不戦へのネットワーク


10.22衆議院選挙を踏まえての申入書(2017年10月28日)

小牧基地司令 尾崎義典様
自衛隊員の皆様 


 基地司令や隊員の皆さまも一市民として、一有権者として投票に行かれたと思います。私たちは、今回の選挙の理由に「守友・加計問題」隠しもありましたが、本質的には「戦争準備を認めるか、認めないか」にあったと考えています。それは、安倍自民党が選挙公約に「憲法9条に自衛隊を明記する」という改憲公約を打ち出したことから理解できます。集団的自衛権行使容認、海外での武力行使容認という新安保体制=戦争法体制にある自衛隊が9条に明記されるということは、9条2項の「戦力の不保持」と「国の交戦権はみとめない」という制約が有名無実化されてしまうからです。
 安倍首相は、選挙期間中にも「北朝鮮の拡大する脅威」について言い続けてきました。その狙いは、国民に「その脅威に立ち向かってくれる自衛隊の存在を、やはり憲法に明記すべきだ」とアピールする点にあります。自衛隊が明記されるだけで日本国憲法体系も日本の社会も大きく変わらざるを得ません。何よりも、基地司令や隊員の皆さまの任務や生活が最初に変化させられます。
 今日の日本の軍事的関係からすれば、自衛隊は、米軍の下請けとして従軍せざるを得ません。現在の朝鮮半島情勢の中で、来月はじめにトランプ大統領が来日するということは、全在日米軍が臨戦態勢を取り、従って全自衛隊はそれに対応せざるを得ません。このような動きの中で安倍首相は、プロゴルファーを参加させ、トランプ大統領とゴルフを楽しむ予定だそうです。「何を考えているんだ!」と言わざるを得ません。安倍首相は、自衛官の命をトランプ大統領に差し出す体制づくりのために今回の選挙を仕掛けたと言っても過言ではありません。基地司令や隊員の皆さまには、ぜひ、ご自身の任務の質的変化が迫っていることをお考えください。その上で、日本海上空で訓練をするB1爆撃機やF35の支援を空中給油訓練として日米共同でやるとなれば、この小牧基地が対応するしかないということを今日、明日の問題として受け止めてください。朝鮮民主主義人民共和国から見れば、米軍に協力する敵対基地として認知されてしまいます。朝鮮とアメリカの敵対関係が続く限り、小牧基地の皆さま、周辺住民の皆さま、関係自治体は、安倍首相がさらに推し進めようとする戦争準備態勢としての新安保体制=戦争法体制に左右され、巻き込まれます。
 従って、私たちはやがて起こりうる日本海上空での日米共同訓練に小牧基地が協力しないことを強く要請します。基地司令には、どうか上部機関にこの趣旨を意見具申していただきたいと切にお願いします。現在の情勢が続く限り、申し入れを続けざるを得ないことをどうかご理解ください。


2017年10月28日
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