不戦へのネットワーク 有事法制反対ピースアクション

アメリカ軍普天間基地の即時閉鎖と、辺野古への新基地設建設の中止を求める要望書
(2009年11月13日)

アメリカ合衆国 バラク・オバマ大統領様

 私たちは、愛知県内で沖縄の普天間基地の撤去、辺野古への新基地建設に反対する市民グループです。バラク・オバマ大統領の来日を機に、普天間基地の全面撤去と辺野古への新基地建設を中止するように要請します。

沖縄はこれ以上の基地による負担を受容することはできない

 1996年4月のSACO合意により、普天間基地の全面撤退が表明され、その代替施設として名護市辺野古沖への新基地建設が言われてからすでに14年になります。いまだ実現していないのは、沖縄にはこれ以上の基地による負担を受容する余地のないことを示しています。悲惨な沖縄戦を体験し、戦後も基地建設のために銃剣とブルドーザーで、土地を奪われ、故郷を追われてきました。また、基地があるゆえに殺人をはじめ、様々な人権被害を受け続け、社会的・経済的な不利益を被っている沖縄の人たちにとって、これ以上の基地による負担を容認する余地はありません。 

沖縄の人たちは新基地建設を同意していない

 2005年10月に日米両政府によって発表された「日米同盟 未来のための変革と再編」の中間報告と翌年5月の「再編実施のための日米のロードマップ」の中で、普天間基地の移設先は、名護市にあるキャンプ・シュワブの沿岸の一部を埋め立てるいわゆる「沿岸案」が合意されました。この「沿岸案」は、沖縄県民には何の説明もなく、同意したものではありません。
 名護市辺野古への新基地建設は、97年9月の名護市の住民投票ではっきりNOが示され、また、最近のマスコミによる沖縄県内の世論調査でも、普天間基地の県外・国外移設に賛成が約70%、辺野古への基地建設に反対は67%になっています。沖縄の民意は、普天間基地の即時撤退と、県外・国外移設です。

新基地建設は、沖縄の自然を破壊する

 移転先となっている、キャンプ・シュワブ沿岸の大浦湾や辺野古沖には、ジュゴンや世界でも有数の青サンゴの群落など、貴重で多様な生物の宝庫になっています。ジュゴン保護をめぐっては、2003年9月、アメリカの連邦裁判所に対し、文化財を守ってもらうための訴訟を提起し、2008年1月24日、米国・連邦裁判所は訴えを認める判決を出し、米国政府にも沖縄のジュゴンを保護するための配慮をしなくてはならない義務があると断じました。地球環境を保護する上でも、辺野古への新基地建設に反対します。

私たちは、戦争のための基地建設を拒否します

 日本国憲法第9条は、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」としています。貴国は、イラク・アフガニスタンへの戦争を継続し、在日米軍基地はその出撃拠点となっています。今月はじめに貴国の陸軍基地「フォードフッド」で起きた大変不幸な銃乱射事件は、戦争がもたらす悲劇が他国の兵士や民間人を殺戮するだけでなく、自国の兵士にも大きな犠牲を強いることを端的に物語っています。私たちは、国の最高法規である憲法に則って、国際紛争を解決する手段としての武力行使には反対する立場から、普天間基地の閉鎖と新基地建設を拒否します。

 沖縄の人たちは、一貫して普天間基地の県内移設や米軍再編計画に反対してきました。1950年代半ばに本土から沖縄に移駐してきた海兵隊が、半世紀以上も沖縄に駐留し続ける理由はありません。

 普天間基地の撤去問題を早期に解決するためには、日米両政府が沖縄の要求を真摯に聞き、「チェンジ」に向かうために決断をすることが必要です。普天間基地の無条件閉鎖と辺野古への新基地建設を断念するよう要求します。

2009年11月13日

NO BASE辺野古☆名古屋
命どぅ宝あいち
日本聖公会中部教区沖縄プロジェクト
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