【不戦ネット会報46号/2007年4月26日発行】 くるな給油機2,17大行進 ほんとにこなくなった空中給油輸送機 |
二月中の配備が言われていた空中給油機。なかなか反対の取り組みをつくれませんでしたが、配備予定直前の二月一七日に小牧基地(名古屋空港)三分の二周(約7キロ)のアピール行進をしました。当初は大行進などと大げさかなと思っていましたが、当日は五〇人もの大勢の参加で、にぎやかな大行進になりました。
空港西側から小牧基地側へ、三菱重工への抗議も含みながらの五時間近い行動になりました。
北西側のスタート地点(神明公園)から基地をみると、給油機用の格納庫もできあがっていました。基地正門前には、受入の飛行試験隊の看板も追加されており(正式発足は二月一日)受入準備はすっかり整っていました。配備当日には緊急抗議行動も予定していました。ところが情報をあつめてみても配
備予定日がわかりません。小牧基地の渉外も、まだきませんよといたってのんびりしています。
おかしいなとおもっていると、三月下旬の朝雲新聞に、配備は延期という記事がのっていました。本年度(〇六年度)は無理、場合によっては数ヶ月先延ばしというものです。装置のテストが成功しないものがあり型式認定が受けられないというものです。日本より先に導入予定のイタリアも二号機も完成しているのに納入の目途がたっていません。
不具合のあるものに、給油ブームもあります。納入予定直前の一月に実験成功とボーイングは発表しました。どうも技術の開発の目途がたたないまま見切り発車していたようです。
この給油機は現行の代替として米軍の大量採用を目論んでおり、イタリア、日本はそのための実績づくりと実物をつかっての開発テストに使われているのではという疑惑が起こってきます。安全性も充分に検証されていない実験機を導入しての小牧基地の海外派兵の拠点化は絶対にやめさせなければなりません。
2.17申し入れ書 抜粋
空中給油機(KC767)は、35年前の1972年、日中国交回復にあたり、当時の田中首相により「日本は他国に脅威を与えるような武器は持たない。従って空中給油可能な戦闘機も給油機も持たない」と明言せざるを得なかった危険な武器なのです。民間機が離発着する県営空港との共存などあり得ません。住民の安全と平和を守ることが責務である自治体は、本来配備に反対するべきですし、空港管理者である愛知県は、その危険性を広く県民に伝え、監視と滑走路の使用制約任務の決意を示しておく責任があるのです。しかし、前小泉政権以降、「安保防衛問題は国の専管事項」という主張に、自治体までもが任務を忘れ、引き継がれています。制服を脱いだ時、平穏で安全な生活を求める住民の立場からお考えください。
そして、何よりも「地球規模の日米同盟」を推進する限り、やがてアメリカの戦争協力に使われかねない危険性があります。更に、昨年の「機動衛生隊」の編成、C130の空中給油機化の着手、空中給油機能を持つUH60Jヘリの調達と、私たち市民の眼から見てもこの基地の機能強化が理解できます。アメリカの利益に押しまくられることを日米同盟の強化と政府や自衛隊が理解するならば、軍事的下請け化は必然です。法の改悪によって「専守防衛体制」の制約がなくなった今、KC767配備は、この基地が本格的な派兵拠点になることを意味します。アメリカという強大な国が、実は単独ではイラクやアフガニスタンという小国ですら上手くコントロールできない国であることをはっきり自覚する必要があります。
基地の外と中で、アメリカに強要される派兵拠点化にともに反対をしていきましょう。東アジア諸国が脅威と感じるKC767の配備を中止し、アメリカのイラクでの掃討作戦に加担し続け、空自隊員の命に関わるイラクでの「人道復興支援」活動から一日でも早く撤退をするために声を上げていきましょう。
くるな空油機2・17大行進 参加者一同