伊勢湾マリンフェスタに伴う海上自衛隊艦船の名古屋港入港及び一般公開に関して抗議と中止の申し入れ (2010年8月26日) |
防衛省 防衛大臣 北澤 俊美様
横須賀地方総監部 様
来る、8月21日から22日まで、名古屋港・四日市港において「伊勢湾マリンフェスタ10」が行われます。名古屋港には護衛艦「こんごう」「しらゆき」掃海母艦「うらが」など4隻、四日市港には、護衛艦「ひゅうが」「しらね」など、10隻が入港し、体験航海や艦艇の一般公開、電灯艦飾などが行われます。商業港である名古屋港及び四日市港でこのような大規模に自衛隊の艦船が集合し、一般公開や体験航海など行うことは、一種の軍事パレードであり、港湾の軍事利用につながることとして、決して看過できないことです。
言うまでもなく、戦前の港湾は、多くの軍艦の出撃基地として機能し、アジア・太平洋諸国の人々に多大な犠牲を強い、また「日本人」も多くの犠牲を払いました。この反省から、戦後、二度と民間港を出撃基地にしてはならないとして、「交通の発達及び国土の適正な利用と均衡ある発展に資するため、港湾の秩序ある整備と適正な運営を図り、航路を開発し、保全することを目的」に港湾法ができ、国の管理ではなく自治体管理となりました。
名古屋港はもちろん日本各地の港湾には多くの米艦船や自衛隊艦船が頻繁に入港するようになりました。このことは、商業港として経済を活性化させてきた役割、また、戦前の教訓から得た「港湾の平和利用」の精神に反します。
今回入港する艦船は、いずれも今も続く、アメリカによるアフガニスタン攻撃の後方支援として行われた、インド洋(アラビア海)でも補給活動を行っていました。また、新型ヘリ搭載艦であり、実質的なヘリ空母といえる「ひゅうが」は、ますます進む米軍と一体となった自衛隊の海外派兵を強化する艦船であり、その一般公開や体験航海は、日本の軍事力の誇示以外の何ものでもないといえます。
このようなイベントは、名古屋港の軍港化につながります。憲法9条で規定されている、軍事力の不保持に反して、ますます強化されている自衛隊の軍事力を誇示することにより、軍事を日常の中に浸透させようとする意図の表れです。
私たちは、港湾の軍事化に道を開き、軍事力の誇示のための今回の伊勢湾マリンフェスタに対し、厳重に抗議をすると共に以下を要請します。
1.伊勢湾マリンフェスタ10に伴う自衛隊艦船の名古屋港入港を中止すること。
2.艦船の一般公開・体験航海を行わないこと。
3.港湾の平和利用の精神を持った港湾法を遵守し、今後民間港への艦船の寄港は行わないこと。
2010年8月16日 不戦へのネットワーク