有事法制反対ピースアクション 不戦へのネットワーク

海上自衛隊撤退1週間今こそイラクからの撤退を求める申し入れ書(2007年10月27日)

航空自衛隊小牧基地司令 浮須一郎様
隊員の皆様

 本日の航空祭でお忙しい中、申し入れを受けてくださり、ありがとうございます。浮須司令や隊員の皆さんが直面している問題を考えた時、この航空祭を単なる見せ物に終わらせるのではなく、見物に来た市民に対し、自由かつ率直に意見を表明し、また、市民の意見に耳を傾け、そのことによって今日の日が意味ある交渉の場になることを強く願っています。私たちの立場からすれば、軍事の宣伝とそれへの協力の場になってしまうような催しに賛成できませんが、空自のイラク派兵を唯一になっている小牧基地の方々を何を思い、どう考えているかを市民や国民が直接に知りえるチャンスだと理解できます。

 10月23日、「新テロ特措法」の審議が衆議院で始まりました。不祥事が相次ぐ防衛相に対し、野党ではなく与党の方から批判が続出しています。「灼熱のインド洋で任務に従事する海自隊員に、やましいことはいっさいないと弁明できるのか」「文民統制のあり方が問われている。あいまいにすることは許されない」と、徹底解明を今更と思いますが与党の公明党・自民党が要求しています。しかし、政権政党として自らも責任があることも認めなければなりません。「国防第一」「国益第一」と強く言ってきた国防議員や防衛省高官のこの言葉が、その裏で私腹をこやし、自分の利己的な地位を守るための方便で使ってきた言葉でしかないと多くの国民は受け止めています。

 守屋前事務次官と関係のあった山田洋行や日本ミライズに対し東京地検特捜部は、すでに今年8月から捜査を進めてきたと報道されています。自衛隊員倫理規定を無視し続け、特定の商社に武器納入などで利益を供与下のであれば、明らかに贈収賄事件になります。やがてこの基地にも配備される可能性のある次期輸送機CXのエンジン調達の輸入代理店が日本ミライズでした。日本全土で50機の配備予定ともなれば、予備部品など合わせて1千億円とみられています。山田洋行に対しては、ミサイルの追尾から逃れるための装置「チャフ・フレアー」水増し疑惑が浮上しています。小泉・安倍政権という権力をバックに「テロ特措法」「イラク特措法」を強引に成立させ、自衛隊員を過酷な現地に押しやり、米軍再編では沖縄や岩国の人に更なる過重負担を押し付けた防衛庁・防衛省の事実上の責任者が、今、安倍首相と同じように自己崩壊の一歩手前にあります。「専守防衛」を長年積み重ねてきた自衛隊OBの方々は、この事態をどのように受け止めているのでしょうか。

 一方、日本社会は、小泉・安倍の「改革路線」によって、自殺者1日82人以上、餓死者5日に一人というような社会になっています。「亡国のやからは誰だ!」と言いたくなります。福田首相が隊員や家族のことを真剣に考えるのであれば、一日も早くイラクからの撤退命令を出さなくてはなりません。そのためにも当事者である、小牧基地の隊員の皆さんの声が必要です。航空祭を皆さんの意見表明の場にしてください。有権者は聞く耳を持っています。

 イラク現地の米軍発表によれば、米軍への攻撃は1週間で4400件(※1)、実情はその3倍と報道されています。墜落したヘリコプター70機(※2)以上、改良された携帯ロケットPRG−7が大量に出回っていると報道されています。米軍の敗北戦争の犠牲になる必要はありません。選択は即時撤退あるのみです。

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(※1)は4400件ではなく1400件です。 (※2)は70機ではなく68機です。「申し入れ」の文面の数字を変えて掲載するのもあまりよくないなという判断で、本文にはそのままの数字を掲載しました。)


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