サミット警備に乗じた県営名古屋空港へのオスプレイ飛来に抗議します。(2016年5月24日) |
愛知県知事 大村秀章 様
日々、県政の尽力されていることに敬意を評します。私たちは、名古屋に事務所を置き平和や人権の問題に取り組む市民団体です。
5月20日午後、米軍機オスプレイ5機が、伊勢志摩サミットの警備と称して「ひっそりと」着陸しました。報道によると、外務省の要請とのことで事前に県民には知らされることはありませんでした。21日には、中部空港経由で三重県方面へ飛行ルートの確認のために飛行したと報道されています。
私たちは、サミットの警備を理由としたオスプレイの飛来に対し、断固抗議をします。サミットの警備は「テロ」の脅威を名目にまるで戒厳令のような警備態勢が敷かれています。名古屋空港へのオスプレイ飛来を始め、名古屋港には護衛艦「いずも」をなどの自衛隊艦船が寄港し、いたるところに警察官が配置され市民生活に大きな支障が生じています。明らかな過剰警備です。
そもそも、オスプレイは、開発段階から事故が多発している欠陥機です。普天間基地に配備された当初は、10万飛行時間当たりの重大(クラスA)事故の発生率は1・93件でしたが、15年12月時点で3・69件と約2倍に増加しています。沖縄への配備に際しては、県民の多くが反対し大規模な県民集会を開き意思表示をしました。それにも関わらず配備が強行され、配備後は、運用制約は形骸化し、夜間飛行や市街地上空での飛行を繰り返しています。事故が多発する危険極まりないオスプレイが、市街地が広がる名古屋空港周辺を飛行することは断じて許せません。
小牧基地のあり方について地元二市一町は「輸送と教育」という従来の役割に限定するように再三防衛省に申し入れています。今年おこなわれた、小牧基地航空祭でのブルーインパルス飛行についても、中止の要請をしています。しかし、近年の小牧基地は、空中給油機の配備、ブルーインパルスの強行、加えて政府の武器輸出解禁に伴って隣接する三菱重工小牧南工場での国産ステルス戦闘機の開発、最新鋭ステルス戦闘機F35の修理拠点候補などが進められようとしており、県営名古屋空港の滑走路は「輸送と教育」を逸脱した運用に向かっています。
小牧基地の滑走路は県営名古屋空港の滑走路を借りて使用しています。県が管理運営の権限があるはずです。周辺自治体や住民の意向を尊重するということは言うまでもありません。外務省の要請があったとは言え、県民にその事実を知らせない態度は、県民の生命、財産を守るという自治体の使命からしてあってはならないことと考えます。危険なオスプレイの飛来について中止するよう意思表示をすべきだと考えます。
米軍のオスプレイは、沖縄県内だけではなく、全国で飛行訓練をします。これを契機に、オスプレイを始め米軍機の飛来が常態化することを危惧します。県営名古屋空港の管理運営する県は、県民の命と財産を守ることを第1の仕事として、今後オスプレイはじめ米軍機の飛来がないように毅然とした態度を取るよう強く要請します。
2016年5月24日 不戦へのネットワーク