■不戦へのネットワーク 有事法制反対ピースアクション

航空自衛隊のイラク派遣の即時中止を求めます
いかなる形でも、自衛隊の海外派遣は違憲です

(2006年12月2日入れるな核艦船!飛ばすな核攻撃機!ピースリンク広島・呉・岩国(28団体))

航空自衛隊小牧基地司令
浮須 一郎 様
                      申し入れ書

 私たちは、広島の周辺で、戦争に反対し、基地が戦争を準備し、戦争に関わることに反対する運動を進めている市民団体です。

 陸上自衛隊がサマーワから日本に撤収したにもかかわらず、航空自衛隊はイラクとその近辺に残留し、全国が戦闘状態にあるイラクでのアメリカ軍の後方支援活動を続けています。C-130輸送機がレジスタンスによる攻撃で撃墜され、自衛隊員が負傷・戦死することも、充分ありえます。そのような事態になる前に、一刻も早く部隊を撤退させてください。

 安倍政権は、アフガン・イラク戦争そのもの、及びそれへの自衛隊の関与の妥当性を吟味しないまま、自衛隊を海外に派遣し続けています。ブッシュ政権は、イラクが大量破壊兵器をもつことを理由に、先制攻撃してフセイン政権をつぶしました。その後、イラクには大量破壊兵器はなかったこと、かつアルカイダと無関係であったことがわかってきました。ブッシュ政権は誤った情報にもとづき、国際法や国連憲章に違反する先制攻撃を行ったのです。そのあげく、イラク、アフガニスタンともに内戦状態に近いままで、一方的論理で戦争を仕掛けた結果、地域社会を崩壊させ、打つ手を見出せないままです。その結果、ブッシュ政権は国内外から支持率が急落し、孤立しています。つい先日のアメリカの中間選挙で、ブッシュ政権の戦争政策を批判する民主党が、上下院とも過半数を占めたことは、その反映です。

 とすれば、誤った戦争に自衛隊を派遣し、米軍を支援することも誤りです。安倍政権は、イラクでは、航空自衛隊の米軍への協力を強め、アフガン派兵の米軍などへの燃料補給作戦は、今も続けています。つい11月12日には、補給艦[とわだ]が実に6回目の派遣のために広島県の呉港を出航したばかりです。違法なイラク派遣命令は勇気を持って拒否していただきたい。そのような貴職を、私たちは全力で支援します。 このところ自衛官の規律が混乱している問題が続出しています。呉基地の隊員が、酒気おび・無免許運転をしたり、大麻を購入するなど犯罪が続出しています。その前には、切串の水雷整備所で、ミサイルを落下させ、事態が上層部に報告されていませんでした。大湊や舞鶴では実弾が「誤発射」してしまう問題も起きています。それにしても、事件の質の多様性は、隊員集団全体の構造的な問題があることを示唆しています。このところ、特に、イラク戦争への自衛隊の派遣あたりから、自衛官には、不安と不満が渦巻いているのではないでしょうか。命をかけて、海外に出て行くのは、本来の「約束」と違うことです。「仕事だから、命令されれば行く」と言っては見るものの、必ずしも納得できない方が相当数おられるはずです。これは、ある意味では自衛隊員の健全さを象徴しています。

 現在の地球社会は、「軍事力が平和を担保する」という思想が主流ですが、イラク、アフガン、パレスチナ、レバノンなどの事例は、そのくり返しでは何も解決しないことを示唆しています。貴職も含め「軍事力によらずとも平和は作れる」という方向であくまでも努力することこそが、今求められているのです。日本政府は、世界に向けて憲法九条に依拠した政治姿勢を貫くよう、心より願うものです。当面のこととして以下のことを求めます。

1)航空自衛隊のイラク派遣を即時中止し、これ以上の派遣を行わないこと。
2)アフガン・イラク戦争への自衛隊の関与をおこなったことの妥当性を総括すること。
3)防衛庁の省への昇格を認める法案を成立させないこと。特に、国民投票法案など「新憲法」の制定への 動きをしないこと。

2006年12月2日
入れるな核艦船!飛ばすな核攻撃機!ピースリンク広島・呉・岩国(28団体)  


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