
自衛隊員の皆様
台風15号・19号による大災害への支援活動ご苦労様です。今回の大災害は、今後繰り返されると自然科学者などの専門家は警告しています。警告を無視して対策を取らないかった結果としての東京電力の福島原発の大災害は、記憶に新しいことです。誰もその責任を問われていません。1970年代に新設された設備や装置の老朽化を放置していることが自然災害に対応できない現状の「人災」と言える被害の拡大につながっています。
この日本列島の現状に対して全自衛隊も対応を迫られていると考えます。組織的な災害対策訓練と設備の充実ができるためには、政府と防衛省が自衛隊の任務に「災害対策活動」を中心的なものにする政策を確立することが必要になります。アメリカの軍事的要請にこたえる自衛隊ではなく、国内の大災害に十分対応できる体制作りが求められています。以上の観点から基地司令に対して申し入れを行います。
「中東派遣問題」についてです。10月23日、自民党外交・国防部会などの合同会議で中東派遣についての議論がありました。政府の政策を認める議論ではなく、なぜホルムズ海峡が除外されたか、活動の法的根拠が防衛庁設置法の「調査・研究」では不十分ではないかなどの疑問が相次いだと言われています。また、24日、元防衛庁長官石破茂氏も、「実力部隊を出すにはどのような必要性を国民のするのか、何のために出すのか、どのような法的根拠をもってやるのかの説明が政府に求められている。」と発言。公明党の北側幹事長も「目的・必要性が国民に説明できずに、安易に自衛隊が派遣されることはあってはならない。」と述べています。
政府与党からも以上のような発言があり、安倍政権の強行突破を制約しています。私たちは、それ以上に活動地域が決して自衛隊にとって安全ではないこと、イラン支持勢力にとって日本が敵対勢力として認識されることを危惧しています。空輸支援部隊としての小牧基地の皆さまも派遣部隊と同じ脅威にさらされることになります。派遣準備命令が出る前に上部組織に派遣中止の意見具申をされることを強く要請します。
最後に改めて、11月9日、小牧基地オープンベースで、ブルーインパルスの展示飛行の中止を要請します。ブルーインパルスは、過去に展示飛行中や訓練中に墜落事故が起こっています。周辺住民は、市街地の上空での危険な展示飛行については根強く反対をしています。何より、この展示飛行で自衛隊の活動が無批判に認知されることを危惧します。危険なブルーインパルスの展示飛行を中止してください。
2019年10月26日 不戦へのネットワーク