くり返される米軍事故への申し入れ書(2018年1月15日) |
小野寺防衛大臣、および東海防衛支局のみなさま
、私達は、市民団体・不戦へのネットワークのよびかけで集まった市民有志です。新年になってからもくり返される米軍事故に対し米軍に対する強い抗議と沖縄の住民が納得できる事故防止策をとることを要請しに来ました。このことができないならば、日本の空域全部を訓練空域とする米軍の事故は、やがて日本のどの地域でもくり返される、と考えざるを得ません。とりわけ今年が沖縄県にとって、重要な政治選択がくり返される年であることは、日米両政府は理解しているはずです。事故のないように万全な対策をとらねばならない時に米軍はあまりに無神経です。むしろ安全対策をとる能力も余裕もなくなっているのではないか、と思われます。このような状況で「日米地位協定の運用上の改善をアメリカ政府に要請する」だけでは再発防止にはなりません。それどころか沖縄県知事の「日本政府は当事者能力がない」という断定を肯定せざるを得ません。自国内でくり返される外国軍の事故に対してなにもできないのであれば、そのように指摘されてもやむを得ません。沖縄県民は、「沖縄だからか。多くの基地を押し付け米軍事故があっても日本政府は知らん顔だ。」と思わざるを得ません。
小野寺防衛大臣は、防衛省の責任者として、在日米軍が今、どのような状態にあるのかを把握されているはずです。海軍、陸軍、海兵隊での昨年の事故死23人。「劣化著しい在日米軍」と言わざるを得ないのではないですか。昨年10月にヘリテージ財団が「米海兵隊、戦力評価2018」を公表しました。海兵隊の航空部隊は予算の不足により、部品や整備士が不足して十分な整備が行えない状態にあり、機体の老朽化や飛行時間の不足の組み合わせは、人的・機械的双方での飛行事故の危険を高めると指摘しています。まさに昨年10月11日に東村の高江で炎上-大破したCH53事故の時期に公表されたものです。保守系の財団ですらこのような評価をせざるを得ないのです。日本の防衛責任者として日本国民の生命や財産を守り切ることが第一の責務である、とお考えであるならば、もはや、「日米地位協定」があるため米軍を規制することができない、という考えを変えねばなりません。航空法や航空危険行為処罰法、海上衝突予防法の発動を考えなければ、再発は防止できないし、なによりも主権国家とはいえません。同じ敗戦国のドイツもイタリアも事故があれば、アメリカ軍に対し国内法を行使しています。そして日米同盟の深化を続ければ、日米共同訓練がくり返され、自衛隊自体が米軍の「構造的劣化」の影響を受けざるを得ません。「沖縄は日本のカナリアだ。」という言葉があります。くり返される米軍の事故は日本全体に警告を発していると言えます。
以上の観点から次のように要請します。
米軍にすべての航空機の点検と飛行中止を申し入れてください。同時に事故原因の徹底究明と再発防止措置の要求を申し入れてください。
2018年1月15日
以上
市民有志
連絡先 不戦のネットワーク