安倍改憲に反対し、戦争政策に反対する申入書(2018年10月27日) |
小牧基地司令 船倉慶太様
自衛隊員の皆様
10月24日、臨時国会が召集されました。政権の発足以来、改憲に異様な意欲を示す安倍首相は、臨時国会での所信表明演説でも「憲法審査会において、政党が具体的な改正案を示すことで、国民の皆さまの理解を深める努力を重ねていく。(中略)制定から70年以上を経た今、国民の皆さまとともに議論を深め、私たち国会議員の責任を供に果たしていこうではありませんか」と改憲に向けて積極的な発言をしています。安倍首相の言う自民党の改憲案の中で憲法9条に対しては、憲法9条2項を残したうえで、「必要な自衛の措置」のために「実力組織」としての自衛隊を明記するというものです。すでに自衛隊は、2014年7月1日の閣議決定で憲法解釈が勝手に変更され、そのもとで2015年9月19日に「安保法制」(戦争法)の成立によって集団的自衛権の行使が認められた自衛隊だ、ということを忘れてはいけません。集団的自衛権はアメリカなど大国が起す戦争に利用されてきました。安保法制(戦争法)は自衛隊がそのような軍事活動に参加する道を開いたことになります。安保法制は、明らかに、現憲法に違反するものですが、もし仮に自衛隊が憲法に明記されれば、憲安保法制を合憲化し、自衛隊が危険な集団的自衛権行使の任務に就くことになります。さらに言えば、これまでの歴代政府の9条解釈は「専守防衛は認められている」というものでしたが、そこで言われていた自衛隊は「必要最小限の実力」でした。自民党の改憲案は「必要な自衛の措置」となっており、自衛隊の活動に歯止めがかからなくなる危険性があります。戦力の不保持と交戦権の禁止を定めた9条2項を条文に残したとしても、自衛のための集団的自衛権行使を含む実力を行使するというのであれば、9条2項はないにも等しいと言えます。安倍首相の言う改憲は、自衛隊員の皆さんを危険な任務に就かせ、戦争ができる国家へとより一層進めていくことになります。私たちは、全力を挙げて改憲に反対をします。
今、朝鮮半島では和解に向かって確実に歩み続けています。25日、南北を分断する、板門店共同警備区域(JSA)内にあったすべての火器と弾薬、警戒所の人員が撤収し、共同警備区域の非武装化措置がはかられました。来月には観光客が共同警備区域の南北両区域を自由に見て回ることができると言います。昨年10月、安倍政権は朝鮮の核実験やミサイル発射を口実に危機を最大限に煽り、「国難突破」選挙と命名して選挙を行いました。麻生副総理は自民党の大勝を「北朝鮮のおかげ」とも発言しました。朝鮮や中国の脅威を煽り、アメリカからイージスアショアや35戦闘機などの武器を爆買いし、軍事費を増強し、軍事訓練を繰り返し、民意を無視して沖縄辺野古に新基地建設を強行し、憲法改悪に邁進するのが安倍政権です。私たちが安心して暮らすためには、安倍政権が推し進めようとしている一連のこととは全く真逆なのだと、朝鮮半島の動きは示しています。この間、度重なる自然災害の現場で献身的な活動をされていることを多くの市民は高く評価していることと思います。そのことが、自衛隊に好印象を持つという高い世論調査の結果にも反映されていると言えます。安倍政権の改憲、戦争政策に反対の声を私たちも上げていきますが、当事者である自衛隊員のみなさまこそが、今声をあげることが必要ではないかと切に思います。ともに、声をあげていきましょう。
2018年10月27日
不戦へのネットワーク