要請文 内閣総理大臣 小泉純一郎様(2006年8月5日) |
私たちはイスラエルのレバノン攻撃に抗議し、いますぐ停止させたいと願う市民の集まりです。小泉首相は「対話を通じた和平の実現」をかかげ、7月12・13日に、イスラエル、パレスチナを訪問しました。しかし、皮肉なことにちょうどその日より、イスラエルによるレバノン攻撃がはじまりました。900人以上の市民が犠牲になり、100万人の難民が生まれています。空港や橋を破壊し、意図的に市民、子供を攻撃しているように思えます。7月30日にはカナにおいて37人の子供をふくむ57人が死亡しました。世界の人が衝撃をうけ、即時の停戦をもとめましたが、イスラエルは攻撃を拡大しています。国連の基地さえも攻撃されました。武装勢力・ヒズボラへの対抗としてはあきらかに行きすぎていて、戦争犯罪といえます。
イスラエルのこの無法とも言える攻撃はなぜ中止されないのでしょうか? それはアメリカが支援しているためです。アメリカは国連の早期停戦案に反対しましたし、イスラエルの立場が理解できるなどと発言しています。これに応え、イスラエルも「テロとの戦い」ということを口にしながら、市民への攻撃を「誤爆」、「テロリストは市民を人間の盾につかっている」などと言いつくろい、あげくには、「死にたくなければ町から出て行け」などと言っています。これは明らかに、アメリカのアフガニスタン、イラクへの攻撃の際に聞いた言葉です。
イスラエルは1982年にもレバノン攻撃をし、レバノンの国土を大きく破壊しました。ベイルートのサブラ、シャティーラのパレスチナ難民キャンプで虐殺事件をおこしています。国際社会はイスラエルにたいして、このことの罪を問うことができませんでした。こうしたことの積み重ねがイスラエルの今の無法を許してしまっているのです。国際社会は断固とした態度が必要です。
残念ながら、日本政府のイスラエルへの態度はアメリカの追従に終始しているように思われます。小泉首相はオルメルト・イスラエル首相とパレスチナ・アッバス大統領とは会いましたが、ハマスのハニヤ首相には会っていません。「中東における日本の役割を強化」するのであれば、公平、公正な態度をとってください。そして、イスラエルには断固とした態度をとってください! いますぐレバノン、ガザへの攻撃を停止するようイスラエル政府に通告してください! 国連などの場で即時停戦のための外交努力をしてください!
2006年8月5日 イスラエルのレバノン侵略に抗議する緊急集会参加者一同