辺野古への新基地建設と県内移設に反対する申し入れ書(2009年11月8日/不戦へのネットワーク) |
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫様
外務大臣 岡田 克也様
防衛大臣 北澤 俊美様
本日(2009年11月8日)沖縄では「辺野古の新基地建設と県内移設に反対する県民大会」が開かれています。私たちは、政権公約で上げた、普天間基地の県外・国外移設にむけ、真摯に対応されるよう強く申し入れます。
民主党は、マニフェストで「日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む。」とし、沖縄ビジョンでは「辺野古新基地建設反対、普天間基地の県外・国外への移設」を明記し、政権の座に着きました。
しかし、政権成立後は、岡田外務大臣の嘉手納統合案、北澤防衛大臣の辺野古現行案支持発言と、その主張を反故にするような発言が続いています。辺野古の新基地建設については、地元はもちろん、県内外から強い反対があります。辺野古沖や大浦湾には貴重なジュゴンや青サンゴの生息地であり、重大な環境破壊を招きます。
嘉手納統合案についても、嘉手納飛行場の騒音問題が受忍限度を超えていることは、司法の場でも繰り返し証明されており、本年2月の福岡高裁那覇支部での控訴審判決でも「国は騒音状況の改善を図るべき政治的責務を負っている」と指摘しています。しかも、F22戦闘機のローテーション配備が常態化し騒音被害はさらに増しています。このような中での嘉手納統合案は、沖縄の負担軽減にはなりません。
沖縄県民の民意は県外・国外移設
1997年の名護市民投票で、辺野古への新基地建設には明確にNOの意思表示をしています。また、最近のマスコミによる世論調査でも、「辺野古移設反対」が67・0%、「嘉手納統合反対」が71・8%、在沖米軍基地については「整理縮小すべきだ」52・1%、「撤去すべきだ」31・4%で計83・5%。圧倒的な数字になっています。先の衆議院選挙では、沖縄では4選挙区全部で辺野古移設反対を唱える候補者が当選しています。2008年7月、沖縄県議会は、「辺野古基地建設反対」の決議を挙げています。
沖縄の民意は、嘉手納統合でもなく、ましてや辺野古への新基地建設推進でもなく、一貫して、普天間基地の即時閉鎖と、辺野古への新基地建設反対ということは明らかです。
「日米同盟」を根本的に見直し、沖縄の基地の縮小・撤去を
普天間基地の撤去は、1995年の少女暴行事件を契機に、基地があるゆえに起こる事件・事故、人権侵害や環境破壊にもうこれ以上我慢ができないと基地の縮小撤去見むけた大きなうねりの中で、日米で合意されました。しかし、それは辺野古沖への新基地建設の条件付という、沖縄県民にとってはそもそも到底受け入れられるものではありませんでした。
民主党は、そのマニフェストで「米軍再編」の見直しを明言し、鳩山首相の所信表明では「沖縄が背負ってきた負担、苦しみや悲しみに思いをいたし、しっかり受け止める」との姿勢を示した。また、2日の衆議院予算委員会でも、「沖縄の皆さんの理解だけが最低限得られていないと話にならない。慎重に沖縄の皆さんの気持ちも理解し、最終的な結論を出したい。」とも述べています。沖縄の民意は明らかです。公約を尊重し、普天間基地の即時撤去と辺野古への新基地建設の中止を強く要望します。
不戦へのネットワーク(2009年11月8日)