2007年10月31日の名古屋空港におけるF2戦闘機事故についての申し入れ(2007年11月1日) |
申し入れ書
小牧基地司令 浮須一郎様
私たちは愛知県で活動をしている市民団体で不戦へのネットワークといいます。昨日、10月31日午前9時10分ごろ、三菱重工業で点検整備中の自衛隊機F2が名古屋空港の滑走路上で離陸に失敗して炎上するという事故がありました。この事故に関連して申し入れします。
大きな事故にもかかわらず、乗務員・パイロットの方は軽いけがですんだということで幸いでした。しかし、一つまちがえば大惨事はまぬがれず、周辺住民に与えた不安・恐怖は大変大きなものがあります。周辺自治体もすぐさま抗議・申し入れをおこなったと報道されています。
県営名古屋空港はローカル線を中心としたコミュター空港として再出発しました。採算をとることが困難と思われるにもかかわらず、こうした形となった背景には、地元住民・自治体の名古屋空港が自衛隊の空港となってしまうことへの大きな不安があったと私たちは考えています。今回の事故はその不安が的中してしまったかたちとなりました。事故の原因究明はまだなされてはいませんが、そもそも、戦時・緊急時での最高の性能と操縦性を重視する戦闘機が、安全性を第一として設計・製作されているかは疑問です。そしてその運用・使用も民間機とは違いがあります。事実、自衛隊機は民間空港である名古屋空港でタッチ・アンド・ゴーをくりかえしたり、編隊飛行をおこなうなどしています。住宅地と隣接するこの民間空港に危険な自衛隊機はふさわしくありません。そして今度の事故ではっきりしたのは、三菱重工業が名古屋空港をテスト・実験飛行の場所として使用しているという事実です。そしてもう一つ、以前から指摘されていたことですが、F2機はトラブルをかかえ続けている戦闘機であるということです。
今度の事故以前より、小牧基地の基地機能の強化には周辺自治体も一致して反対してきました。私たちも同様に基地機能の強化には反対ですが、小牧基地の基地機能のなかには、自衛隊機や米軍機の整備工場としての三菱重工の役割もあると思っています。
私たちは周辺住民のみなさんの不安な気持ちを考え、次のことを浮須司令に申し入れします。
問題解決されるまで名古屋空港でのF2の使用をやめさせること、C130やその他の機での編隊飛行、タッチアンドゴーなどの飛行訓練をおこなわないこと、訓練の安全性を徹底すること、以上文書にて申し入れします。
2007年11月1日 不戦へのネットワーク