基地軍隊がある限り事件・事故はなくならない 沖縄の女子中学生暴行に抗議し、在日米軍基地撤去を求める申し入れ書 (2008年2月12日:不戦へのネットワーク) |
福田内閣総理大臣様
私たちは、名古屋で平和や人権の問題に取り組む「不戦へのネットワーク」という市民グループです。
10日、午後、沖縄県北谷町で、在沖縄米海兵隊キャンプ・コートニー(うるま市)所属の二等軍曹タイロン・ルーサー・ハドナット容疑者が女子中学生を暴行するという、女性の人権・尊厳を踏みにじる到底許せない事件に強く抗議するとともに、今回の事件に対し、事件の本質を見据え、厳重に対処されるよう強く要求するものです。
今回のような事件・事故が起きるたびにアメリカ政府やアメリカ軍は、「再発防止」「綱紀粛正」という掛け声だけはあげますが、アメリカ兵による事件・事故は一向に減っていません。沖縄だけでなく、在日米軍が駐留をしている横須賀・岩国などでも同様な事件が起こっています。小手先の対策ではなんら効果が上がらないことを証明しています。日本政府の対応にも問題があります。抜本的な解決への道筋は明らかにしません。今回のような事件がくりかえされる本当の原因は基地が存在しつづけるということです。
とりわけ海兵隊は有事の際にただちに対応する部隊として日常的に臨戦態勢下にあります。とりわけアフガン、イラク戦争開始後は現地と一体となったきわめて高い緊張のなかにあります。戦争をつづけながら、兵士にだけモラルを求めても矛盾は温存され抜本的な解決の方向性はみいだすことができません。必要なのは掛け声だけの「綱紀粛正」や外出手続きなどの技術的対処ではありません。兵士を戦争という非日常的行為からの解放すること、アフガン、イラクからの撤退と今後戦争行為を行わないことが必要です。そのための第一歩として戦争のための基地を撤去することが強く求められるのです。
1995年9月、沖縄では同じようにアメリカ兵による少女暴行事件が起き、地位協定の見直しと基地の整理縮小・撤去に向け、沖縄県にはもちろん日本本土でも大きな運動が盛り上がりました。それ以後「沖縄の負担軽減」を理由に、基地の整理・縮小・撤去が課題になりましたが、それはいつの間にか県民の声を無視した名護・辺野古への新基地建設の推進に向けられ、嘉手納基地の機能強化、在日米軍の演習や自衛隊との共同訓練も強化されています。
更には、沖縄を、アメリカの先行きの見えないアフガニスタンやイラクへの「テロとの戦い」という違法な戦争の出撃基地として位置づけ、「戦争に加担したくない」という 沖縄の心ある人たちの良心を踏みにじっています。
私たちは、今回の北谷町でのアメリカ兵による暴行事件に心から抗議するとともに、名護市辺野古沖への新基地建設を白紙撤回し、普天間基地の撤去を始め、基地の整理・縮小・撤去と地位協定の抜本的な見直しを行うよう、強く要請するものである。 さらに米軍の世界的規模での戦争遂行体制の強化のための米軍再編にともなう沖縄ー日本の米軍基地強化、自衛隊の米軍と一体化を目指した再編や海外派兵の恒久化をただちにやめることをも強く要請する。
不戦へのネットワーク