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小牧基地正門  2007年4月28日申し入れ  空港南より小牧基地を見る  空港南より小牧基地を見る2

特措法期限切れを前に、イラクから撤退していただくための申し入れ書(2007年4月28日)

航空自衛隊小牧基地司令  浮須一郎様
隊員の皆様

 7月末で期限が切れるイラク特措法の改正をやめるよう、期限切れを持って航空自衛隊の7月撤退をするよう、私たちは安倍政権に要求し続けています。国会においては野党民主党が4回目のイラク撤収法案を提出しています。与党は派遣期間が2年延長されたら隊員の皆様やご家族にどのような負担が加重されるかを考えることなく、数の力で改正法案の成立を目指しています。今の状況では、直接、浮須指令や隊員の皆様に、私たちの声を伝えるしかないと考え、本日も基地正門前にお邪魔しています。どうか私たちの心情を受け取ってください。

 今年、1月10日、安倍首相はアフガニスタン増派を検討中のNATOの会議で「今や日本は自衛隊の海外派兵をためらわない」と言い切りました。水面下で防衛省は、輸送機派遣の検討を続けたようですが、憲法違反の恐れが強く、現状では難しいとイタリアのブロディ首相に4月16日、安倍首相は見送りを伝えました。その代わり文民警察の派遣を決定しつつあります。おまわりさんもえらい迷惑な話です。ここで大事なことは、それならばアフガニスタンより何倍も危険なイラクになぜ自衛隊機を飛ばしているかと問わざるを得ません。この夏の参議院選挙が与党側に有利になった場合、もう一度アフガン派遣問題が焦点とならざるを得ません。

 そして、安倍首相は24日の国会で自らイラク空輸の中身を明らかにしました。新聞には「空自輸送、大半は米軍」と大きな見出しが出ました。私たちはもちろん業務の内容を公開するように要求してきました。それはイラクでの任務に法律違反があるのかないのか、イラクの人たちに敵対的な内容かそうではないのかを、国民に明らかにする義務が日本政府にあると考えてのことです。しかし、安倍首相の発言は「アメリカ軍を支援して何が悪い」という立場からのものと理解するしかありません。同時に、4年間めちゃくちゃにされているイラクの人々に対し、「日本はアメリカ軍にこんなに協力している」というメッセージを、数字を使って国会で公式に伝えたことになります。首相の頭の中に自分の発言がクウェート・イラクで活動をしている皆様の同僚である隊員の方々の安全にプラスになるのか、マイナスになるのか、そういう判断基準はまったくありません。

 26.27日、ブッシュ大統領に会いに行ったわけですが、頭の中はそのことばかりで「日本は頑張っていま。更に日米同盟を両国の利益のために強化しましょう」と言いに行ったとしか考えられません。行きがけの駄賃で、クウェートに寄って厳しい任務を強いられている隊員たちに「国益のために頑張っておられる隊員の皆様を誇りに思います」と言って、最高責任者である安倍首相は、少しも傷つくことなく日本に戻ってくるつもりなのです。

 今や、ブッシュ大統領の現地での最高司令官ウィリアム・ファロン海軍大将が繰り返し「もはや軍事的対応だけでは解決することは不可能。我々は恐ろしい局面に直面している」と発言せざるを得ないイラクです。若いアメリカ兵の戦死者も4月中旬で3300人を越えました。ブッシュ大統領は、その現実を見ようとしません。安倍首相も人道復興支援の余地などないことを考えようとしません。もはや自分たちの安全は自分たちで守るしかない、これが現地隊員の皆様の置かれた状況だと私たちは判断しています。

 浮須指令様
 どうかイラク特措法にのっとり、現地隊員の皆様の命と安全を考え、久間防衛大臣に対し早期撤退に向けた意見具申を一日も早くしてください。日本国憲法は今土壇場ですが、それでも皆様の安全を保障しているのが憲法です。その信念を持ってこれからも申し入れに参ります。第12次派遣隊員の皆様全員の1日も早い帰国の実現をめざして、私たち市民は、必死になってこれからも声を上げ続けていく決意を述べまして、本日の申し入れと致します。

 2007年4月28日
有事法制反対ピースアクション


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