不戦へのネットワーク 有事法制反対ピースアクション

【不戦ネット会報47号/2007年9月27日発行】
はじめての沖縄 感じたこと 考えたこと ―嘉手納包囲行動に参加して―

 五月十三日に、最新鋭ステルス戦闘機や迎撃ミサイルの配備など、機能強化が続く嘉手納基地を人間の鎖でつないで反基地への思いを訴えようという嘉手納包囲行動が行われ、その行動に参加するために沖縄へ行ってきましたので、初めて参加した市民運動の感想を述べたいと思います。

 沖縄には行動前日に到着し、初日は沖縄平和記念資料館、戦中に病院壕として使われたアブチラガマを巡り、あらためて戦争の悲惨さというものを認識しました。とくにアブチラガマでは暗く長い鍾乳洞を歩きながら、六十年前の悲劇を想像し、二度とこんなことを起こしてはならないと不戦への思いを強めました。

 行動当日は全国各地から集まった一万五千人もの人々が基地の包囲を試みましたが、惜しくも鎖は繋がりませんでした。しかし、一万五千人もの人々が一堂に集結し、共に行動したこと自体に大きな意義があるのではないかと思います。平和を目指して行動しているのは自分達だけでなく、こんなに多くの仲間がいるんだということを実感し、励みになった人も多いはずです。沖縄では新聞やテレビなどのメディアでも大きく取り扱われ、沖縄県民の団結を強めていたように思いますが、その一方で沖縄以外の地域では、この行動はほとんど報道されず、沖縄の基地問題は他人事のような風潮がある気がしてとても残念でした。

 最終日には、現在も海上基地建設を阻止するために、命がけで行動している辺野古の人々のもとに訪れ、座り込みと緊急集会に参加しました。集会にはグアム、韓国、フィリピンからのゲストも参加して、基地問題をその地域だけの問題として捉えるのではなく、世界的な問題として捉え、共に力を合わせ取り組んでいくべきだと訴えました。やはり基地が沖縄からグアムへ、厚木から岩国へと移動しただけではなんの解決にもなりません。

 集会のあと那覇防衛施設局へと訪れ、辺野古の事前調査についてと阻止行動を妨害するための海上自衛隊派遣についての質疑応答を聴講しましたが、那覇防衛施設局の対応は質問になにひとつ答えないひどいものでした。このような態度は国民を無視した国の体質を如実に示しているように思えました。

 三日間という非常に短い期間でしたが、初めて行った沖縄はとても有意義に過ごせました。ソーキそばをはじめ、ゴーヤーチャンプル、グルクンなどの魚といった地元の食事を味わい、沖縄の文化に触れながら、さまざまな問題を目の当たりにし、自分ができることを考えました。米軍基地の影響は名古屋で実感することはありませんが、沖縄に行ってみて、飛行機の騒音や米軍施設などを実際に見たり聞いたりすることでこれは大変な問題であるとわかりました。一番印象に残ったことは、高速道路で見つけた「砲弾注意!」という看板です。これは注意してどうにかなるものなのでしょうか?

 砲弾に注意しながら生活する沖縄の人々のために私たちができることは、カンパや行動に直接参加することも、もちろんそうですが、問題の根底にある戦争というものをなくさなければならないと思います。身近なところではイラクへの派兵を行っている小牧基地や、ミサイルなどを生産する軍需工場が愛知県には多数あります。こういったところから私たちができることを模索していくことが大事なのではないかと思います。

(IZ)


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