■不戦へのネットワーク

名古屋空港の平和利用についての質問書(2006年11月)

愛知県知事 神田 真秋様
不戦へのネットワーク代表 水田 洋

 貴職におかれましては、日々県民のための県政にご尽力されていることに敬意を表します。
さて、本年6月「名古屋空港の移設に関して、並びに名古屋港の平和利用についての質問書」に対し、回答をいただき、誠にありがとうございます。貴職が県営名古屋空港をビジネス機などの活用によるコミューター空港として活用に努力されていること、また、「地元自治体」の意向を尊重し、基地機能強化に繋がらないよう努力されていることの一端が伺えました。それは、本年10月に行われて小牧基地航空際において、昨年から懸案であったブルーインパルス飛行が今年度も行われなかったことに端的に現れていると思います。どのような経緯で行われなかったのかはうかがい知ることはできませんが、少なくとも周辺自治体は、開港まもない県営空港での航空自衛隊の存在を誇示するブルーインパルス飛行を快く思っていないことは新聞等でも報道されています。
 そのことを踏まえた上で、先回の回答の中で私たちに理解できないところが多々ありましたので改めて、質問をさせていただきます。
 つきましては、話し合いの場を持っていただくようお願い致します。

1.昨年2月に県営名古屋空港として再出発しましたが、名古屋空港の設置管理者は誰になっていますか。その具体的な役割・権限をお聞かせ下さい。
 また、その役割権限が及ぶ範囲は、名古屋空港敷地内のどの範囲になりますか。

2.航空対策課の役割、権限を具体的に示して下さい。責任の範囲はどこまでありますか。

3.県営名古屋空港の航空管制は防衛庁に移管されたとのことですが、設置管理者としての県との関係はどのようになっていますか。万が一、事故が起きた場合の責任の所在はどこにありますか。

4.自衛隊機のタッチアンドゴーなどの訓練が行われていますが、空港周辺(上空)の訓練空域はどの範囲に指定されていますか。

5.基地問題の県の担当はどこですか。具体的な担当課名を示して下さい。また、騒音対策など、基地から派生する問題に対処する県の部署はどこですか。

6.周辺自治体との連絡・調整・交渉の窓口はどこですか。

7.防衛庁・防衛施設局との対応窓口はどこですか。

8.10月に機動衛生隊が小牧基地に配備されました。この部隊はどのような任務を担う部隊だと認識されていますか。その上で、同部隊が配備されたことに対する県としての見解をお聞かせ下さい。

9.先回の質問で、機動衛生隊がまだ配備されていないので、県の防災計画には組み込まれていない、(配備されれば)今後検討をしていくということでしたが、配備された現在、防災計画にどのように
 組み込まれていますか。また、周辺自治体や医療機関との連携はどのようになっていますか。


10.先回の質問で、具体的な米軍の行動は公表しないよう国から指導が出されているとのことですが、指導の具体的な方法、内容をお答え下さい。

11、「国の指導」の法的根拠はどのような法律によっているものとお考えですか。

12.米軍の名古屋空港滑走路使用はどのような法的根拠によってされているとお考えですか。

13.米軍機の利用届は民間機と同様の利用届けとのことですが、その内容・届け時期など具体的にお答え下さい。

14.利用は全て把握されていますか。届けがなく利用することはありましたか。



15.航空法第86条は「爆発性または易燃性を有する物件その他人に危害を与え、または他の物件を損傷する恐れのある物件で国土交通省令で定めるものは航空機で輸送してはならない」とありますが、この規定は、名古屋飛行場条例のどの規定に該当しますか。

16.また、その第2項で「航空輸送業を経営する者は、貨物若しくは手荷物または旅客の携行品その他航空機内の持ち込まれ若しくは持ち込まれようとしている物件について、形状・重量その他の事情により前項第1項の物件であることを疑うに足りる相当な理由がある場合は、当該物件の輸送若くは航空機内へ持ち込みを拒絶し、委託人若しくは所持人に対し当該物件の取卸しを要求し(以下略)」とありますが、この法律で言う、「航空輸送業を経営する者」とは、県営名古屋空港では誰に当たりますか。

17.名古屋飛行場条例11条の禁止行為2項に於いて、「知事が定める場所以外の場所に於いて、爆発物または危険を伴う可燃物を携帯し、または運搬すること」とありますが、「知事が定める場所」とは具体的にどこをさしますか。


18.名古屋飛行場管理規則第9条には、名古屋飛行場条例11条の禁止行為の2の特例として、「爆発物等の携帯の許可」の項目がありますが、これは具体的にどのような事態を想定して条文化されているものですか。これまで、この許可申請が出されたことがありますか。

19.2005年、2月18日に陸上自衛隊のイラクへ向けての物資輸送のために、アントノフが開港翌日に名古屋空港から出発しました。これより先、岡山空港ではアントノフの使用を「拒否」しましたが、この件について、岡山県または岡山空港担当者への照会・打診はされましたか。

20.岡山県の条例と愛知県の名古屋飛行場条例の上記問題についての違いはどの点ですか。


21.先回の質問で、県は空中給油輸送機配備について、小牧基地の基本的な役割は輸送と教育であり、空中給油・輸送機が配備されてもその目的は「輸送」にあたり、基地機能の強化に当たらないという見解かと思いますが、空中給油・輸送機の本来の目的は、戦闘機への空中給油にその目的があります。「空中給油」も輸送の任務の一部とお考えですか。

22.小牧基地は機動衛生隊・空中給油部隊の配備により、約300人の隊員が増えます。これも基地の拡充・強化に当たらないとお考えですか。

23.来年2月には、空中給油輸送機の配備が決まり、格納庫の建設もほぼ終了しています。改めて、県としての空中給油輸送機配備に対する見解をお答え下さい


24.折に触れて「地元の意向の尊重」を言われますが、地元の意向は法的な根拠があり、保護されたものですか。もしないとすれば、何によって地元の意向は担保されますか。

25.県と周辺二市一町との協定など、何らかの取り決めはありますか。

26.周辺二市一町は、道路使用・廃棄物・空域・騒音など、直接県営名古屋空港に対して法的な権利関係がありますか。あれば具体的にお答えください。

27.北朝鮮の核実験実施に伴って、政府関係者からは「周辺事態法の発動」が取りざたされていますが、もし仮に、周辺事態法が発動され、県として協力を求められ、周辺自治体との意見の相違があった場合に県としては国と周辺自治体のどちらの意向を尊重されますか。

28.周辺事態法9条では、「地方自治体の長に対し、その有する権限の講師について必要な協力を求めることができる」となっていますが、もし仮に県営名古屋空港に協力要請がきた場合、県としてはどう判断されますか。

以上


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