航空自衛隊創立65年を前にしての申し入れ書(2019年5月25日) |
小牧基地司令 船倉慶太様
自衛隊員の皆様
7月1日で空自創立65年目をむかえます。65年前、創立に尽力したカーチス・ルメイ将軍が1965年にこのことで最高位の勲章を日本政府から与えられたこと、また東京大空襲の計画立案者であったこと、米軍の補助部隊として活用する目的であったこと、みな忘れさられつつあります。65年目にしてカーチス・ルメイがめざした補助部隊としての航空自衛隊の実現を日米両政府は急速に追求しています。新防衛大綱・中期防衛計画を見るとき、また、陸海空自による日米共同訓練を見る時、安倍政権による「歯止めなき軍事拡大」をストップさせねばならない、と私達は強く考えざるを得ません。以上の立場からの申し入れを致します。
本日午後、トランプ米大統領が来日します。在日米軍は、臨戦体制に入り、全自衛隊もそれに対応せざるを得ません。基地司令をはじめ、隊員の皆様も対応せざるを得ません。3泊4日と異例な長期滞在に対し、外務省幹部は、「これでもか、というくらい緊密な日米の姿を見せつけることが、中国、北朝鮮、韓国、ロシアとの関係を考える上で重要だ。」と表明しています。トランプの威を借りて外交するという自主外交のなさの表明です。安倍首相は3泊4日の代償としてトランプに何を差し出すのでしょう。最後の28日、横須賀の海上自衛隊基地でヘリ空母「かが」に両首脳は乗艦し、「強固な日米同盟」を見せつけるセレモニーをやる予定です。「戦争なしでは生きられない国」との同盟を世界中にアピールするのが安倍首相の目的です、私たちは外交の場で自衛隊を利用することに断固反対します。
最初にもどりますが、5月20日の中日新聞は、「日本から来たのは軍隊、攻撃するしかなかった。」というイラクのサマワに住む元民兵証言を記事にしました。「日本を尊敬しているのですが、軍を派遣するなら攻撃するしかなかった。」と15年前の行動に対する証言です。今また安倍政権は、二人の自衛官をシナイ半島南端にある司令部に送り込みました。中東研究者によれば、イスラエルとエジプトの国境地帯に両国の対立などなく、あるのはシナイ半島で活動する反エジプト政府勢力とエジプト軍の戦闘、パレスチナのガザに入ろうとする人々へのイスラエル軍の攻撃、アメリカ軍の無人攻撃機による地元勢力への攻撃。停戦監視協力を名目として多国籍軍に自衛隊部隊を送りこむことが目的ではないか、と中東研究者は見ています。もし「派遣準備命令」が出れば、小牧基地も対応せざるを得ません。反対の立場から申し入れ行動を続けざるを得ないことをどうかご理解ください。
2019年5月25日
不戦へのネットワーク