不戦へのネットワーク


ブルーインパルス飛行等についての申し入れ(2012年9月24日)

愛知県知事 大村 秀章様

不戦へのネットワーク

 10月13、14日に中部国際空港で開催される「国際航空宇宙展」パブリックデーイベントとしてブルーインパルス飛行が行われます。今回の飛行の拠点として小牧基地が使われるそうです。

 小牧基地でのブルーインパルス飛行は、地元住民、自治の反対で実現できないでいることは県当局は充分に承知していることです。

 中部国際空港での飛行も民間空港での飛行の危険性、また軍事利用の拡大につながるものであり、小牧基地での飛行と同様に認められるものではありません。

 小牧基地ー名古屋空港で飛行できないものが中部国際空港なら許されるというのは、行政の一貫性としておかしなものです。

 今回の国際航空宇宙展の実行委員会には愛知県も加わっています。さらに中部国際空港の運営には愛知県も大きな役割をはたしています。県が直接関与するものではないという逃げ口上を言わないできちんとした対応をとるように要請します。

 今回の飛行は小牧基地を拠点に行われます。14日は小牧基地の航空祭が開催されています。ブルーインパルスの展示飛行が行われなくても、離着陸だけでもアピール力は大きなものがあります。あえて今回小牧基地を拠点とする意味ははっきりしています。来年以降、念願の飛行を行うための地ならし、準備そのものです。

 愛知県はこのような意図を持ったブルーインパルスの県営名古屋空港の利用(滑走路使用)を認めてはいけません。

 愛知県の空を軍事利用させないためにもブルーインパルス飛行を中止するように対応することを求めます。

 次にオスプレイについてです。愛知県は直接関係することはないですが、決して無関係ではありません。低空飛行訓練のルートは岐阜県にかかることが言われており、岐阜県は防衛省への問い合わせなど対策を始めています。愛知県は訓練ルートではないですが、訓練空域への往復に愛知県上空を飛行する可能性はおおきいです。さらに訓練拠点として岩国基地と共に東富士演習場が使われます。配備が強行されようとしている沖縄からの移動ルートとして愛知県上空や近接空域を飛行することになります。

 故障等の緊急時に岐阜基地と共に、小牧基地に飛来する可能性も非常におおきいです。現に厚木基地所属の戦闘機が理由不明の「緊急着陸」を強行したこともありました。空港管制を自衛隊が行っていることも合わせて全く想定外のシナリオではありません。今回のオスプレイ配備ではまず岩国基地で整備訓練を行い、低空飛行訓練を全国で行うなど日本列島すべてをアメリカ軍の軍事基地として自由に使う意図が見えています。日本政府はアメリカの言いなりであることはオスプレイ配備だけでなく、原発政策でも同様であることが明らかになっています。

 県民の命と安全を守ることが第一の目的である地元自治体がきちんと問題の所在を把握して対応することが必要です。それこそが本当の意味での「地方分権」のあり方でしょう。

 最後に頻発する小牧基地所属の航空機による、部品落下や「事故」などについて、形式的な再発防止の申し入れだけではなく、実効性のある対策を実現させるための方策をとることを求めます。

 小牧基地は、問題が起きるたびに、再発防止処置をとることを言います。しかし、同様なく事故などが一向に減りません。もはや小牧基地や自衛隊に、安全に航空機を飛行させることができないのは明らかです。

 抜本的な対策がなされ、事故などがなくなることが明らかになるまで滑走路の使用を認めないなどの対応が必要です。頻発する事故、故障、部品落下などをみると、住宅密集地にある名古屋空港で、重大な事故が起こる危険性は、非常に大きくなっています。

 繰り返しになりますが、自治体行政の第一の目的は、住民の生命、財産の安全を守ることです。このことに知事以下すべての県職員の力のすべてが使われる必要があります。

 国政選挙などの政党づくりなどを住民は求めていません。愛知県の空をアメリカ軍の飛行機が自由に飛んだり、自衛隊の軍事力を誇示するために使うことをやめさせることこそ住民の生命を守る自治体の本来の業務です。

2012年9月24日


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