有事法制反対ピースアクション 不戦へのネットワーク

年内撤退に際しての申し入れ書(2008年11月22日:東海民衆センター)

航空自衛隊小牧基地司令 石野次男様
航空自衛隊小牧基地隊員・家族の皆様

 すでにイラクからの年内撤退が決まり、一日も早く無事に帰ってこられることを望んでおられることと思ます。

 そんな中で、最近大変気がかりな問題が発生しました。10月31日、皆さん方のトップ田母神幕僚長が「わが国が侵略国家だったというのはぬれぎぬ」と主張する論文が発覚したことです。当然にも更迭処分されましたが定年退職とは理解できません。

 戦後日本は、軍部の独走が国を破綻させた過去を反省し、その上にたって平和国家として歩んできました。自衛隊というかたちで再び実力組織を持つことになった際も厳格な文民統制のもとに置き旧日本軍とは隔絶された新しい組織にすることが大原則でありました。憲法9条に違反するという反対論の根強かった中で、国民の信頼を築いて来られたのは、この原則からの逸脱を厳しくいさめてきた皆さん方の半世紀におよぶ努力の結果ではないでしょうか。

 又、論文が政府は戦後50年の1995年8月15日、当時村山首相が「我が国は遠くない過去の一時期、国策を誤り植民地支配と侵略によってアジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えた」と認め「反省とおわび」を表明する談話を発表し以降、麻生政権に至る歴代政権が踏襲してきた、この「政府見解」を真向から否定する歴史認識に貫かれたものとなってはいないでしょうか。

 論文は集団的自衛権や武器使用に対する憲法上の制約に憤懣を述べるなど空幕長といえども文民統制にも許され限度を超えています。又、田母神氏は4月のイラクでの空自活動を違憲とした名古屋高裁判決を「そんなの関係ねえ」と発言し批判されました。

 最近、防衛大、統幕学校などで侵略戦争を正当化する報道もされ、一個人の問題性から、防衛省としての様相を帯びてきたとは言えないでしょうか。

 アフガンで活動されているペシャワール会の中村さんは、日本が米国の軍事活動に協力していることが知られるにつれて、身辺に危険を感じ「日の丸」をはずさざるを得ないと発言されています。皆さん、悲惨な敗戦に至る戦前の歴史を繰り返し謙虚に振り返ってください。以上

2008年11月21日 東海民衆センター


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