不戦へのネットワーク 有事法制反対ピースアクション

空中給油機の事故に対して、原因究明と飛行中止・撤去を求める申し入れ書
(2008年12月13日:不戦へのネットワーク)

防衛大臣
浜田 靖一様

航空自衛隊小牧基地司令   
石野次男様

 12日、日本海上空の訓練空域で試験運転中の空中給油機の給油管が収納できず、航空自衛隊岐阜基地へ緊急着陸し、その際、滑走路と給油管が接触し、火災が発生するという事故がありました。幸い、火災はすぐに消化され、大事には至りませんでしたが、航空燃料を搭載した給油機の火災という、まかり間違えば大惨事になりかねない今回の重大な事故に対し、抗議をするとともに以下のように申し入れます。

 そもそも、今回導入された空中給油機は、その導入に当たり、納入先のボーイング社の各種検査が遅れ、米連邦航空局(FAA)による機体の安全性に関する証明取得に時間を要し、納入が再三延長されたという経緯を持っています、更に、1号機は導入から6日目に格納庫で検査中、翼の前縁部にあり着陸時に使う内側スラットが突然左右同時に下がり、エンジンのカバーとぶつかり、両翼とも双方が壊れ飛行できなくなるという事故も起こしています。その後も空調機器の不調などが起こっており、安全性に大きな疑問のある飛行機です。

 航空燃料を搭載した空中給油機が事故を起こせば大惨事になります。今回の岐阜基地への着陸も、小牧基地は県営空港と滑走路を共用しているためとしています。小牧基地の滑走路で事故が起これば、その被害は民間にも拡大し、更に大きくなることが予想されます。昨年10月には、航空自衛隊のF2戦闘機が墜落炎上した事故も起こっています。

 空中給油機は、空中でF15などの戦闘機に給油をすることで、戦闘機の航続距離が延び、有事の即応体制が強化されるものです。防衛局(当時は、防衛施設局)は、配備は基地機能の強化には当たらないとしていますが、その役割からして明らかに基地機能の強化につながるものです。そもそも導入決定に際しては、国会でも「専守防衛に反する」と反対の声が多くあり、日本には必要のない、配備してはいけない飛行機です。

 今回は大事には至りませんでしたが、私たちが危惧をしていた事故が現実に起こってしまいました。小牧基地は、県営空港と滑走路を共有しており、市街地の真ん中にあります。大事故につながらないように、以下のように申し入れます。

1. 事故原因の徹底的な究明し、その情報を公開すること。
2. 事故原因と再発防止が徹底されるまで飛行は中止すること
3. 欠陥機の疑いのある空中給油機のこれ以上の導入をやめ、現在あるものも撤去すること

2008年12月13日  不戦へのネットワーク


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