不戦へのネットワーク


沖縄・高江でのヘリ墜落・炎上事故に抗議し、飛行訓練の中止とヘリパッド使用禁止、及び日米地位協定の見直しを求める要請書(2017年10月16日)

内閣総理大臣安倍晋三様
外務大臣河野太郎様
防衛大臣小野寺五典様

 またも、あってはならない事故が起きてしまいました。10月11日、沖縄東村高江の民間の牧草地に、普天間基地所属のCH53大型ヘリコプターが墜落、炎上しました。米軍機の度重なる事故に対し、地域住民はもとより、沖縄の人々の怒りと不安は頂点に達しています。政府は、速やかに米軍に対し、飛行禁止の措置と高江のヘリパッドの使用禁止、及び日米地位協定の見直し協議を行うよう強く申し入れます。

事故が起こった東村高江では、昨年7月から多くの住民や市民の反対する中、本土から機動隊約500人を派遣し、凄まじい暴力や差別発言、不当な逮捕・拘束を加えながらヘリパッド建設が強行されました。高江では昼夜を問わず、集落の上空をオスプレイや大型ヘリの訓練が繰り返され、騒音や墜落の危険にさらされ、転居を余儀なくされた一家も出ています。高江でのヘリパッド建設と引き換えに、12月22日、日米両政府は翁長沖縄県知事らが欠席する中で、北部訓練場の約4000haの返還式典を行い、「沖縄の負担軽減」を演出しました。しかし、今回の事故が示しているように、住民の負担軽減どころか生命まで脅かされるような危険な状況が増しています。高江のヘリパッドの使用を中止するよう要求します。

高江で墜落事故を起こした、CH53大型ヘリは、1999年に国頭村沖で墜落事故を起こし、2004年8月にも沖縄国際大学に墜落、6月には久米島空港へ緊急着陸しています。米軍は4日間の飛行禁止ののち、飛行を再開するとしています。人命軽視も甚だしい愚行で、決して飛行再開などあってはなりません。事故原因の徹底的な究明を求めるとともに、飛行の停止を強く要請するよう求めます。
また、開発段階から事故が多発し欠陥機と言われる危険なオスプレイも、県民の強い反対にもかかわらず配備が強行され「訓練」が繰り返されています。オスプレイの配備については、96年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告の草案にオスプレイの配備が明記されていたにも関わらず、日本政府の意向で削除され、最終的に日本政府が配備を発表したのは2012年です。県民の反対を見越しての情報隠し、隠ぺいを行ったと言わざるを得ません。オスプレイは、昨年12月には名護市安部の海岸に墜落し、その後もオーストラリア沖でも墜落事故を起こし米軍人3名が死亡、8月末には大分空港に緊急着陸、9月には新石垣空港に緊急着陸をしています。高江の上空ではこの危険なオスプレイが低空飛行を繰り返しています。そして、日本本土でも飛行訓練が計画され、岩国基地、厚木基地、横田基地、佐世保基地などへの飛来が常態化しています。事故の危険は、全国に広がっていると言わざるを得ません。日本全国で繰り広げられる米軍機の飛行訓練の中止を求めます。

翁長沖縄県知事は事故があるたびに事故原因の究明と再発防止を訴えているにも関わらず、「日米地位協定」の厚い壁によって日本側の事故調査は拒まれています。昨年12月安部での墜落事故に際し、在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官は「県民や住宅に被害を与えなかったことは感謝されるべきだ」と、抗議をした沖縄県副知事に言い放ったといいます。このような植民地意識を丸出しにした米軍に対して、日本政府はこれまで本気で地位協定の見直しをしてきませんでした。朝鮮の核やミサイルの脅威から国民を守ると安倍政権はいいますが、ここまで多発している米軍による事故の危険の方がより切実です。いったいどこを向いて政治をしているのか、と思わざるを得ません、
日本は、アメリカの植民地ではありません。沖縄の民意を真摯に聞き、地位協定の抜本的な見直しを早急にすることを強く要求します。



2017年10月16日

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