「イラク特措法」にのっとり一日も早くイラクからの撤退を求める申し入れ書(2008年5月24日) |
石野基地司令及び隊員の皆さまへ
すでに何度もここへお訪ねして何度も申し上げてきましたが、改めてイラクからの撤退を求めます。
今イラクの現状がどうなっているか、私たちにはわかりません。これまでもイラクに関する情報は非常に少なく、四川の惨状が極めて詳細な映像に知らされているのと好対照です。しかし、占領するアメリカ軍が依然として15万5千人体制をとり続けていることは確かであり、あなたがたのC130がその米軍に加担していることも確かなことです。クウェートに駐留する隊員の皆さまの現実は、想像を絶する厳しいものだと思います。それを送り出している小牧基地全体もまたそれに直面しています。命令を出している政府や防衛省が何を考えているのかさっぱりわかりません。非戦闘地域だから安全だなどと、今となってもまだ同じことを繰り返しているところをみると、不測の事態が起こるまでは言い続けるのでしょうか。
私たちは4月17日の名古屋高裁判決に励まされて、引き続き基地司令や隊員の皆さまへ、私たちの強い要望をお伝えすべく本日も申し入れにやってまいりました。
防衛庁が防衛省に昇格して以来、防衛省に対する不信感が市民の間に広まっています。そのさなか、ここ小牧基地の軍用機事故が続出しており、地域住民や自治体が不安と不信感をつのらせて何度も再発防止の申し入れを重ねています。基地として、素早く事故の情報を公表し、原因を明らかにし、さらに二度と起こさない対策を練ることは当然のことと思いますが、それら重大な責任を曖昧にするのであれば、イージス艦衝突事故を起こした海上自衛隊に対するのと同様不信感を、小牧基地に持たざるを得ません。ましてや、最新のKC767一号機が、配備直後6日目の3月5日に事故を起こし、いまだに飛行できていない事実を、3ヶ月後の5月21日になって中日新聞朝刊でやっと知るありさまです。こうした経過から、「事故隠し」と非難されてもしかたがありません。この付近住民ばかりか万一事故となれば被害をこうむりかねない地域全体の人々は、このニュースに接し「小牧基地は何か変だ」と、思うに違いありません。私たちは、これらのことの根底に、5年も続くイラク派兵の重圧があると思っています。この重圧をなんとかしてはねのけるために、微力ながら私たちも日々動いてきました。
同日中日新聞夕刊に木村靖記者が載せた目耳録というコラム「自衛隊の子」には、考えさせられるものがありました。「パパは何も悪いことをしていないって、ば・・・」5年前にそう言った少年が、今中学生となって「名古屋高裁で空自のイラク活動に違憲判断が出たから来たんでしょ?今も昔もオヤジは何も悪いことはしていません。文句があるなら日本政府、福田首相にお願いします」と言いました。同感です。
しかし、私たちが問題せざるを得ないことは、そのパパたちは悪くないけれども、イラクの人々から見れば「殺しに来ている」米軍の味方であり、政府や防衛省の命令に従ったパパたち自身の命も危ないということなのです。それを見過ごすわけにはいきません。
石野司令にお願いします。4・17判決では「憲法九条一項に違反し、イラク特措法にも違反する」とありますが、これをまつまでもなく、そのイラク特措法にのっとって、一日も早くイラクからの撤退を意見具申してください。
2008年5月24日 有事法制反対ピースアクション