有事法制反対ピースアクション 不戦へのネットワーク

空中給油機の導入に抗議し航空自衛隊のイラクからの撤退を求める申し入れ書(2008年2月23日)

小牧基地司令 石野 次男 様
隊員の皆さまへ

 海上自衛隊イージス艦「あたご」がマグロはえ縄漁船「清徳丸」に衝突し、乗組員の吉清さん親子が行方不明になっているという大変痛ましい事故がありました。いまだ行方の分からないお二人のご家族の心中を思うと心が痛みます。イージス艦「あたご」は、自動操縦を続け、回避処置もとらず一直線に進行した結果、事故が起きたと報道されています。最先端の機能を備え、「日本の防衛に対処するため」にと作られた自衛艦が、漫然と安全策を取らず航行し、民間人の犠牲者を出すなどあってはならない事故で、その責任者である石破防衛大臣の責任は重大です。守屋元防衛事務次官らによる防衛汚職の問題の真相究明もされていません。巨額の費用を要する軍需産業が利権がらみの汚職の温床になっていることは明らかです。

 また、沖縄では駐留する海兵隊員による女子中学生やフィリピン人女性に対する暴行事件が起こっています。住民の人権、とりわけ女性に対する人格を無視したこのような卑劣な事件は沖縄だけでなく、岩国でも横須賀でも発生しています。

 これらの事件・事故は、基地・軍隊の存在そのものが人命や人権を守ったりするものではない、という本質をよく表していると考えざるを得ません。自衛隊員一人一人の皆さんが、いかに「人のため、国のために」と高い志をもって入隊されても残念ながら軍事組織の本質は変わらないと私たちは思っています。

 だからこそ、こうして毎月、「自衛隊のイラクからの即時撤退」の申し入れを続けています。この間、何度も申し入れの中で書きましたが、小牧基地から派遣されているC130輸送機で運んでいるのは、イラクの空や地上から、イラクの人々を攻撃し、殺すための物資や兵員です、そのことは、イラクの人たちのための「人道復興支援活動」では決してなく、アメリカの無謀・卑劣な一方的な「戦争」への加担なのです。皆さんの志とはまったく違う活動です。私たちは、みなさんが一日も早く自分たちのやっている活動が何を意味しているのかを気づいて欲しい、、そして引き返して欲しい、国や政府の言うことを諾々と聞くのではなく、憲法に照らして自ら判断をして欲しいと思うからです。どうかそのことを真剣に考えていただきたいと思います。

 PKO等協力法の成立以後、空の派兵拠点として機能しているこの小牧基地に、ついに空中給油輸送機が配備されます。基地機能はさらに強化され、今後ますます任務を拡大していくことに私たちは非常に大きな危惧と不安を持っています。関東各地に配備されたPAC3ミサイルが今年度からこの東海地方の浜松・岐阜・三重にも配備される予定になっています。日本全国、ますます既成事実としての軍事化が進み、一方法律の面では、この国会にも海外派兵恒久法が上程されようとしています。もしその法律ができれば実質的な改憲です。私たちの父や母、祖父や祖母の時代は戦争の時代でした。そこで多くの一井の市民が「犠牲」になりました。今、イラクやアフガニスタンでも起こっているのは、一井の民間人が犠牲になるという同じことが繰り返されているのではないでしょうか。軍備を拡充したり、新たに派兵のための法律を作ったりすることはまた同じような被害者を増やすことになります。

 その流れを止めるためにも、自衛隊のイラク派兵をやめなければならないと考えます。
 今すぐにでも戦争加担をやめてください。イラクから一刻も早く撤退してください。

2008年2月23日
有事法制反対ピースアクション


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