不戦へのネットワーク


県営名古屋空港、アジアbP航空宇宙産業クラスター形成特区、
その他平和に関わる愛知県の政策・事業に関る質問・要望書
(2017年4月21日)

愛知県知事  大村秀章様


県営名古屋空港、アジアbP航空宇宙産業クラスター形成特区、
その他平和に関わる愛知県の政策・事業に関る質問・要望書


2017年4月21日
不戦へのネットワーク(代表 飯島滋明)
                       名古屋市中村区那古野1−44−17                                         嶋田ビル203
                       TEL 050−3593−5130

 大村知事を始め、愛知県職員のみなさまが県民の生活を守り、平和な地域社会を実現するために平素から努力しておられることに感謝いたします。私たちは微力ながら、市民にとって平和な社会を実現するための活動を続けているグループです。
以下に、小牧基地が拡大・強化されること、また、愛知県がさらに軍需産業の拠点になっていくことに重大な疑問・危機感を持つ立場から、県営名古屋空港などに係わる政策・事業に関して質問・要望を致します。
小さな団体ですが、自治体・行政の方とできるかぎりの対話、協力をすすめ、要望を聞いていただき、目的実現のため努力する所存ですので、真摯な文書回答をお願いいたします。航空対策課の御担当ではない質問も含まれていますが、担当者様への連絡、調整をお願いします。


1、小牧基地オープンベースでのブルーインパルスの展示飛行に関して
(1)防衛省、小牧基地からの連絡はいつどのようになされたのか?その際愛知県としてはどのような対応をされたのか?
(2)地元市町の意向は愛知県としては把握されていたのですか?
(3)地元市町と防衛省、基地との「調整」を県はどのようになされたのか?
(4)大村知事はオープンベースに参加されましたか?
参加されたのであればどのような意義づけのもとでなされたのでしょうか?
(5)周辺に住宅や工場が密集をしている小牧基地でのブルーインパルス展示飛行は、事故により県民などに被害が及ぶことも考えられますが、開催について県はどのような見解をお持ちですか。


2、三菱重工がF35ステルス戦闘機の整備拠点になることについて
(1)県はこの整備拠点(リージョナルデポ)設置についてどの程度まで把握しているのでしょうか?
(2)昨年の3月の不戦へのネットワークとの話し合い以降、県としては、周辺自治体に対してはどのように対応されましたか。その対象自治体はどこですか?
(4)昨年3月以降、防衛省から周辺自治体に対してはどのような対応がありましたか。その対象自治体はどこですか。
(5)昨年3月以降、県としては防衛省に対しどのような対応をされましたか。
(6)昨年3月以降、県としては周辺自治体に対してどのような対応をされましたか。
(7)三菱重工がF35の整備拠点になることは、県営空港が滑走路使用を通じて軍需工場と一体化することになります。有事には他国などからの攻撃目標となりえます。どのようにお考えでしょうか?
(8)北太平洋地域での整備拠点となれば、在日米軍、韓国、台湾の戦闘機が飛来することになります。2009年に防衛省に提出した「米軍機が使用しないように」という地元2市1町の要望をどう受け止められるのでしょうか?
(9)米軍、韓国軍、台湾軍はどのような法的根拠で飛来するのでしょうか?
例えば着陸申請は誰がおこなって、使用料は誰が払うのでしょうか?
(10)三菱南工場がF35ステルス戦闘機のリージョナルデポになることに対し、県 としてはどのような見解をお持ちですか。


3、戦後初の純国産戦闘機・次世代実証機X2心神の試験飛行について
   X2心神の試験飛行が昨年なされました。心神は85%が国内部品で関連企業も1000社以上といわれます。影響が大きく軍需産業の拡大となります。県営空港の滑走路を使用することになりますが、この開発について県としてはどうお考えですか?


4、昨年、伊勢志摩サミット時、5月20日に米軍のC17輸送機2機とオスプレイ5機が県営名古屋空港に飛来しました。
(1)飛来の経緯の説明を教えてください。
(2)名古屋の市街地を飛行する報道写真が新聞に掲載されました。飛行ルート、高度、飛行モードの変更などの説明はありましたか?
(3)オスプレイ飛来の法的根拠はどういうものでしょうか?
(4)住民に情報を知らせなかったのはなぜですか?
(5)オスプレイは沖縄では墜落しました。
米海兵隊によると、MV22オスプレイについて10万飛行時間当たりの重大(クラスA)事故率が最近5年間は3.44件です。2012年10月の沖縄配備前の事故率は1.93件で、日本政府は安全性を示す指標の一つと説明してきましたが、それより1.8倍に増加しています(中日新聞4月17日)。安全性に大きな疑問があるオスプレイを名古屋空港に飛来しないよう対応してください。


5、アジアNO1航空宇宙産業クラスター形成特区に関して
(1)県の航空宇宙産業の育成事業において、民生企業、軍需企業をどのように区分していますか? 軍事につながる可能性のある企業は補助の対象外とする態度が必要ではないですか?指針はあるのでしょうか?
(2)MRJ生産に関しては、県は用地売却などをして支援していますが、三菱航空機の量産計画が進展しないなか、三菱重工が「MRJの開発、すべてについて直轄する」と昨年11月に発言しています。戦闘機を生産、修理する企業(三菱重工)が直轄する企業(三菱航空機)を県が支援することになります。このことをどう整理されておられるのでしょうか?
(3)「あいち航空ミュージアム」が11月開館予定です。そこでのゼロ戦展示は見送られました。私たちは適当な判断だと思います。しかし、「航空フィールドミュージアム構想」では、見学・観光のルートのなかに軍事的な施設がはいっており、問題です。小牧基地を始め軍事施設を見学の対象にしたり、観光化したりすることをやめてください。
(4)日本学術会議などを中心に、軍学共同体形成への懸念が言われ、社会的関心が高まっています。名古屋大学は「戦争目的の研究や教育をしない」と明記した「平和憲章」を制定しています。今年の夏ごろまでに、軍事技術に直結する研究に歯止めをかける独自の指針を策定するとしています。名古屋大学は特区に指定されていますが、どのような研究がおこなわれていますか? 県としてはどのような支援をおこなっていますか?


6、その他
(1)自衛隊機が飛行訓練をおこなっている地域の住民の方より、自衛隊機が低空飛行をおこなったり、編隊飛行をしているとの報告があります。県は実態を把握されているのでしょうか?どのような対策をとられていますか?
(2)「安全保障は国の専管事項」という考えは改めてください。1994年国連は「人間の安全保障」という考え方をとりいれ、昨年12月には国連総会で、「平和への権利」が決議されました。自治体も安全保障を実現する当事者と思いますが、いかがでしょうか?
(3)県は空港にかかわる権限を持つ設置管理者として、県民、周辺住民の平和な生活を守るという立場から空港運営をし、またその立場から小牧基地や防衛省との対応をしてください。
(4)愛知県は「平和と幸福実現のために努力する」という平和県宣言を1963年に表明しています。この宣言の実現のためには、どういった事業をすすめられていますか?担当部署もお教えください。「日本非核宣言自治体協議会」や「平和首長会議」には県内の多くの自治体が参加していますが、連携した事業はありますか?

   以上文書での回答をお願いいたします。5月8日必着でお願いします。
                               


不戦へのネットワーク